
屋根リフォーム工事の中に屋根カバー工事という施工方法があります。
既存の屋根材を残して、その上から新しい屋根材を張っていく工法です。
または屋根重ね葺きともいいます。
既存の屋根材を残して工事するため、屋根葺き替えと比べると「解体費用や廃材処分費」がかからずコストが抑えられます。
とくに、2005年以前のスレート屋根にはアスベストが含まれており、アスベスト処分費用は年々高くなってきていますので費用が大幅に削減できます。
屋根カバー工事のメリット・デメリットは?
メリット
屋根カバー工事の最大のメリットは、「費用対効果」に優れる点です。
「屋根材の解体費」、「処分費」が掛からないので、費用を抑えられます。
また、その分「工期短縮」にもつながります。
そのほかでは、屋根が2重となる分、雨漏りリスクがより低減でき、「断熱効果」や「遮音効果」も高まる点は魅力があります。
デメリット
屋根カバー工事のデメリットとして、まず挙げられるのが、「屋根が重たくなる」という点です。
新しい屋根材を上張りすることで、多少なりとも負担がかかります。
そのため、カバーする屋根材は、軽量のものを選ぶ必要があります。
次のデメリットは、野地板や垂木などの木下地の「劣化状態を確認できない」という点です。
屋根材を剥がさないので、その下にある下地の状態はわかりません。
そのため、「築25年以上」の屋根や「雨漏り」している屋根に対しては、カバーを行って良いか確認する必要があります。
屋根カバー工事を行う時期や目安
屋根から雨漏りしている


スレート屋根から「雨漏り」している場合は、屋根カバー工事がおススメです。
雨漏りしている屋根は、屋根塗装で解決することが非常に難しいためです。
基本的に雨漏りしているという事は、2次防水の防水シートが破れています。
この防水シートを修理しないで、屋根材だけ塗装などしても効果が期待できないためです。
年数が経っている屋根


次に、「20年以上ノーメンテナンス」もしくは「30年以上経過した屋根」ですが、ここまで年数が経つと、屋根材が雨水を大量に吸収して、屋根材の機能が低下しています。
この状況で塗装を行っても、すぐに塗膜が剥離をしてしまう可能性が高いため「屋根カバー工事」をご提案しています。
屋根材にひび割れやめくれがある場合


屋根材のひび割れやめくれが酷い場合には、カバー工事をおススメさせていただいてます。
ひび割れが酷いと、修理や塗装作業中にばりばりと次々に割れてしまう事があります。
被害が悪化してしまいますし、割れが酷い状態で塗装を行ってもあまり良い状態で仕上げることが出来ません。
そのほか欠陥品のスレート材(パミールなど)を使用されていた場合にはカバー工事をご提案しています。
屋根塗装と屋根カバーを比較して将来的に考えた場合
築10年のお宅で、今後のランニングコストを考えて、20年以上お家を使われるご予定のお宅には、カバー工事をお勧めしています。(もちろんご予算の都合も考えます)
理由は今後、屋根の塗装工事を3回行うのと、カバー工事との費用が同じくらいか、安く仕上がるためです。
例:70㎡(30坪)のスレート屋根(足場代金含む)
屋根塗装:シリコン系塗料使用、屋根カバー:リッジウェイ使用
築10年目 | 築20年目 | 築30年目 | 合計 | |
屋根塗装 | 40万円 | 40万円 | 40万円 | 120万円 |
屋根カバー | 75万円 | 0万円 | 0万円 | 75万円 |
合計すると、屋根塗装が「120万円」に対して、屋根カバーでは「75万円」でおさまります。
ポイントしては、屋根塗装を行うたびに「仮設足場」の設置費用が掛かってしまう点です。
※仮設足場は、おおよそ「12万円~16万円」ほどかかります。
もちろん、外壁塗装工事を一緒に行えば、足場代を節約できます。
足場代を差し引いても築40年目までは、ほとんど費用が変わらないか、リッジウェイを使うと安くなる計算となります。
屋根カバー工事の施工手順





横浜市内での屋根カバー工事の施工事例一覧
屋根カバーNAVI
最後に
屋根カバー工事はスレート屋根やトタン屋根、シングル屋根の場合に行う施工方法です。
既存の屋根材の上から、新しい屋根材をカバーして仕上げていきます。
塗装では、長く持たないような劣化状況、塗装よりもメンテナンス回数を減らして長期的な視点でコストを下げたい場合におすすめの工事です。
葺き替えに比べて、屋根材の処分費や解体費用も抑えられますので、大幅に費用が抑えれます。
屋根リフォームをお考えの際はご検討してみてください。
屋根カバ-工事のことで、「ご不明点や気になる点」等ございましたら、横浜市で活動している轍建築へお気軽にご相談ください。