屋根施工後

 

アメリカで主流の屋根材「アスファルトシングル」は、シート状で柔軟性の良さ、そして洋風の雰囲気から近年日本でも注目されています。

そんな中、屋根リフォームの選択しとしてよく上がるのが、オークリッジという屋根材です。このオークリッジは、オーウェンスコーニング社から販売されている「アスファルトシングル材」です。

今回は、このオークリッジの特徴と性能について詳しくお話していきます。

オークリッジの特徴

屋根仕上がり

 

まずは、オークリッジの主な特徴について紹介します。

特徴①:高耐久の屋根材

 

オークリッジは、芯材に高耐久性グラスファイバー、表面材にアスファルトを使った耐久性が高い屋根材です。

従来のアスファルトシングルと比べて密着性を高めたオークリッジは耐風圧50m/sという高い耐風圧性能を持っています。

 

特徴②:長期保証がついている

 

高度な技術により耐久性を兼ね備えたオークリッジスーパーは、「ライフタイムワランティー」という長期製品保証(制限付き)を受けることができます。

個人が所有する戸建住宅の場合は40年以上という長期保証で、施工後の経過年数に応じて以下のような負担割合です。

経過年数による保証割合は
・施工後10年間⇒100%
・施工後11年目⇒80%
・施工後12年目から40年目まで⇒2%ずつ減額
・施工後40年目以降⇒20%
という長期保証がついています。

そもそもメーカー保証は、メーカーが独自に設定しているため、保証期間には大きくばらつきがあります。

最近人気のガルバリウム鋼板などでも25年程度の保証期間が多いなか、オーウェンスコーニング社のオークリッジスーパーの「永久保証(制限付き)」は相当な長さです。それだけ高品質で絶対的な自信を誇るという解釈もできます。

施工後10年を過ぎると段階的に保証額が減りますが、屋根リフォームをするうえで長い保証期間があるのは安心感につながります。

また、表面の石粒はセラミックにコーティングされて色褪せが起こりづらく、美観が続きメンテナンスコストもおさえられます。

 

特徴③:リフォームにも向いた屋根材

 

オークリッジは瓦屋根と比較すると約1/4という軽さで、施工しやすい屋根材です。近年、日本でも大きな地震が見られるようになり、「耐震性を高めたい」と屋根リフォームを検討する方も多いでしょう。

屋根材は重いほど揺れがひどく、建物の倒壊リスクが高まるため、“耐震性”という観点では軽量のオークリッジはおすすめです。

重量のある屋根材と比べると運搬しやすく、しかも柔軟性のあるシート状でカバー工法にも向いています。

既存の屋根材をそのままで施工できるカバー工法は、「撤去・処分」といった手間がいらず、張り替えよりもコストをおさえられる工法です。

ただし、もとの屋根材が瓦のケース、既存の屋根材が著しく劣化しているケースはカバー工法ができません。

 

オークリッジのメリット・デメリット

屋根仕上がり

 

オークリッジのメリット、デメリットをそれぞれ紹介します。

メリット

カラーバリエーションが豊富

 

自然の石粒が入っているオークリッジは、光の当たり具合により美しい輝きを放ちます。

カラーバリエーションは7パターンで、
・宝石オニキスの高級感を感じさせる「オニキスブラック
・深みのある茶色が美しい「ブラウンウッド
・素焼きのオレンジ色がおしゃれな「テラコッタブレンド
・落ち着いた色味の「エステートグレイ
・爽やかで明るい色調の「ハーバーブルー
・緑色が個性的な「シャトーグリーン
・薄めの色が洋風の家にも合う「デザートタン
などがあります。

濃淡により同じ色でも見る方向によって立体感や陰影がり、おしゃれな雰囲気の外観にこだわる人には魅力的な屋根となるでしょう。

洋風な雰囲気のお住まいにもぴったりのオークリッジですが、色の選び方次第では和風の住宅にも結構マッチします。

 

防水性が高い

 

オークリッジはアスファルトが主な成分で、基本的には水を吸わない特徴があります。優れた防水性により雨水をはじき、藻がつきにくいので綺麗な状態が続く屋根材です。

素材に弾力性があるため、雨降り時には金属屋根のような雨音に悩まされることもないでしょう。

 

デメリット

風で剥がれる可能性

 

アスファルトシングルはシート状で“軽量”という大きなメリットがある一方で、素材が薄いことから剥がれのリスクがないわけではありません。

ただ、オークリッジは「風に弱い」というアスファルトシングルの欠点に対し改良を重ね、なかなか剥がれないような対策が施されています。前述しましたが、耐風性を実現している屋根材ですから正しい工法でしっかり施工できる業者に依頼できれば安心です。

 

素材の“石粒”が取れることもある

 

オークリッジは粒状の小粒の石が素材の表面に大量にくっついているため、取れて落ちることがあります。

ただ、かなり小粒ですから雨水と一緒に自然に流れます。雨樋を詰まらせることもありません。

また、金属でしっかりとコーティングされているので、石粒が取れたとしても少量にとどまります。大量に剥がれて屋根材の性能が劣る…といったこともなく安心です。

 

オークリッジのリニューアルについて

 

オークリッジは正式には「オークリッジスーパー」と言い、2015年に旧製品から仕様が変わって「オークリッジスーパー」に改名されたものです。
・「オークリッジプロ30」⇒「オークリッジスーパー」へリニューアル

オークリッジスーパーは、改名前の製品「オークリッジプロ」と比べると、保証期間が延びたことや耐風性能の向上、藻がつきづらくなったことなど、さまざまな点で進化しています。

 

保証期間

 

仕様が大きく変わった点は保証期間です。

オークリッジプロ30」は30年保証だったのに対し、「オークリッジスーパー」は制限付きですが永久保証となりました。

 

耐風性能

 

耐風性能も177㎞から180㎞へとアップしました。

 

まとめ

 

シート状で軽量という特徴を持つ「オークリッジ」は、屋根リフォームでもおすすめできる屋根材です。柔軟性のある素材ですから、カバー工法の際も選択肢にできます。

カラーバリエーションが豊富で洋風・和風とさまざまな外観に合わせられます。

屋根リフォームの際は、ぜひご検討ください。