コロニアルNEO

 

昨今、屋根材のメンテナンス不可問題が話題になっています。

その1つとして「コロニアルNEO」という商品があります。

この記事では、コロニアルNEOがなぜリコール問題に発展しているのか、コロニアルNEOが自宅の屋根に使用されている場合の対処法などについて紹介していきます。

コロニアルNEOとは

 

コロニアルNEO」とは2001年にクボタ株式会社(現ケイミュー株式会社)から発売されたスレート屋根材です。

大手屋根建材メーカーであるクボタ株式会社が発売した商品ということもあり、数多くの新築やリフォームで採用されました。

コロニアルNEOの最大の特徴はノンアスベストの屋根材だという点です。

現在では【アスベスト=危険】という認識を持っている方も多いと思います。

しかし、アスベストの使用制限が開始されたのは1975年で、使用禁止となったのは2006年です。
その為、2001年時点ではノンアスベストの屋根材は珍しい存在でした。

そんなコロニアルNEOが、昨今メンテナンス不可問題の対象となっているのです。

 

コロニアルNEOは塗装不可?

 

化粧スレート屋根は、経年と共に割れや欠けが発生する屋根材です。原因として、屋根材に含まれた水分の蒸発などによる素材の伸縮や、地震などの揺れが挙げられます。

とくに、コロニアルNEOの場合は一般的なスレート屋根に比べ、非常に割れや欠けが多い屋根材です。

一般的な屋根材が10年で「1~2枚」の割れに対して、コロニアルNEOは「数十枚」割れていることが多いです。

屋根の調査や作業のため、コロニアルNEOの上を歩くと、「バキバキ」と割れてしまう事もあります。

このような状態では塗装はできませんし、仮に行ってもすぐに剥離や不具合を起こすリスクが高く、塗装の提案は出来ないのが現状です。

 

割れや欠けができやすい原因とは

 

強度が低い理由として、コロニアルNEOはノンアスベストだという点が挙げられます。

現在もノンアスベスト材のスレート屋根が製造されていますが、この当時は転換期に製造されたため、まだ技術やデータが乏しく、その結果「欠陥品」が生まれてしまいました。

劣化して雨水を含むとミルフィーユ状態となり、ボロボロと剥がれ、割れてきます。

似た商品では、「ニチハのパミール」があり、これらの屋根材が葺かれていたら注意が必要です。

ニチハパミールについてはこちら>>

 

コロニアルNEOの見分け方

 

気になるのは自宅の屋根材がコロニアルNEOかという点です。コロニアルNEOにはいくつか見分け方があるので紹介します。

 

全面的にひびが入っている

スレート屋根のひび割れ

 

コロニアルNEOの特徴は、屋根の全面的にひびが入るという点です。

一般的なスレート屋根の場合、ひびが入るとしても数箇所単位です。

全面的にひびが入っている場合は注意して下さい。

 

大きな欠けがある

スレート屋根の割れ

 

スレート屋根は様々な理由で欠けることがあります。

一般的な場合、3~5cmほどの小さな欠けが発生するのですが、コロニアルNEOの場合は10cmほどの欠けが発生することがあります。

欠けた屋根材は屋根面を滑り庭などに落ちることがあるので、大きな欠けがある場合には注意してください。

 

仕様書の確認

 

最も確実な確認方法は、自宅の仕様書を確認するという方法です。

新築時の仕様書を確認すれば、自宅の屋根材に何が使用されているかわかります。

仕様書を保管していなかったり、見た目での判断が難しい場合は、リフォーム業者や屋根業者などに調査を依頼し、確認してもらうという方法もあります。

 

コロニアルNEOの対処法

 

屋根に無数のひびや欠けがある状態を放っておくと、雨漏り被害に繋がります。

では実際に自宅の屋根がコロニアルNEOだった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。

屋根には塗装以外のメンテナンス方法もありますので紹介します。

 

カバー工法(重ね葺き)

リッジウェイ本張り

 

なるべく費用を抑えつつメンテナンスを行う方法として、カバー工法という方法があります。

既存の屋根材の上から新規屋根材を施工する方法です。

コロニアルNEOの上からも行うことが出来る為、オススメの工法になります。

コロニアルNEOへのカバー工法での施工事例>>

 

メリット

 

メリットは費用を抑えられるという点です。

現状の屋根材を撤去処分する必要が無い為、費用を抑えることが出来ます。

他にも、工期が短くて済むというメリットもあります。

 

デメリット

 

デメリットは既存の屋根材が残ってしまうという点です。

また、古い屋根材を剥がさないため「雨漏り」などしている場合は、下地の状態が確認できず、補修ができません。

 

葺き替え(張替え)

 

カバー工法に抵抗がある場合、葺き替えをオススメします。

葺き替えは、現状の屋根材を撤去処分し、新しい屋根材を施工する方法です。

 

メリット

 

メリットは全て新しくなるという点です。

既存の屋根材や防水シートを撤去することで、腐食やカビが発生している野地板なども新しくすることが出来ます。

 

デメリット

 

デメリットは費用が高くなるという点です。

屋根材の撤去処分には多くの費用が発生してしまいます。

一般的な広さの屋根の場合、カバー工法に比べると50万円ほど追加費用が掛かります。

 

最後に

 

大切な住宅を守る為に、まずは自宅の屋根材に問題が無いかをチェックすることをオススメします。

ひびや欠けがある状態を放っておくと、雨漏りが発生するだけでなく、建物内にカビが発生したり、木部が腐食したりと取り返しのつかない状態になってしまいます。

万が一コロニアルNEOが使用されていた場合は、カバー工法を行うなど、適切な対処を行いましょう。