横浜市港北区のS様邸にて、屋根の葺き替え工事を行いました。
瓦の劣化及び建物の老朽化に伴い、屋根を軽くして耐震性の向上を目的として施工していきました。
粘土瓦から金属屋根に葺き替えましたので、その施工事例をご紹介します。
屋根の劣化状況
瓦屋根も棟瓦の「漆喰の剥がれ」や「銅線の切れ」など、年数が経つと不具合が生じます。
大棟と降棟の取合い部も劣化していました。
屋根葺き替え工事の施工事例
上屋根
葺き替え工事を行うため、仮設足場を設置していきます。
瓦の解体時に砂ぼこりが舞うため、近隣への飛散防止目的と、墜落防止目的のため設置します。
まずは、既存の瓦と瓦桟を解体していきます。
既存の防水シートまでの状態にして、しっかりと清掃を行っていきます。
その後、新しい構造用合板(12mm板厚)を上から増し張りしていきます。
構造用合板の上に新しい防水シートをタッカーで留めていきます。
下地の準備が完了したら、新しい屋根材を張っていきます。
新しい屋根材は、アイジー工業のスーパーガルテクトを使用しています。
スーパーガルテクトは、1平米あたり約5kgという軽さで、既存瓦の約1/10の重さとなります。
また、メーカー保証が穴あき25年間と耐久性にも優れています。
スーパーガルテクトを軒先から順々に張っていきます。
全面に張り上げ後、棟板金を仕上げていきます。
先に下地を取付けていきます。この下地は腐食しない樹脂製の者を使用しています。
新しい棟包みを、下地にビスで留めて取付けていきます。
棟板金の取付け後、最終確認を行い、上屋根の施工は完了です。
下屋根
上屋根同様に、下屋根も施工していきました。
既存の瓦、瓦桟を解体していきます。
構造用合板を増し張りしていきます。
防水シートを張っていきます。
新しい屋根材「スーパーガルテクト」を張っていきます。
上屋根と下屋根で異なる点は、外壁と屋根が絡む点です。
雨水の侵入を防ぐため、外壁と屋根の取合い部には雨押えとい板金を取付けて、仕上げにコーキングを行っていきます。
雨押え、棟板金の取付け後、最終確認を行い、下屋根の施工も完了です。
工事のビフォーアフター
工事期間は、約5日間の工事でした。
今回の屋根は、入母屋という複雑な構造で、勾配もあり、時間の要する工事でした。
最後に
今回の工事で、屋根の重さが大幅に軽量化されました。
既存瓦屋根の重さは、桟木、棟瓦、降棟、土を含めると約10トンあり、大型トラック1台分と考えると相当な重さです。
リフォーム後は、金属屋根材と増し張りした構造用合板の重さを足しても約1.3トンと約1/10となっています。
建設当初は、約10トン耐えられる構造でも、30年以上経つと躯体も経年劣化するため、耐震性も低下します。
また、瓦屋根はメンテナンスも定期的に必要となります。
このような事から、建物が古くなってきた場合は、状況によって「葺き替え工事」もご検討してみてください。