トタン(鉄板)は、粘土瓦と同様に古くからある屋根材の一つです。
新しい家屋の屋根に使われることが少なくなってきましたが、安価な屋根材として「簡易施設や倉庫」などで今も活躍しています。
今回は、そんなトタン屋根のメリット・デメリットや屋根リフォームを行った場合の価格についてご紹介していきます。
トタン屋根の特徴は?
トタン屋根とは、亜鉛をメッキした鉄板を重ねた屋根材で、板金と木材(心木)が組み合わさっている「瓦棒屋根」や波型に加工された「波トタン屋根」などがあります。
メリット
低勾配屋根に使える
通常は雨漏りを防ぐために屋根の勾配を大きくするケースが多いのですが、トタン屋根は継ぎ目が少ない鉄板なので、低勾配の屋根でも使用でき、雨漏りがしにくいのが最も大きなメリットです。
屋根材が低価格
トタン屋根は、他の屋根材に比べて価格が低いので、費用を抑えたい建物(倉庫・車庫)によく使われています。
塗装しやすいので、手軽に好きな色に塗りかえることができるのもメリットといえるでしょう。
デメリット
耐久性に劣る
鉄板なので「錆や腐食」が起きやすく、耐久性に劣るのが大きなデメリットです。
一度錆びるとそこから腐食が進行するので、雨漏りの原因になります。
劣化を防ぐためには、こまめな塗装によるメンテナンスが必要となります。
断熱性、遮音性に劣る
また、「断熱性に劣る」ので、夏場は室内温度が上がるなど、快適な室内環境が維持できないのもデメリットです。
住宅にエコが求められている現代において、時代に逆行する屋根材といえるでしょう。
さらに音を吸収しないので、雨音など外部の音が直接響くのもデメリットです。
トタン屋根への屋根リフォーム価格
「波トタン」を使用した場合
カバー工法:建坪「30坪」屋根面積「80㎡」
工事項目 | 単価 | ㎡数 | 費用相場 |
仮設足場 | 650円 | 160㎡ | 104,000円 |
胴縁 | 1,000円 | 80㎡ | 80,000円 |
波トタン(材工共) | 4,500円 | 80㎡ | 360,000円 |
各種役物(棟板金など) | 1式 | 100,000円 | |
管理・経費 | 1式 | 35,000円 | |
合計 | 679,000円(税別) |
これらを合計すると、税込み価格で「約75万円」となります。
葺き替えを行う場合には、上記費用にプラスして「屋根材の解体費・処分費」、「木下地の補修や交換費用」がかかります。
瓦棒屋根(トタン)の場合、上記単価から約「1000円/㎡」前後プラスとなりますが、今はガルバリウム鋼板素材の「瓦棒屋根」や「芯材なしの瓦棒屋根」が主流のためトタンはほとんど使用されていません。
カバー工事費用「7,500~8,500円/㎡」(足場代含まず)
トタン屋根へのリフォーム価格は、「商品」、「施工面積」、「屋根の形状」によって異なります。
※価格はあくまで目安となります。
最後に
トタン屋根は「低勾配の屋根」や「車庫・倉庫」で今でも使われている屋根材です。
低価格で、屋根リフォームを行える点が魅力的です。
しかし、その耐久性の低さから、従来のトタン屋根を家屋に使うことが少なくなっています。
そのかわりに登場した「ガリバリウム鋼板」が今では主流となっています。
このほかにも断熱性の高いものや、遮音性に優れるものなど、さまざまな屋根材が登場しています。
トタン屋根は、メリットもありますが、デメリットが多い屋根材なのでよく検討して、お選びください。