銅板屋根

 

古くから日本の屋根として使用されてきたのが銅板屋根です。

銅板屋根は日本の住宅に非常に適していると言われております。

ここでは銅板屋根の特徴やメリット・デメリットなどについて説明していきます。

銅板屋根とは

緑青色の銅板

 

銅板屋根とは、屋根材として銅板を使用した金属屋根です。

金属屋根といえばガルバリウム鋼板やトタンが一般的ですが、昔は銅板が使用されていました。

現在、一般住宅で銅板屋根を見かけることは殆どありません。

しかし銅板は日本の住宅に非常に適しているという様々な特徴があります。

昨今では殆ど施工されることが無い銅板屋根ですが、どのようなメリット・デメリットがあるのか説明していきます。

 

銅板屋根のメリット

非常に耐久性が高い

 

銅板屋根は非常に耐久性の高い屋根材です。

トタンやガルバリウム屋根の場合、10年に1度のメンテナンスを行ったとしても、トタンが「20~30年」、ガルバリウム屋根は「30~40年」経つと屋根材自体を交換しなくてはいけません。

しかし銅板屋根の場合、メンテナンスを必要としないだけでなく、60年以上は屋根材の交換が不要とされています。

 

非常に薄くて軽い

 

銅板屋根の厚みは金属系の板のため「0.27mm~0.5mm」です。

スレート屋根は「約5mm」、瓦は「10~20mm」と他の屋根材と比較すると銅板屋根が以下に薄い素材か分かります。

その薄さから重量も非常に軽く、建物に与える負担も非常に少ないのも銅板屋根の特徴です。

屋根が重い住宅は地震の際に揺れが大きくなり、建物に掛かる負担が大きくなってしまいます。

地震大国と言われるくらい地震の多い日本では、なるべく屋根の重量が軽い住宅の方が安全と言えます。

 

加工性が良い

 

銅板は非常に加工性が高い素材です。

その為、大仏や神社の屋根のように丸みのある設計を行うことが出来ます。

また屋根だけでなく雨樋や破風板金に銅板を使用することも出来ます。

 

年数が経つほど味が出る

 

経年で色が変化するのは銅板屋根独自の特徴です。

銅板の施工時は銅が持つ独自の艶がある赤橙色をしています。

その後、赤みが濃くなり、褐色、黒褐色へと変化し、さらに年月が経つことで緑青色へ変化します。

緑青色は和風住宅と非常に相性の良い見た目をしています。

長年使用し続けることで味のある住宅へと変化していきます。

 

銅板屋根のデメリット

値段が高い

 

銅板屋根は軽量、メンテナンスフリー、高耐久性といった非常に優れた屋根材です。

その分、他の屋根材に比べ高価な屋根材でもあります。

材料だけでもスレートやガルバリウムに比べ「3~5倍」と非常に高価な材料です。

 

施工できる業者が少ない

 

銅板屋根はその値段の高さから、一般住宅に施工されることが少なくなってきました。

その結果、銅板屋根を扱うことが出来る業者自体が減ってきております。

銅板を加工できる職人が貴重な為、材料代だけでなく施工費も他の屋根材に比べ割高になる傾向があります。

 

熱伝導率が高い

 

銅は熱伝導率の高い素材です。

太陽光に当たることで室内にも熱が伝わり易いという特徴があります。

その為、銅板屋根を採用する場合は、屋根裏断熱や天井断熱などの断熱対策はしっかりと行っておく必要があります。

 

遮音性が低い

 

遮音性の低さは銅板屋根に限らず金属屋根の特徴でもあります。

雨粒を弾くことで室内にも雨音が響いてしまうことがあります。

屋根裏断熱や天井断熱を行うことで雨音の響きを軽減することが出来るので、遮熱対策だけでなく遮音対策としての対策施工はしっかりと行っておく必要があります。

 

他の金属屋根と比べて銅板屋根の耐久性が高い理由

銅板屋根

 

金属屋根は、軽くて、耐久性が高く、地震や雨量の多い日本の環境には最適の屋根材です。

その金属には、「トタン」や「ガルバリウム」があり、「銅板屋根」も含まれます。

しかしながら、同じ金属でも「トタン」、「ガルバリウム」と「銅板屋根」ではその耐久性に大きく違いがあります。

この2つと銅板屋根は何が違うのでしょうか?

 

トタン・ガルバリウム

 

トタン・ガルバリウムは、鉄部が含まれており、この鉄部が経年劣化で錆びて不具合を生じさせます。

経年劣化で錆びることで素材の強度が低下し穴が空く原因になります。

トタンは、10年前後で錆が発生し、ガルバリウムは、25年前後で錆が出やすくなります。

そのため、ガルバリム鋼板でも25~30年までには、メンテナンスを行う必要が出てきます。

 

銅板屋根

 

銅も酸化物の為、錆びます。

しかし、鉄と銅では錆の種類が違います。

銅の錆は酸化皮膜と呼ばれ、銅の表面に膜を張り、銅板の劣化を防ぐという効果があります。

その為、一定以上は劣化することが無く、非常に高い耐久性へと繋がります。

この酸化被膜が、メンテナンスを行わなくても非常に高い耐久性(約60年)を持つ理由となります。

 

まとめ

 

銅板屋根は瓦同様で日本の歴史ある屋根材です。

現在では価格の高さ、施工職人の減少から一般住宅に使用されることが少なくなってきてしまいましたが、非常に優れた屋根材です。

耐久性や安全性などを踏まえると、メリットも多く、和風のお宅には相性が良いのでおすすめです。

屋根リフォームをご検討の方は、自宅の屋根にこの銅板屋根もご検討してみてはいかがでしょうか。