日本瓦

 

日本建築を代表する建材といえば瓦屋根です。

中でも特に長い歴史を持つ瓦の産地が3つあり、日本三大瓦と呼ばれています。

この記事では日本三大瓦の違いや選び方について紹介していきます。

日本3大瓦とは

 

日本三大瓦とは『三州瓦』『淡路瓦』『石州瓦』です。

実はこの3つの瓦だけで日本の住宅の85%を占めています。それぞれ生産地が異なるだけでなく特徴が異なります。

瓦選びの際に是非参考にするべきポイントを紹介していきます。

 

三州瓦

三州瓦

出典:http://www.kawara.gr.jp/11_j/j.shtml

 

愛知県西三河、高浜市、碧南市で生産されています。

いぶし瓦、塩焼瓦、陶器瓦と様々な種類の瓦を製造していますが、中でも粘土瓦は国内の70~80%を占めるシェア率を誇る生産量です。

三州瓦の特徴として高い意匠性、カラフルなバリエーションが挙げられます。

それは製造時に使用される釉薬により得られる効果で、その意匠性を求めて全校各地で使用されています。

また製造時には1100℃の温度で焼き上げられる為、強度が高くガラスコーティグを施したような効果が得られ、高い防水性、耐火性を誇っています。

一方、耐寒性はやや低く、北陸地方では凍害による劣化が見られることがあります。

 

石州瓦

石州瓦

出典:https://www.sekisyu-kawara.jp/case/j/index.html

 

島根県石見、江津市、大田市、浜田市、益田市で生産されています。

主に陶器瓦を生産しています。

赤褐色の瓦が非常に特徴的で、知らず知らずのうちに目にしている方も多いのではないでしょうか。

出雲地方で産出される含鉄土石「来待石」を釉薬にすることで、独特な赤褐色が生まれます。

島根県の赤瓦の町並みは世界遺産にも登録されていますが、それを支えているのがこの石州瓦です。

1200℃という超高温で焼成されることで耐寒性、防水性、耐塩害性に優れています。その為、寒冷地でもある北海道や、塩害の多い日本海側で多く採用される瓦でもあります。

さらにその耐寒性から海外からのオーダーも入ることがあります。

意匠性や機能性で非常に優れた瓦ではありますが、他の瓦に比べるとやや高価です。しかし耐久性も抜群で、20,30年と長期間にわたり使用し続けることで割安になる瓦です。

 

淡路瓦

淡路瓦

出典:http://www.a-kawara.jp/example/index.php

 

兵庫県淡路島、南あわじ市で生産されています。

いぶし瓦、陶器瓦、窯変瓦を生産しており、いぶし瓦の生産量は全国No1を誇っています。

いぶし瓦を作るのに適した「なめ土」の産出に恵まれた地域ならではの実績です。

焼成温度は1000℃と他の瓦と比べるとやや低い温度ではありますが、劣化しにくく、美観を長く保つことができる瓦です。

また、遮音性や遮熱性にも優れ、日々の暮らしを快適にしてくれるという特徴もあります。

 

まとめ

 

普段からよく目にすることがある瓦屋根ですが、生産地でさまざまな違いがあるとは知らなかった方も多いと思います。

それぞれに伝統があり特徴があります。瓦選びを行う際には生産地について調べてみるのも良いのではないでしょうか。