アスベスト含有屋根

 

健康被害に影響を与えることで知られる「アスベスト」。

そのアスベストが住宅の屋根にも使用されている時期がありました。

もちろん、近年の住宅の屋根には含まれてなく、築15年以上の屋根が主な対象となります。

対象となる築年数の場合、「含まれている屋根とそうでない屋根」の見極めが方や「含まれていた場合」の対策はどうすればよいのでしょうか?

ここでは、「アスベストはどんな物なのか」、「自宅の屋根にアスベストが使用されているかの見分け方」、「アスベストの対策方法」などについて解説していきます。

アスベストとは

 

アスベスト(石綿)とは繊維状の石を使用した建材です。

耐火性、耐熱性、耐久性に優れており、住宅など様々なものに使用されております。

しかし、1970年代以降にアスベストから発生するホコリや粉じんを吸い込むことで人体に影響を及ぼすことが判明しました。

 

アスベストは個人住宅にも使用されている?

 

アスベストはその機能性の高さから、公共施設の建物などで多く使用されてきました。

しかしその危険性から、現在ではアスベスト使用部の対処が進められております。

一方、今でも個人住宅の多くには、屋根材としてアスベストが使用されていることが多いです。

日本ではアスベストに対する規制を1975年から段階的に行ってきました。

 

・1975年には吹付アスベストの禁止

・2004年にはアスベストを1%以上含む製品の出荷を禁止

・2006年にはアスベストを0.1%以上含む製品の出荷を禁止

・2012年にはアスベストの製造を完全に禁止

 

その為、2012年以前に建てられた建物には少なからずアスベストが含まれている可能性があり、2006年以前(築15年~20年)の屋根が特に注意が必要です。

 

アスベスト含有屋根の見分け方

スレート屋根

 

ここからは自宅の屋根にアスベストが使用されているかの見分け方について紹介します。

まず前提として、自宅の屋根にアスベストが使用されている場合、直ぐに対処する必要があるという訳ではありません。

アスベストは、吸い込んで人体に入らなければ、健康被害を及ぼすことはありません

むしろ、その耐久性や耐熱性は屋根材には適している素材です。

しかし、リフォームを行う際などでは取り扱いに注意が必要だったり、処分には別途費用が発生したりするため、自宅の屋根にアスベストが使用されているかは把握しておいた方がよいでしょう。

 

屋根材で見分ける

 

屋根材には瓦、スレート、金属屋根と複数の種類があります。

その中でアスベストが使用されているのはスレート屋根材です。

瓦と金属屋根にはアスベストが使用されることはありません。

また住宅の仕様書などで屋根のメーカーや品番を確認することで、アスベストが使用されているか確認することもできます。

 

年代で見分ける

 

前述したとおり、アスベストは1975年以降に段階的に規制が進められ、アスベストの使用が完全に禁止されたのは2012年です。

とくに、2006年以前に建てられた住宅のスレート屋根には、殆どアスベストが使用されています

 

アスベスト含有屋根の対策方法

屋根葺き替え工事

 

次に自宅の屋根にアスベストが使用されていた場合はどのように対策すればよいか解説します。

アスベストは割れた際に発生する粉じんなどを吸い込むことで人体に影響を及ぼします。

その為、屋根に使用されるアスベストは飛散しやすい吹付アスベストと違い、健康被害を受けることは極めて可能性が低いといえます。

しかし屋根材は常に外部に露出しており、経年で劣化する部分です。

長年使用していたり、定期的な屋根メンテナンスを怠ることで、屋根の割れ欠けが発生し、アスベストが舞ってしまう可能性はあります。

 

アスベスト含有屋根の対策①:屋根材のリフォームを行う

 

屋根材のリフォームは大きく分けて2種類の工法があります。

葺き替え工法」と「重ね葺き工法」です。

葺き替え工法は、既存の屋根を撤去し新しい屋根を葺くという工法です。

既存の屋根にアスベストが含まれている場合は、完全に撤去を行うことが出来ます。

重ね葺き工法は、既存の屋根の上に新しい屋根を葺くという工法です。

既存の屋根を覆うことでアスベストが飛沫しないようになりますが、アスベスト含有屋根を撤去することはできません。

また屋根のリフォーム工事中は、最もアスベストが飛散しやすいタイミングです。

屋根の作業時は近づかないなどの対策を行いながら工事を行ってください。

 

アスベスト含有屋根の対策②:屋根のメンテンナンスを行う

 

屋根のメンテナンスを定期的に行い、割れ欠けなどを防ぐことも、アスベスト飛沫の対策となります。

屋根材は使用年数に応じてメンテナンスが必要です。

約10年に1度は塗装を行い、約20年~30年に1度は屋根材の葺き替えや重ね葺きがおすすめです。

メンテナンスを行う期間や工法は、屋根材により異なりますので確認が必要です。

 

まとめ

 

アスベスト含有屋根は現在でも多くの住宅に使用されています。

とくに注意が必要な屋根材は、2006年以前の「化粧スレート屋根材です。

劣化すると、屋根材が剥がれたり割れたりしますので、健康被害を受ける可能性はゼロではありません。

そのため、定期的に屋根リフォームを行って対策を行う必要があります。

まずは自宅の屋根にアスベストが使用さているかを把握したうえで、適した対処を行って健康被害を受けないようにしましょう。