屋根の重要な役割をもつ「屋根材・下地材」をいくつも支えている、骨組みの木材の事を『垂木(たるき)』といいます。
棟(屋根の頂上)から、樋が設置されている側面までの傾斜を、何本もの細長いこの垂木が、同じ幅の間隔で並び、屋根材の土台となっています。
この垂木は、屋根にとって重要な役割があり、また経年劣化で腐食することもあるため、修理が必要な場合もあります。
ここでは、この垂木についてご紹介していきます。
垂木の役割とは?
垂木はいくつもの資材を支えている大切な存在です。
その資材とは主に、「野地板・防水シート・屋根材(瓦やスレートなど)」です。
この3つは屋根には欠かせない最も需要な役割を持ちます。
3つの資材の土台になり、負担もかかるため、垂木は頑丈でなければなりません。
垂木の種類
垂木にはいくつかのサイズがあり、その住宅に使用される屋根材により使い分けます。
使用する屋根材を固定するため、屋根材のサイズに垂木の幅や長さを合わせる必要があります。
■波板屋根(倉庫や物置など)
幅30mm×高さ40mm
軽量で簡易的な物置などの屋根は、細い垂木を使用します。
■スレート材、金属製の屋根材
幅45mm×高さ60mm
軽い屋根材の場合は、比較的細めの垂木を使用します。
■瓦
幅60mm×高さ75mm
瓦の様に、重量のある屋根材を使用する場合、太い垂木を使用します。
垂木の劣化原因
屋根材を3つも支え、土台の役割をもつ垂木に不具合が起きてしまったら大変ですよね?
ここでは垂木が傷む原因と、その場合どうなってしまうかをご紹介します。
雨漏りによる腐食
1つは屋根の一番の天敵である「雨漏り」です。
数ある屋根材のどこかの場所が腐食して、雨水が浸入してしまうと、垂木にまで腐食が進行してしまい被害を与えてしまいます。
垂木が腐食してしまうと、歪んで折れてしまうこともあります。
支えである垂木が歪んでしまうと、野地板に屋根材の負担が一気にかかり、崩れ落ちてしまったり大変危険な状況になってしまいます。
雪による重み
2つ目は「雪による重み」です。
大雪の日に、屋根に雪がたまり重量を増すと垂木に負担がかかってしまいます。
最悪の場合、垂木が歪んでしまったり、折れてしまう場合があります。
垂木の修理方法
垂木の修理方法は交換か補修のどちらかになります。
ですが、どちらにしても「既存の屋根材及び防水シート、野地板」まで解体する必要があります。
垂木を修理する場合は、大が掛かりな工事内容となります。
垂木の補修
垂木全体が傷んでしまっている場合は、新しい物に交換する必要があります。
ですが、全体まで傷みが行きわたっておらず、部分的な修理で改善できる場合には、既存の垂木に新しい垂木を添え木として補修するケースが多いです。
屋根材や下地も全体的に剥がす必要もないため、ピンポイントで修理が行えます。
この修理方法は、垂木が劣化している箇所を見極めて部分的に解体する「経験と技術」が必要です。
垂木の交換
既存の垂木を解体して、また新しく交換していくやり方です。
間違いのないやり方ですが、屋根材と下地を「棟から軒」まで解体する必要があるので、大掛かりな作業となります。
ですが、垂木がすべて腐食してしまうケースはほとんどないため、全交換は行う事はよほどでない限りあまりありません。
まとめ
様々な木材が骨組みとなり形成されているのが屋根です。
その土台となり、屋根を支えているのが「垂木」です。
この垂木も「雨漏り」や「雪の重み」で腐食したり折れてしまい、不具合が生じることがあります。
その場合は、補修や交換を行って修理を行う必要が出てきます。
ですが、垂木交換となると、それなりに大が掛かりな工事となってしまいます。
そのため、雨漏りを防ぐために「定期的なメンテナンス」や屋根の重さを軽減するため「古くなったら軽い屋根へ葺き替え」を行うなど、対策を取っておくと、垂木の不具合を防げるでしょう。
『一部だけ劣化しているみたいだけど、まだいいかな』
『他の場所も傷んできたら一緒にやろう』では、手遅れになることもあります。
逆に、何か不具合があっても時期が早いほど、軽い修理で済む場合があります。
屋根が古くなったり、経年劣化がみられたら、一度全体的な「点検」をおすすめいたします。