横浜市青葉区のT様邸にて、スレート屋根の部分修理を行いました。
修理の内容は、スレート屋根材の部分的な「張替え」と「差し替え」工事となります。屋根材の剥がれは自然災害の影響のため、火災保険を使って修理をされました。
ここではその施工事例をご紹介いたします。
屋根の被害状況
スレート屋根材の剥がれた箇所から雨漏りが発生し、野地板やその下部の軒天まで腐食が広がっていました。
本来であれば、ある一定範囲(板金材で見切る)の施工が望ましいのですが、火災保険が部分的な範囲でしか適用されなかったため、被害箇所のみ施工を行っています。
屋根部分修理(張替え・差替え)の施工事例
既存のスレート屋根材を、約2.5枚づつ(被害箇所)を縦方向に剥がしていきます。屋根材が剥がれていた箇所の下地(野地板)は腐食して、カビが生えている状況でした。
防水シートの継ぎ目を無くして「雨漏りリスク」を下げるため、スレート屋根材は上部の棟板金まで一列剥がしていきました。
棟板金まで剥がしてみると、剥がれ箇所以外の野地板も劣化が進んでおり、このまま新しいスレート屋根材を安全に張れる状況ではなかったため、上部の野地板も張替えを行っていきました。
野地板を剥がすと、その下の下地の垂木まで腐食が広がっており、非常に危険な状態でした。
雨樋を取付ける「鼻隠し」と「破風板」も腐食がみられたため、周辺の木下地はまるまる補修していく形となりました。
既存の腐食した垂木を撤去して、下地調整を行っていきます。
新しい垂木を既存の垂木と梁に固定して取付けていきます。
取付けた垂木に新しい野地板(構造用合板)を張っていきます。
野地板を上まで一列張り替えていきます。
野地板に軒先から順に防水シート(アスファルトルーフィング)を張っていきます。
各種板金(軒先唐草、ケラバ水切り)を取付けていきます。
■スレート屋根張替え
各種板金施工後に新しいスレート屋根材を野地板に釘で固定して張っていきます。
屋根材は、ケイミューのコロニアルクアッドを使用しています。既存がグレー系でしたので、近い色を使用して仕上げていきました。
■スレート屋根差し替え
端部の部分は既存の屋根材があるため釘固定ができません。そのため、既存のスレート屋根材にコーキングを塗って張っていく、差し替えて仕上げています。
上部の棟板金も新しく交換して、屋根部分修理の完了となります。
屋根部分修理のビフォーアフター
スレート屋根材を約2.5枚分を張替えました。雨漏りが進んでいたため、下地の補修や補強に時間と費用がかかっております。
腐食していた鼻隠しは板の交換はせず、板金材を巻いて仕上げていきました。
最後に
スレート屋根は、被害箇所のみの部分的な修理を行うことは出来ます。
メリットとして、ピンポイントで屋根修理を行えるため予算を抑えることができます。とくに屋根の剥がれは急な修理が必要になることが多く、その費用の用意が大変だと思いますので助かる方も多いと思います。
しかしデメリットとして、一箇所がそのような剥がれが起きるという事は、他の箇所も今後次々に剥がれてくるリスクがあるということです。長期的にみると、単発で何回も小工事を繰り返すと逆に高くついてしまうケースもあるため注意が必要です。
今後の将来設計を考えた上で、施工方法を検討していくことがとても大事となります。