川崎市麻生区のK様邸にて、屋根棟瓦の積み直しを行いました。
棟瓦の積み直しとは、既存の棟瓦と下地(葺き土や漆喰)を一度解体してから、下地(漆喰)をやり直し、再度既存の棟瓦を積み直していく工事です。
既存の棟瓦をそのまま使用しますので、棟瓦の交換ではありせん。
経年劣化や台風などの影響によって、棟瓦が崩れたり、歪んだりした場合に行っています。
全体的な屋根葺き替えを勧める業者さんもいますが、雨漏りもなく、屋根材自体にそこまで問題ない場合には、棟瓦の積み直しを行っています。
棟瓦の劣化状況
棟瓦の銅線は経年劣化で切れてしまいます。
のし瓦と丸瓦を固定している銅線が切れると、地震や台風でずれやすくなります。
全体的に、銅線が切れて、のし瓦がずれていました。
2018年10月の台風で、のし瓦が何枚か飛ばされて落下しています。
川崎市麻生区での棟瓦積み直し施工事例
既存の棟瓦と葺き土や漆喰を解体していきます。
既存の瓦は残して、葺き土や漆喰は処分していきます。
解体後、屋根の清掃を行っていきます。
清掃後、端部の鬼瓦を銅線と漆喰で固定していきます。
使用材料は、㈲深谷配合粘土工業の屋根用南蛮漆喰、水シャットを使用していきました。
漆喰材は、防水機能があり雨水の侵入を防ぐ役目と、瓦材を固定する役割があります。
袋から取り出し塗り始めると、すぐに乾き始めます。
下地に漆喰を盛っていきます。
漆喰を整えて、台面を作っていきます。
台面の上に、さらに漆喰を盛っていきます。
その上に、一段目ののし瓦を積んでいきます。
一段目ののし瓦に新しい銅線を張っていきます。
同様の手順で、2段目、3段目ののし瓦を積み上げていきます。
3代目を積み上げたら、漆喰を盛って丸瓦を積んでいきます。
仕上げに銅線を巻いて固定していきます。
鬼瓦と丸瓦、のし瓦の取り合いに漆喰を盛って防水・固定していきます。
のし瓦が飛んだ影響で、桟瓦が数枚割れていたので新しく交換しています。
桟瓦の大きさは異なるので、サンダー等で削って調整してから差し替えていきます。
屋根の清掃を行って完了です。
棟の積み直しは、棟の長さや作用人数にもよりますが、基本的に一日で仕上げていきます。
工事のまとめ
瓦の棟は年数が経過すると、銅線の切れや歪みが発生して、自然災害で崩れたり飛ばされます。
瓦屋根は、耐久性が高いためメンテナンスを先延ばしにしてしまいやすいですが、定期的に屋根の点検や修理は必要です。
自然災害の場合には、火災保険の対象となりますので、加入している保険屋さんに確認してみましょう。
轍建築では、瓦屋根の点検調査やお見積り対応、火災保険の対応も行っています。
屋根の事で気になることがありましたらお気軽にご相談ください。