屋根構造

 

屋根は建物を雨風・紫外線から守る重要な役割を担っています。

そんな屋根ですが、非常に重量のある屋根材を乗せ続けているため、重量のある屋根材に耐えられるように、様々な工程を経て造られていきます。

この屋根の構造を知ることで、経年劣化による「雨漏り、屋根メンテナンス」、また「断熱」といった様々な面で役立ちますので、知っておいて損は無いでしょう。

屋根には様々な構造がありますが、ここでは木造住宅の代表的な屋根構造を例に紹介していきます。

屋根の構造について

小屋組み

屋根の骨組み

 

まず屋根全体の構造のことを「小屋組み(こやぐみ)」といいます。

この小屋組みは、棟木(むなき)、母屋(もや)、軒桁(のきげた)、小屋束(こやつか)、垂木(たるき)といった様々なパーツで組まれております。

また小屋組みの内部のことを小屋裏(こやうら)といいます。一般的には天井裏や屋根裏といわれることもあります。

この小屋組みは、いわゆる屋根の重要な「骨組み」となります。

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野地板

 

野地板(のじいた)」は下地にあたる部分です。

小屋組みで造られた骨組みに対し、野地板といわれる建材を施工し、下地を作っていきます。

現在では、主に野地板に使用される建材は「12mm厚の構造用合板」です。

この野地板が施工された時点で、屋根の形状が仕上がります。

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下葺き材

防水シート張り

 

下地が仕上がった後、屋根材を施工する前に「下葺き材(したぶきざい)」の施工が必要です。

下葺き材は防水シートとも呼ばれ、主にルーフィングが使用されます。

約1.0mm厚のシートですが、雨を通さないという役割を果たします。

建物を雨から守っているのは屋根材というイメージがありますが、建物を雨から守っているのはこの下葺き材です。

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屋根材

新規屋根材張り

 

ルーフィングが施工されたら、屋根材を施工することが出来ます。

屋根材を施工することを「葺く(ふく)」といいます。

屋根を葺くことで建物に意匠性を持たせるだけでなく、下葺き材が外気に晒されて劣化するのを守ります。

屋根材には「金属、アスファルトシングル、自然石粒付鋼板、スレート」と様々な種類がありますが、おおむね小屋組み屋根材葺きまでは同じ工程で行われます。

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施工後

 

「棟(むね)」とは屋根面が頂上でぶつかる部分を指します。

雨漏れリスク高い箇所でもあり、棟板金や棟瓦など、様々な部材を利用し雨水の浸入を防いでいます。

切妻屋根の場合は棟が一箇所になりますが、寄棟屋根の場合は棟が5箇所になります。

頂上の棟を大棟(おおむね)、勾配が付く小さな棟を下り棟(くだりむね)や隅棟(すみむね)といいます。

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谷板金取付け

 

屋根の形状によっては、下り棟の部分が山にならず谷状になることがあります。

この部分を「谷(たに)」といいます。

棟部同様に、雨漏りリスクが高く、きちんとした雨仕舞が必要となります。

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鼻隠し

 

屋根を構成しているのは上面だけではありません。

鼻隠(はなかくし)」とは屋根の側面を指しています。

横殴りの雨などで側面から屋根裏に雨が入らないよう、雨仕舞をしているパーツです。

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破風板

破風板金

 

破風板(はふいた)」も屋根の側面を指すパーツです。

鼻隠しとの違いは、雨樋が取り付けられているか否かです。

雨樋が付く部分を鼻隠し、何も付かない部分を破風板といいます。

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軒天

軒天上

 

屋根は様々な理由から外壁面より外にはね出すように設計されます。

その網で多部分の裏側を軒天(のきてん)又は軒天井(のきてんじょう)といいます。

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最後に

 

普段、仕上げ部分しか見る機会が無い屋根ですが、様々なパーツから構成されていることがお分かり頂けましたでしょうか。

それらを知る事で、雨漏れが発生した際のメンテナンス箇所が分かったり、工事の際の打ち合わせで内容が把握できたりと、様々な場面で役立つと思います。

屋根構造の知識は、メンテナンスや打ち合わせ時にも役立ちますので、ぜひ参考にしてみて下さい。