防災瓦

 

日本の住宅では、まだまだ和風な「粘土瓦葺き」のお宅が半数以上があります。

ですが、昨今では地震被害により、耐震性の高い「屋根の軽量化」が求められています。

そんな中、注目されているのが防災瓦です。

防災瓦は、粘土瓦の和のデザインを維持しながら、地震に強い屋根材と言われています。

ここではそんな防災瓦について説明したいと思います。

防災瓦とは

 

瓦は日本の伝統的な屋根材で、耐久性が非常に高いだけでなく、断熱性や遮音性も高い、非常に優れた屋根材です。

しかし非常に重量が重いことから、災害に弱いといったイメージが強い屋根材でもあります。

実際に瓦は「約42kg/㎡」という重量です。(セメント瓦)

対してスレート屋根材は「約20kg/㎡」、ガルバリウム鋼板は「約5kg/㎡」です。

屋根材が重いことで、地震の際に建物が揺れやすくなったり、建物に付加が掛かった際に住宅倒壊に繋がり易いこともあります。

そんな瓦を進化させたのが防災瓦です。

和風なデザインは変えたくない!でも、地震の影響が気になるという方におすすめの屋根材です。

 

防災瓦のメリットは?

 

防水瓦がどのような点に優れているのかについて、5つ解説していきます。

対落下性の向上

 

これまでの瓦は土葺き工法や、引っ掛け桟瓦葺き工法といった工法で葺かれていました。

土葺き工法とは

 

野地板の上に葺き土という土を敷き詰め、その上に瓦を葺くといった工法です。

釘などは一切使用せず、土を乾燥させることで瓦を固定していました。

その為、非常に瓦が落下し易い工法でした。

さらに、瓦の重さに葺き土の重さが加わり、非常に屋根重量の重い住宅となっていました。

昔は、地震などが発生した場合、重量の重い瓦を敢えて落下させることで、住宅倒壊を防ぐといった考え方があったそうです。

引っ掛け桟瓦葺き工法とは

 

野地板に一定間隔の桟木を打ち、その桟木に瓦を引っ掛けて固定するといった工法です。

土葺きと違い、瓦を桟木に釘で固定することで瓦が落下しにくい方向です。

しかし、桟木の腐食や衝撃などで固定している部分が外れると、瓦が滑り落ちてしまうという事もありました。

そこで登場したのが防災瓦です。

防災瓦は従来の瓦と違い、瓦の下部に爪があるという構造になっています。

その爪を重なり合わせることで、瓦同士を固定し合うこができ、さらに対落下性が向上しました。

軽量化

 

防災瓦は従来の瓦に比べ非常に軽量化されました。

製品によっては従来品の約半分の重量となっており、住宅に掛かる負担も軽減されました。

高耐久性

 

構造が変わり軽量化した防災瓦ですが、瓦本来の耐久性は従来の瓦から衰えることがありません。

スレートは10年、ガルバリウムは20年に1度の塗装、30年以上経つと葺き替えを考えなければいけないのに対して、防災瓦は30年以上メンテナンスフリーです。

防水性

 

防災瓦は耐水性にもこだわり設計されました。

瓦同士が重なることで雨水の浸入を防ぐことができ、雨漏れしにくい構造になっております。

遮音性、遮熱性

 

防災瓦の原料となる粘度には、音や熱を吸収するといった性質があります。

さらに引っ掛け桟葺き工法のため、スレートやガルバリウムと違い屋根材と野地板の間に空気層が生まれます。

瓦本来が持つ性質と、工法により生まれる空気層で雨音が室内に響くのを防いだり、熱気や冷気を室内に通さないといった効果が生まれます。

 

防災瓦はデメリットは?

 

従来の瓦を変化させることにより格段に進化した防災瓦ですが、メリットだけでなくデメリットもあります。

ここからは防災瓦のデメリットも紹介します。

導入費が高い

 

防災瓦の導入費は、スレートやガルバリウムといったほかの屋根材に比べ高価になります。

防災瓦の商品代が高いだけでなく、引っ掛け桟葺き工法といった手間が掛かる施工を行うためです。

しかし防災瓦は30年間メンテナンスフリーな素材の為、維持費を考えるとスレートやガルバリウムよりも低コストになることがあります。

自身のライフプランに合わせて導入を検討することがオススメです。

 

軽量屋根材と比べると重たい

 

防災瓦は、従来の瓦と比べると確かに軽くはなりました。

ですが、近年の屋根材は「金属系、スレート系、シングル系」などさらに軽い屋根材が次々に販売されています。

この屋根材と比べてしまうと、まだまだ重たい屋根材の部類に属してしまい、軽量化だけを目的とするのであれば、防災瓦の選択はデメリットとなり得ます。

 

おすすめの防災瓦の種類は?

 

現在、多くのメーカーが防災瓦を製造しております。

その中で、いつくか商品をご紹介致します。

鶴弥

スーパートライ110

出典:https://www.try110.com/case/case-3121.html

 

鶴弥は瓦業界最大手の老舗メーカーです。

そんな鶴弥の、伝統の風格と気品を再現した代表的な防災瓦が、「エース」シリーズや「スーパートライ110シリーズ」です。

世界初のスーパーロック工法により、耐風、耐震、耐久、防水、施工の5大性能を充実させた安心の防災瓦です。

カラーバリエーションも豊富で、和風な建物だけでなく、様々な建物の屋根を彩ります。

栄四郎瓦

銀いぶし瓦

出典:http://www.eishiro.co.jp/works/w_gin/201810_p002.html

 

栄四郎瓦は三州瓦を代表するメーカーです。

栄四郎瓦が製造する瓦は。和形「銀いぶし瓦」など純和風なものから、洋形「プラウドプレイン」というシンプルでモダンなフラット形状の防災瓦があります。

瓦をしっかりと固定し、防水性も高く、太陽光パネルとの組み合わせも相性が良いです。

KMEW(ケイミュー)

 

ケイミューはクボタとパナソニックの住宅外装建材部門が統合して設立されたメーカーで、スレートやガルバリウムの屋根や、外壁材、雨樋などの製造も行っています。

そのケイミューが、カラーベストで培った実績とノウハウを基に開発された高品質の軽量屋根材(防災瓦)が「ルーガ」です。

一般的なセメント瓦と同じ厚みという重厚感を保ちつつ、約1/2の重量で地震の揺れを軽減してくれます。

またケイミュー独自技術の無機系塗膜「グラッサコート」を採用することにより、色褪せの原因となる紫外線から瓦を守り、30年経っても施工時と変わらない鮮やかな色味や光沢を保ちます。

 

まとめ

 

瓦は地震や台風などに弱いというイメージを持っている方も多いと思います。

しかし昨今の瓦はほとんどが防災瓦に変わってきており、災害にも非常に強い造りになっております。

対震災性だけでなく、耐久性も高く、さらに瓦にしかない風合いも持ち合わせている防災瓦は、意匠性にこだわる方にもおすすめの屋根材です。

導入費は割高ですが、その後のランニングコストは抑えられる屋根材なので、ほかと比較してご検討ください。