住宅街

 

屋根塗装やカバー工法、葺き替えなど、屋根リフォームの際に色選びで悩む方は多いのではないでしょうか。

よく悩む人が多いポイント

・色の種類が多すぎて決められない

・外壁と相性の良い色がわからない

・屋根に向いている色がわからない

地上からは全体を見ることができない屋根ですが、外観のイメージは屋根の色ひとつで大きく変わります。

施工後に「イメージと全然違う」なんてことにならないように、屋根の色選びは慎重におこなうことが大切です。

この記事では、屋根の色選びのポイントやおすすめの色を紹介します。

屋根の色選びに悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

屋根の色を選ぶときの4つのポイント

 

屋根の色は、外観の印象を決める大切な要素です。家のデザインとのバランスや周囲との調和などを考え、慎重に選びましょう。

この章では、屋根の色を選ぶときの4つのポイントを紹介します。屋根の色選びに失敗しないために、しっかりポイントをおさえていきましょう。

 

【ポイント1】外壁や付帯部とのバランスを考える

外壁と付帯部

 

1つめのポイントは、外壁や付帯部とのバランスを考えることです。

外観の雰囲気は、色の組み合わせひとつで大きく変わります。外壁や付帯部とのバランスを考えずに屋根の色を決めてしまうと、まとまりのない印象になる恐れが…。

屋根の色を選ぶ際は、屋根、外壁、付帯部を同系色の濃淡にし、使用する色を3色までにすることで、統一感のある外観に仕上げることができます。

ぼやけた印象にならないために、屋根の色は外壁よりも濃い色を選びましょう。

 

【ポイント2】周辺環境とのバランスを考える

住宅街

 

2つめのポイントは、周辺環境とのバランスを考えることです。

自宅の屋根の色と、近隣住宅や街並みの雰囲気との調和も大切なポイント。どんなにすてきな色合いの家だとしても、浮いてしまうほど派手な色では景観を損ねてしまいます。

また、近隣住民からクレームといったトラブルにつながる可能性もあるので、注意が必要です。

好きな色を選びたいという気持ちもあるかと思いますが、周辺環境に馴染む色を選ぶように心がけましょう。

お住まいの地域によっては、街並みの景観維持を目的としたルールが設けられている「景観ガイドライン」があるので、屋根の色を決める前に確認することをおすすめします。

 

【ポイント3】遮熱効果を考える

縦葺き屋根

 

3つめのポイントは、遮熱効果を考えることです。

屋根は建物の中で最も直射日光が当たる場所のため、遮熱効果の高い「明度の高い色」を選ぶとよいでしょう。

明度とは色の明るさ度合いのことで、白に近いほど高くなり、黒に近いほど低くなります

熱を吸収しにくく、屋根に使用することで室内温度の上昇を緩やかする効果が期待できます。

ただし、明度の高い色は反射率も高いです。反射した太陽光が近隣住宅に差し込んでトラブルに発展するケースもあるので、屋根の色選びは慎重におこないましょう。

 

【ポイント4】面積効果に配慮する

色見本

 

4つめのポイントは、面積効果に配慮することです。

面積効果とは、同じ色でも面積の大きさによって見え方が異なる現象のことです。面積が大きくなるほど明るい色はより明るく、暗い色ならより暗く感じられます。

そのため、リフォーム後の屋根を見て「色見本とイメージが違う」と感じることが起こるのです。

屋根の色を選ぶ際は、希望する色よりも1~2トーン調整することをおすすめします。明るい色なら暗めを、暗い色なら明るめの色を選ぶと、イメージに近い仕上りになるでしょう。

大きめの色見本を用意してもらうのもひとつの方法です。

 

おすすめの屋根の色4選

 

この章では、おすすめの屋根の色を4つ紹介します。

相性の良い外壁色も合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

【おすすめ1】ブラック

ブラック色の屋根

 

ブラックはどんな色にも合わせやすい万能カラー。暖色・寒色どちらにも合わせやすいので、多くの方に選ばれています。

ブラックの屋根のおすすめポイントは、以下のとおりです。

・どんなスタイルの住宅にも合わせやすい

・重厚感のある外観に仕上がる

・色あせが目立ちにくい

どんな色にも合わせやすいブラックの屋根ですが、特に相性の良い外壁色はホワイトやベージュです。濃淡のコントラストが美しく、メリハリのある外観に仕上がります。

ただし遮熱効果が低いため、夏場は室温が上がりやすくなります。住居環境や屋根材の種類などを考慮した上で選ぶようにしてください。

 

【おすすめ2】グレー

グレー色の屋根

 

ブラックほど重くはないけど、シックな雰囲気を演出できるグレーの屋根。シンプルな外観を好む方におすすめの色です。

グレーの屋根のおすすめポイントは、以下のとおりです。

・ブラックの屋根よりも遮熱効果が高い

・汚れが目立ちにくい

・比較的どんな色の外壁にも合わせやすい

グレーの屋根と相性の良い外壁色は、ホワイトやクリームです。派手すぎず、適度に引き締まった外観に仕上がります。

また、遮熱効果をより高めたい場合はライトグレーがおすすめです。

 

【おすすめ3】ブラウン

ブラウン色の屋根

 

落ち着いた雰囲気で、どんな街並みにも馴染みやすいブラウンの屋根。ダークブラウンならシックな雰囲気に、赤みのあるブラウンならオリジナリティのある雰囲気を演出できます。

ブラウンの屋根のおすすめポイントは、以下のとおりです。

・近隣住宅との調和を取りやすい

・汚れが目立ちにくい

・色味を変えて好みの雰囲気に合わせられる

ブラウンの屋根と相性の良い外壁色は、ベージュなどの同系色です。やわらかく、温かみを感じられる外観に仕上がります。

ライトブラウンなら、遮熱効果の高さを期待できるでしょう。

 

【おすすめ4】グリーン

グリーン色の屋根

 

ナチュラルで落ち着きのあるグリーンの屋根。自然の多い環境にもマッチし、おしゃれな外観に仕上がります。

グリーンの屋根のおすすめポイントは、以下のとおりです。

・比較的どんな色の外壁にも合わせやすい

・個性的でおしゃれな外観に仕上がる

・欧風や米国風の雰囲気を演出できる

グリーンの屋根と相性の良い外壁色は、ホワイトやベージュです。暗めのグリーンならシックな雰囲気に、明るめのグリーンなら可愛らしい雰囲気になります。

ただし、色味によってはぼやけた印象になってしまうため、色選びは慎重におこないましょう。

 

屋根にはおすすめできない色は?

劣化し屋根

 

せっかく屋根リフォームをするのだから、こだわって色を選びたいと考える方も多いでしょう。

しかし、屋根には「ホワイト」や「原色」はあまりおすすめできません。

それぞれの理由を、以下で詳しく解説します。

 

屋根に「ホワイト」がおすすめできない理由

 

屋根にホワイトがおすすめできない理由は、以下の2つです。

・汚れが目立ちやすい

・外壁の色とバランスが取りにくい

ホワイトは色味がないため、他の色よりも雨水や土埃などの汚れが目立ちやすくなります。汚れが気になっても気軽に洗うことができないため、年数の経過とともにさらに目立ってしまいます。

また、屋根が明るい色だと外観全体がぼやけた印象になる恐れがあるため、屋根にホワイトを使用するのは避けたほうがよいでしょう。

ただし、ホワイトは遮熱効果が高いという特徴もあります。遮熱効果を第一に求めている方は、屋根の色をホワイトにするのもひとつの方法でしょう。

 

屋根に「原色」がおすすめできない理由

 

屋根に原色がおすすめできない理由は、以下の2つです。

・色あせが目立ちやすい

・派手すぎて悪目立ちする

レッドやブルー、イエローなどの原色は色味が強いため、色あせしやすい色です。塗装後3~5年ほどで古びた印象になる恐れがあるため、あまりおすすめできません。

また、原色はどうしても目立つため、周辺環境との調和が難しい色です。屋根リフォームが終わった後に後悔しないためにも、しっかり検討してから色を決めてください。

 

屋根の色選びの失敗を防ぐには?

屋根

 

この章では、屋根の色選びの失敗を防ぐ方法を3つ紹介します。ご自宅の屋根の色を選ぶ際に役立ててください。

 

希望色や仕上りイメージをきちんと伝える

 

まずは色の系統やテイストなど、あなたのイメージを言語化して伝えましょう。

色見本から選ぶのも良いですが、外観全体がわかる画像やカタログなんかを見せると、より明確にイメージを伝えることができます。

近隣で見本になるような住宅がある場合は、直接見てもらうのもひとつの方法です。

 

カラーシミュレーションで全体像を確認する

 

カラーシミュレーションで全体像を確認することも、屋根の色選びに失敗しないための方法のひとつです。

カラーシミュレーションとは、仕上りイメージをデジタルで確認できるもの。外壁や付帯部とのバランスを見ることができるので、屋根の色を選ぶ際に欠かせないツールです。

複数のカラーパターンも簡単に比較することができるので、色候補がたくさんある場合にも役立ちます。

ただし、実物と全く同じ色を表現できるわけではないので、おおよそのイメージを把握するくらいの気持ちで活用してください。

 

色見本は屋外で確認する

 

色の見え方は周囲の環境や状況によって変わるため、色見本やサンプルは必ず屋外で確認してください。

蛍光灯の下と太陽光の下では違って見えるし、同じ屋外でも晴れの日と曇りの日では見え方が異なります。

さらに実際の仕上りとのギャップをなるべく減らすために、日当たりの良い場所と日陰の両方で確認するとよいでしょう。

 

まとめ

 

外壁や付帯部とのバランス、近隣住宅との調和、遮熱効果など、屋根の色を選ぶ際はさまざまなことを考慮する必要があります。

良く選ばれている色は「ブラック、グレー、ブラウン、グリーン」などが無難なため採用されることが多いです。

一度その色でリフォームしてしまうと、塗装以外は変更が効きませんので、あらかじめ後悔しなように検討しておきましょう。