瓦屋根の葺き直しとは、「既存の瓦を一旦撤去」して、「下地の張替えや補強・補修など」をした上で、「同じ瓦を元に戻す」リフォーム工法のことです。
名前が似ている工法として「屋根葺き替え」がありますが、こちらは「屋根材を丸ごと取り替える」ため、屋根を一新するリフォームとなり、まったく別の工事となります。
このページでは、屋根葺き直し工事を行う理由や「施工手順」、「施工事例」を掲載していますので、是非ご参考にしてください。
瓦屋根の葺き直しを行う理由
瓦屋根の葺き直しを行う理由は「瓦以外の部分に問題」が発生する恐れがあるからです。
瓦は非常に耐用年数が長いと聞いたことがあるかもしれませんが、これは間違いありません。
瓦によって耐用年数に差はありますが、釉薬瓦など「耐用年数が50年」を超えるものも存在します。
ですが、耐用年数が長いと、メンテナンスが不要なイメージを持ってしまいますが、実は「防水紙」、「漆喰・銅線」、「野地板」など瓦以外の部分は耐用年数がそこまで長くはないのです。
屋根の下地の中で重要な「防水紙の耐用年数はおよそ20年」と瓦より短く、一戸建てが完成してから時間が経過すると目に見えない部分の劣化は進みます。
この防水紙や漆喰の劣化を促すのが強い雨であり、瓦だけでは強い雨を完全に防ぐことはできません。
強風を伴っている時の雨は横から屋根にぶつかるため、雨を防ぐためには、「瓦そのもの」に加えてその奥の「防水紙」も必要なのです
そのため、瓦に何も問題がなくても、防水紙に問題が起こっているため「雨漏りの症状」が出るケースもあります。
瓦の方に何らかの問題があるのなら瓦屋根の葺き替えも候補に入りますが、瓦に何の問題もない場合は、このように「葺き直し」で対応するのも手です。
屋根葺き直しのメリット
瓦屋根の葺き直しの魅力としてまず挙げられるのは、「既存の瓦をそのまま利用」できる点です。
新しい屋根材にする場合、屋根の外観が変わることに対する不安がありますが、葺き直しであれば外観は変わりません。
また、現在の瓦を再利用できるため、リフォームで素材を多く使う必要はなく、「経済的」にも「環境」に優しいのも魅力です。
屋根葺き直しのデメリット
葺き直しは原状復旧が主な目的なので、リフォームを行う事に対してとくにデメリットはありません。
「屋根を軽量化したい」、「デザインを変えたい」などの目的がある場合、
費用をもう少しプラスできるなら、差額がそこまで少ない葺き替え工事がおすすめと言えます。
瓦屋根葺き直しの施工手順
屋根葺き直し工事の施工事例
最後に
屋根のリフォームでは屋根材を一新するのも選択肢の1つですが、現在の瓦に問題がない場合は葺き直しで対応する方法もあります。
一戸建ての状態によって最適なリフォームは異なるものの、現在の瓦に愛着がある場合や新しい瓦の材料費が気になる場合などは葺き直しもおすすめです。