屋根の葺き替えや修理の見積りをとった際、「ケラバ」という単語が記載されていることがよくあります。
ケラバとは屋根を構成する場所の名称です。
この記事ではケラバが住宅にどのような効果を与えるのか、ケラバの必要性や修理方法などについて説明していきます。
ケラバとは
ケラバは切妻屋根や片流れ屋根にみられる屋根の場所を指します。
基本的に住宅の屋根は外壁面よりはね出すように設計されています。
切妻屋根や片流れ屋根の場合、屋根の勾配は2方向もしくは1方向についており、勾配の先には雨樋が取り付けられます。
雨樋が付かない残りの2辺もしくは3辺で外壁よりはね出すように収められている部分をケラバといいます。
また、ケラバの側面を破風(はふ)、裏面を軒天(のきてん)といいます。
ケラバの役割とは
ケラバは住宅において大きく3つの役割を果たします。
どのような役割があるか説明します。
雨水から外壁を守る
ケラバがあることで雨水が外壁や窓に当たる量が軽減されます。
また屋根から垂れ落ちる雨水も外壁に垂れる事無く切り落とす水切りの役割も果たします。
そのため、ケラバに取付けている板金を「ケラバ水切り」と言います。
紫外線から外壁を守る
雨水対策と同じような役割ですが、ケラバがあることで紫外線が外壁に当たる量も軽減されます。
外壁は紫外線に当たることで劣化しやすい為、外壁の劣化をケラバで守るという役割も果たしています。
日当たりを調整する
ケラバは太陽光が2階の部屋に入る角度を調整し、室内への太陽光の入りを軽減させてくれる役割もあります。
とくに夏場はケラバが無いと太陽光が2階の窓から直接部屋の中に入り、部屋内が非常に高温になってしまいます。
※冬場は日射角度が低くなる為、ケラバによって日当たりが悪くなる影響はありません。
このように、ケラバがあることで、さまざまなメリットがあるのです。
ケラバの出が無い住宅も存在する
住宅の設計上、ケラバの出が無くても屋根を収めることは可能です。
実際にケラバの出が無い住宅も存在します。
ではケラバの出が無い場合、どのようなメリットがあるのか説明します。
意匠性のあるスッキリした屋根になる
ケラバを作らないことで、非常にスッキリとした意匠性のある住宅になります。
狭い土地に有効
住宅街などの建物が密接する場所ではケラバを作らないことで土地を有効活用できる場合があります。
ケラバの修理方法
ケラバは屋根を構成する一部の為、ケラバだけが劣化をするということはあまりありません。
ケラバをメンテナンスする場合は、全体的に「塗装」や「カバー工法、葺き替え」を行うことが多いです。
しかし自然災害によって、ケラバの「板金」や「瓦」が部分的に剥がれたりすることもあります。
その場合は、対象箇所の修理を部分的に行っていくことがあります。
主に、板金の場合はコーキングやビスで補修を行い、瓦の場合は、差し替え(交換)ていきます。
まとめ
ケラバは屋根を構成する一部で住宅を守る重大な役割を果たします。
主に、「雨や紫外線」から外壁を守る役目や、「太陽光」の室内への侵入を和らげる役目があります。
ケラバは屋根部材の一部のため、全体的な屋根リフォーム(塗装やカバー、葺き替え)と一緒にメンテナンスを行っていく形で問題ありません。
しかし自然災害が起きた場合には、部分的な修理が必要ですので、状況をみて適切なメンテナンスをご検討ください。