雪止め金具

 

屋根の軒先に並んだ小さな金具を見かけて「あれは何?」と疑問に思ったことはありませんでしょうか。

あれは「雪止め金具」という屋根に取り付けられる設備です。

ここでは雪止め金具がどんな役割を果たしているのか、また取付けの必要性後付けを行う場合の注意点などについて解説していきたいと思います。

雪止め金具の役割とは?

 

雪止め金具

 

雪止め金具はその名の通り、屋根から落ちる雪を止める役割があります。

と言っても、屋根から雪が落下することそのものを止める訳ではありません。

 

事故や物損を防ぐ役割

 

雪止めは、「まとまった雪」がドサッと落ちるのを防ぐといった役割があります。

屋根に積もった雪は時間と共に溶け始め下部に水分が溜まり、その重みで屋根を雪崩のように滑り落ちてしまいます。

水分の含んだ雪は非常に重く、運が悪ければ「通行人を巻き込むなどの大事故」「隣家の車や物置などを傷つけてしまう」可能性もあります。

 

雨樋の破損を防ぐ役割

 

他にも、「まとまった雪」が雨樋に当たることで付加が掛かり、雨樋の破損に繋がるケースもあります。

大雪時には、とくに丸型の樋は歪み割れやすく、数多くの被害が出ました。

 

このような事故や破損を防ぐ為に、雪止め金具は取り付けられています。

雪止め金具で雪を受け止め、徐々に溶かすことで、大きな事故に発展しないようにするという役割があるのです。

 

雪止め金具の取り付けは義務?

屋根の積もった雪

 

結論から言いますと、雪止め金具を取付る義務はありません

街中の屋根を見ると雪止め金具が取り付けられていない住宅も数多くあります。

それは雪止め金具の取り付けは、義務化されている訳ではない為です。

 

豪雪地域は雪止め金具をつけていない

 

意外かもしれませんが、豪雪地域では雪止め金具をつける事が殆どありません、

それは雪下ろしを行う習慣があるからです。

また積雪量が多い地域では、雪止め金具つけてしまうと屋根に雪が溜まり、その重みで2次被害が発生してしまうリスクがあるためです。

 

雪の落下する場所が広い庭などの場合

 

雪が落下しても、何も被害が出ない場所(庭)であれば取付けなくても問題ないかと思います。

そこは「人が通ったり、物が置いてなく」、雪がドサッと落ちても大丈夫な場所となります。

そのため、屋根の必要な面だけ雪止めを取付けて、必要ない面は取付けないお宅もあります。

 

雪止め金具の後付けを行う場合の注意点

 

一般的に雪止め金具は、効率が良いため屋根の施工と併せて取付けを行っているだけで、もちろん「後付けを行うことも可能」です。

その際は、後付け専用の雪止め金具」を使用して取付けを行っていきます。

 

2F作業は基本的に足場が必要

仮設足場の設置

 

雪止め金具を取り付けるのは、屋根の軒先となる為、基本的には仮設足場を組む必要があります

後付けを行うためだけに足場を組むのは、予算的にも効率がよくありません。

その為、雪止め金具を後付けしたい場合は、屋根や外壁の塗装メンテナンスなどで足場を組む際、一緒に依頼するとよいでしょう。

 

適切な雪止め金具を選ぶ

 

雪止め金具は、スレート屋根、金属屋根、瓦屋根と様々な屋根材に取り付けられます。

スレート屋根、金属屋根に取り付けられる雪止めの多くは、ガルバリウム鋼板などの金属製です。

また雪止めの種類は2タイプあります。

 

■羽付きタイプ雪止め羽付き

■アングルタイプ

羽根付き」という単独で複数取り付けるタイプと、「アングル」という横板を屋根に通すタイプです。

羽根付きタイプは降雪量に合わせて取り付け数を調整する為、様々な地域に使用されます。

アングルタイプは、降雪量が多く羽根付きタイプでは対応しきれない場合に使用されます。

 

■雪止め瓦雪止め瓦

そのほか、瓦屋根の場合は、「雪止め瓦」という特殊な形状をした瓦が使用されます。

屋根材の種類や地域によって雪止めの種類も変わりますので、状況に合った適切なものを選ぶ必要があります。

 

まとめ

 

雪止め金具は大きな事故を起こさない為に取り付けられる予防設備です。

屋根に雪止めが設置されていない場合は、後付けができますので取付けをおすすめします

落雪は取り返しのつかない大きな事故や雨樋の破損に発展する恐れがある為、しっかりと対策を行っておきましょう。