屋根材の素材には瓦やスレート系、金属屋根などがありますが、アスファルトシングル屋根もその一つです。
欧米では100年以上の歴史がありますが、日本では近年やっと浸透し始めたところです。
見掛けはスレート系の瓦に似ている感じでしょうか?
おしゃれでモダンなイメージの屋根となり人気があるため、今回その内容や利点、注意点を解説していきます。
アスファルトシングルとは?
アスファルトシングルとはグラスファイバーにアスファルトを浸透させ、表面に石粒などを吹き付けたものです。
シート状で軽く柔軟性もあるため施工しやすく、価格も安いのが特長です。複雑な形状でも簡単に加工ができます。
表面に吹き付ける石粒の色も多種多様で、艶消しの落ち着いた雰囲気の屋根になりますので、和風建築にも合わせることができます。
メリット
軽量で柔軟性がありますので、割れませんし錆びることもありません。
表面が石材であるため耐水性はもちろん耐候性にも強く、耐火性や耐久性にも優れた屋根材です。
6mm程度の軽量なシートなので、はさみやカッターで簡単に切ることもできますし、接着剤のみで施工するため釘などを使用することもありません。
重さはスレート屋根のだいたい半分で、軽い屋根になるので耐震性の高い家にすることができます。
また屋根リフォーム時などに古い屋根材をそのまま残して二重屋根にするカバー工法にも向いています。
デメリット
接着剤と釘やビスで屋根に密着させますが、しっかり密着していないと強風などで剥がれた事例が多くあります。
事例ではほとんどが接着剤が部分的にしか使われておらず、しっかり施工されていれば防げた事故だとの調査結果もあります。
柔軟性があるシートですので、耐久性を持たせるためにはしっかり密着させる施工技術が必要な屋根材です。
そのほか、薄いシート状の屋根材のため、「遮熱性」や「断熱性」などの効果はあまり期待できません。
アスファルトシングルが劣化するとどうなる?
アスファルトシングルは柔軟性のある屋根材ですので、瓦やスレート屋根のように割れる心配はありません。
ただし経年劣化により、表面に吹き付けた小石が剥がれてバラバラと落ちてくることがあります。
また、劣化が進むと見た目も悪くカビやコケなどが繁殖しやすくなり、さらにシートが劣化して雨漏りの原因ともなりますので、メンテナンスが必要となります。
しっかり接着されたアスファルトシングルはそうそう劣化するものではないのですが、場合によっては剥がれや弛んで隙間ができることがあり、そこから雨漏りが発生することもあります。
アスファルトシングルのメンテナンス方法
塗装
雨漏りなどはないが表面の小石が剥がれてしまっているときには、表面塗装を行うことが多くあります。
基本として施工初期のアスファルトシングルの見た目の感覚とは違うようになります。
スレート系と同じような新しい屋根に生まれ変わりますので、変化も楽しめるでしょう。
カバー、葺き替え
部分的な張替えを行うこともできますが、雨漏りなどがする場合は全体的に素材が劣化している場合が多く、葺き替えかカバー工法を行います。
カバー工法は古い屋根の上にルーフィングシートとアスファルトシングルを重ねて葺く方法です。
屋根が多少重くなりますが、古い屋根の撤去や廃材処理がなくなり工事費も安く済ませることができます。
まとめ
米国やカナダで主流を占めるのがアスファルトシングルで、耐用年数は20年~30年と長く、価格も安いので人気の屋根素材となっています。
日本では施工がまだ少ない屋根材ですが、新築でもスレート瓦に変わって普及してきています。
アスファルトシングルでは、その価格の安さから「カバー工法」で施工を行うケースも多くなっています。
多種にわたる屋根材がありますが、このアスファルトシングル材も選択肢の一つとして加えてみてください。