雨樋は水の通り道として作られており、雨が多い日本の一戸建てには欠かせない存在です。
その雨樋も年数が経つと劣化して、不具合が生じるので、適切な時期にメンテナンスが必要となります。
ですが、雨樋は素材によって耐用年数が違いますので、メンテナンス時期を把握しておいた方が良いでしょう。
今回は雨樋に不具合が出る原因や素材別の耐用年数について、そして修理方法をくわしく解説します。
雨樋にはどのように不具合がでる?
雨樋は雨風などの自然の脅威にさらされる都合上、どうしても自然の被害を受けやすい場所です。
そのため、雨樋には頑丈な素材が使われてはいるものの、それでも年月が経過すれば劣化は避けられません。
経年劣化
紫外線や雨風の影響で、シンプルに時間が経過することでも雨樋は劣化してきます。
経年劣化で、徐々に「色あせ」て、さらに年数が経つと、「ひび割れ」、そして「割れて穴が開く」などの問題が発生します。
自然災害
経年劣化以外にも、台風や積雪による自然災害が原因で雨樋に不具合が生じます。
台風の時のような強風だと雨樋が落下するという大きな被害が出ることもあります。
また、積雪時には雨樋に雪が溜まり、歪んで割れてしまうなどの被害も起きてしまいます。
雨樋の詰まり
最後に、ゴミによる問題で、木が建物の近くにある場合などは枯葉などのゴミが雨樋に溜まることもあります。
雨樋は屋根に落ちた雨が外壁に流れることを防ぐ役目があるのですが、ゴミで雨樋が詰まると本来の役目を果たしてくれません。
雨樋が詰まって、雨漏れ(オーバーフロー)が起きたり、重みで歪んでしまう事もあります。
雨樋の耐用年数はどれくらい?
雨樋の耐用年数は素材によってやや差があるものの、概ね20年から30年くらいの数字が一般的な目安です。
丈夫な素材を使っても、ある程度年数が経過したら、どこかに何かしらの問題が出てくるため注意が必要です。
塩化ビニール
塩化ビニール製の雨樋は日本の一戸建てでよく用いられており、安価かつ軽いという魅力はあるものの、やや耐久性には難があります。
最初はよいのですが、時間経過と共に弾力性が消えていくためひび割れや変色といった症状が出やすい素材です。
耐用年数の目安:15年~20年
ガルバリウム
ガルバリウムは、亜鉛とアルミとシリコンを混合して作られたものです。
近年、普及している素材で、屋根には多く使われています。錆に強く、耐久性・耐候性の高い素材で、とても軽量です。
ですが、雨樋としては費用が割高となるため、あまり普及していません。
耐用年数の目安:20年~30年
アルミ、ステンレス
アルミ、ステンレス製の雨樋の特徴として挙げられるのはサビがほとんど発生しない点で、雨にさらされる雨樋には向いています。
さらに熱にさらされても膨張しにくく変化が少ない点も見逃せません。
アルミ、ステンレス製の雨樋はやや価格が高く、またラインナップもそう豊富ではないのが難点です。
耐用年数の目安:30年
銅
銅製の雨樋は、表面に発生する緑青が酸化を防いでくれるのが魅力ですが、一方で酸性に弱いという弱点があります。
そのため、酸性雨で穴が開く恐れがあるものの、耐用年数は長めなため酸性雨対策がされている雨樋は長持ちするでしょう。
耐用年数の目安:30年
雨樋の修理方法
小さな穴、ひび割れがある程度であれば「雨樋補修用のテープ」、「コーキング」で対応できるものの、雨樋が傾いていたり、雨樋を支えるための金具が曲がっている場合などは交換が必要です。
すでに耐用年数に近づいている場合や、問題が複数で見られる場合は「雨樋交換」を行う方が確実です。
雨樋交換は、同じ商品があれば「部分的交換」も行えます。
いずれにしても、雨樋修理は高所作業なため、仮設足場が必要なケースがほとんどです。
雨樋修理は火災保険が使える?
経年劣化が原因ではなく、自然災害(台風・雪害)の影響で雨樋が破損した場合は「火災保険」が適用されることがほとんどです。
ただし、火災保険は「風災、水災、雪災」など雨樋を破損させる原因をカバーしているものの、実際に火災保険が使えるかは契約内容次第ではあります。
契約内容に、雨樋を破損させる原因が補償内容に入っていなければ、火災保険は使えません。
また、保険会社が破損の原因を自然災害ではなく経年劣化と判断することもあり得るため、破損の原因が補償内容に入っていても、必ずしも火災保険を使えるとは限りませんので注意が必要です。
まとめ
雨樋は、屋根や外壁同様に紫外線や雨風の影響で日々劣化しています。
劣化すると、色あせや割れてしまうため、ある程度の年数が経過したらメンテナンスが必要となります。
素材によって耐用年数が違いますが、おおよそ「20~30年」でメンテナンスをおすすめします。
また、新しく交換するのなら、素材選びは「耐用年数とコスト」を踏まえて選択してみてください。