横浜市南区のK様邸にて、スレート屋根の棟板金の交換工事を行いました。
棟板金は、屋根本体の中央にある板金材のことです。K様邸では、数年前に屋根の塗装をされていましたが、棟板金はノーメンテナンスのため、釘浮きや棟本体の浮きが目立ってきておりました。
今回は不具合がでてきた棟板金の交換のみ対応しましたので、その施工事例をご紹介します。
棟板金の劣化状況
棟板金の釘浮きが何箇所かありました。その影響で、三又部分のコーキングも劣化して棟本体が浮き上がっていました。
釘浮きの原因は、木下地の膨張によって釘が緩み浮いてきます。また、木下地の腐食によって浮いて釘が外れてしまう事もあります。
全体的な釘浮きがみられました。
棟板金の継ぎ目にはコーキングが充填されていますが、経年劣化で剥がれてしまいます。
剥がれると、継ぎ目から雨水が内部にまわりやすく、下地の腐食や浮きなどの原因となります。
棟板金交換工事の施工事例
まずは、既存の棟包みを解体していきます。解体後に木下地を確認すると腐食が進んでしました。
築20年近く経つと、ほとんどの木下地が腐食して、釘浮きや棟板金の剥がれる原因となっています。
腐食した木下地をすべて解体していきます。その後、屋根の清掃を行っていきます。
新しい貫板を取付けていきます。
軒先にあらかじめ加工した剣先を取付けていきます。
その後、軒先から順に棟包み(ガルバリウム鋼板)を取付けていきます。棟包みは、釘ではなくビスを使用して取付けています。
ビス留めであれば、木下地の膨張や収縮による浮きの心配はなくなります。
最後に、三又にコーキング処理を行っていきます。
作業中に汚れた板金材を綺麗に磨き、屋根の清掃を行って工事完工となります。
棟板金交換工事のビフォーアフター
工事は、1日作業でした。
新しい棟板金の色はブラウン系を使用しています。同系色のため、そこまで違和感なく仕上がりました。
棟板金単体の場合は、屋根材と色が変わってしまう点だけ注意が必要です。気になる方は、屋根塗装とセットでの工事をおすすめします。
最後に
棟板金は雨の影響を受けやすく動きが出るため、不具合がでやすい屋根材です。
不具合を放置してしまうと、強風で棟板金が剥がれたり、最悪雨漏りの原因にもなるため注意が必要です。
そのため、定期的なメンテンナスを行う必要があります。
メンテナンス周期は15年~20年に1度交換を行うか、腐食しない「樹脂製の下地材」の使用と「SGL鋼板」もしくは「自然石粒付鋼板」の棟包みを使用すれば30年くらい持ちますのでご検討してみてください。(主にカバー工法や葺き替えなどの屋根リフォーム時に使われています)
棟板金の修理をお考えの方は、被害が悪化する前に早めの点検及び修理をおすすめいたします。
轍建築では、屋根の無料点検調査を行っています。気になっている方は、まずはお気軽にお問い合わせください。