住宅の建築に使われる木材の種類は多く、木材の特性に合わせた住宅の部位に使用されています。
リフォームを行う際にどのような木材を使用するのか、そしてその木材はどのような特徴があるのか知っておくことで、役立つこともあるかと思います。
そこで、ここでは住宅の建築に使われる木材の種類や名称について紹介していきます。
針葉樹と広葉樹の違い
住宅の建築に使われる木材には「針葉樹」と「広葉樹」があります。
■針葉樹
針葉樹にはヒノキやスギ、ヒバなどがあります。軽くてやわらかい樹種が多く、加工がしやすい特徴があります。
住宅の建築では構造材や建材など幅広く使用されています。屋根リフォームの野地板や棟下地材などには、上記の「スギ」を使用しています。
■広葉樹
広葉樹にはケヤキやクリ、ナラなどがあります。重く硬い樹種が多いのが特徴で、木目が美しいためフローリングや家具など住宅の建築の中でも仕上げ材として使用されることが多いです。
無垢材と集成材の違い
住宅の建築で使用する木材には「無垢材」と「集成材」があります。無垢材と集成材の違いは、1つの木材で作られているかという点です。
■無垢材
無垢材は天然の木を切り出した状態で柱や梁、フローリングなどに加工した木材です。無垢材は木材本来の美しさをそのまま住宅に採用することができます。使用する樹種によって木目や耐久性などに違いがあります。
■集成材
集成材は複数の木材を張り合わせて、柱や梁に加工された木材です。一般的には住宅の構造材として使用され、最終的な仕上がりでは見えなくなります。
人工的に作られる木材のため、素材となる木材の樹種や使用している接着剤などによって、シックハウスの原因となることもあります。無垢材に比べて集成材は安価に入手することが可能です。
住宅の建築に使われる木材の種類と名称
ここでは住宅の建築に使われる木材の種類と名称について紹介していきます。
構造材:建物の柱・梁・土台など
造作材(内装材):床・壁・天井などの仕上げ材
針葉樹
ヒノキ
ヒノキは構造材やフローリングなどの造作材のほか、浴槽など幅広く使用されている木材です。
高級木材の代表的な樹種で、強度に優れ、水にも強い特徴があります。またヒノキ独特の香りには防虫や防菌効果も期待できます。
スギ
スギは構造材やフローリングなどの造作材のほか、外壁材やウッドデッキなどにも使用されている木材です。一般的な住宅で使用されることが多い樹種で、狂いが少なく比較的に安価で採用することができます。
木材としてはやわらかく、フローリングなどで使用する場合には、傷が付きやすいなどデメリットもあります。またスギの香りにも防虫効果があります。
ヒバ
ヒバは柱や梁、土台や根太など構造材や造作材や浴槽などにも使用されている木材です。ヒバはヒノキ科アスナロ属の針葉樹です。
狂いが少なく、強度に優れ水にも強い特徴があることからヒノキアスナロやアスナロとひとくくりにされることもあります。
アカマツ
アカマツは梁や土台、根太などの構造材や敷居やフローリングなどに使用されている木材です。水や摩擦に強い特徴があり、土台や敷居、フローリングなどに使われることが多いです。
芯材には赤みがあり、皮付きの美しい木材は床柱や落とし掛けなどにも使用され、樹脂分を多く含むアカマツは脂末と呼ばれ高級材として重宝されています。
広葉樹
ケヤキ
ケヤキは柱などの構造材のほか造作材、家具などに使用されている木材です。木目が大柄で美しく和室の設えに適しています。
強靭で耐久性が高い特徴がありますが、木材自体の価格が高価で非常に硬いため加工には熟練した技術が必要とされます。
クリ
クリは土台、フローリングや階段などの造作材に使用されている木材です。水に強く耐久性に優れた樹種で、硬く虫害にも強い特徴があります。
木目が美しくフローリングや階段などの仕上げ材として使われることも多いです。
ナラ
ナラはフローリングや階段などの造作材などで広く使われている木材です。硬く裂けにくい性質を持つ反面、加工しやすい特徴を持っています。
また木目が美しく高級感のある樹種ですが、虫害を受けやすく変色しやすいデメリットもあります。国内、海外ともに希少な木材で国産のナラはジャパニーズオークとして海外でも人気です。
最後に
木材にはさまざまな種類があり、適材適所に使用しています。
それぞれ、価格や耐久性などメリット・デメリットがありますので、リフォームを行う際は、よく比較検討して選択していきましょう。