スレート屋根の手軽なメンテナンス方法として、「塗装工事」あります。
その屋根塗装についてどれくらい費用がかかるの気になる方も多いと思います。
ここでは、スレート屋根の特徴や塗装の必要性、そして費用についてご紹介しています。
スレート屋根の特徴とは?
スレート屋根とは「粘土板岩」を使った薄い板状の屋根建材全般のことで、軽量で耐震性に優れた屋根建材として注目されています。
混合素材でいくつかの種類に分類されていますし、建材メーカーによって「スレート・コロニアル・カラーベスト」など様々な名称がついています。
軽量なので建物に対する負荷が少ないため、バランスが良く、地震による倒壊など最悪のケースを防ぐことができる「耐震性」に優れた屋根建材です。
また、スマートなデザインは日本で古くから存在している瓦とは違って、洋風デザインの住宅にも最適なことから「意匠性」に優れ人気があります。
スレート屋根の劣化症状と塗装時期
スレート屋根に施されている塗装は単に美観のためと認識している方も多いですが、実は屋根材自体に「防水性が無い」ため表面の塗装に依存しているのです。
つまり、スレート屋根の「耐候性」や「耐久性」を長く維持するために、工場で生産される際に「防水塗装」を表面に施しています。
その為、初期塗装の効果が切れる「約10年」程度のタイミングで様々な劣化症状が目立ってくるので塗装メンテナンスが必要なのです。
• 屋根材のひび割れ
• コケや汚れ、カビの発生
• 屋根材の反り
• 1回目の塗装:新築時から「10年~15年後」
• 2回目の塗装:1回目の使用塗料によって異なる
スレート屋根のメンテナンスをしないと雨漏りの原因になる?
スレート屋根は、「野地板」と呼ばれる木板に「防水シート」を被せて、その上にスレート屋根を釘で打ち付け止める構造になっています。
つまり固定するのに使用する「釘」は、スレート屋根をはじめとして防水シートや野地板までも「貫通」していることになるのです。
その為、塗装が防水性を発揮している時は問題ないのですが、経年劣化により防水性が衰えてくると水を吸水してしまいます。
その結果、屋根裏に雨水が染みて、この状態が何年間も継続してしまうと「雨漏りする可能性」があり、こうした構造から見ても塗装メンテナンスが必要なのです。
スレート屋根の塗装をする際に注意したいことは?
スレート屋根の塗装を行う際に気を付けたい点は、「縁切り」です。
縁切りは、屋根材の重なり合う部分に、雨水を逃がすために隙間を開けて、排水口を作るという作業で、塗装メンテナンスする際にとても大切になります。
縁切りをしないで塗料で隙間を塞いでしまうと、雨水が逆流して「内部に滞留」してしまいますし、最悪の状態になると「野地板や天井裏」へ釘を伝って「雨水が流れてしまう」リスクがあります。
スレート屋根では、こういった雨漏れにつながる施工不良を引き起こすので、注意が必要となります。
スレート屋根の塗装費用はどれくらい?
それでは、このスレート屋根材の塗装を行った場合にはどのくらいの費用が掛かるのでしょうか?
屋根「㎡数」からと、「塗料別」に見た費用単価をご紹介します。
屋根塗装工事の費用目安
屋根面積:50㎡~70㎡(25坪~30坪)
費用相場は、「33.5万円~42.5万円」です。(ウレタン塗料使用)
【内訳】
施工内容 | 費用の目安 |
仮設足場(メッシュシート含む) | ¥120,000円 |
高圧洗浄(水洗い) | ¥25,000円 |
下地調整費 | ¥10,000円~¥25,000円 |
下塗り | ¥42,000円~¥56,000円 |
中塗り | ¥49,000円~¥59,500円 |
上塗り | ¥49,000円~¥59,500円 |
縁切り(タスペーサー) | ¥10,000円~¥30,000円 |
各種諸経費 | ¥30,000円~¥50,000円 |
小計 | ¥335,000円~¥425,000円(税抜き) |
屋根塗装の費用は、「屋根の勾配」や「下地の状態」、「縁切りの有無」によっても単価が異なります。
また、「外壁塗装」とセットで行うと単価が大幅に下がりますので、できれば一緒の施工がおススメです。
塗料グレード別の平米単価
塗料のグレード | ㎡単価 |
アクリル塗料 | ¥1,500円~¥1,800円 |
ウレタン塗料 | ¥2,000円~¥2,500円 |
シリコン塗料 | ¥2,200円~¥2,800円 |
遮熱塗料 | ¥2,400円~¥3,000円 |
フッ素塗料 | ¥3,500円~¥4,500円 |
塗料別では、一番安い塗料は「アクリル」で、一番高価な塗料が「フッ素」となります。
この中でも、「シリコン」、「遮熱塗料」が人気です。
スレート屋根で使われる塗料の種類
スレート屋根の場合では、「高圧洗浄(水洗い)」と「下地調整」、「塗装3回塗り」が基本の工程となってきます。
その中のメインの工程である「塗装3回塗り」で使用する塗料には、さまざま種類があります。
• 日本ペイント:ファインシリコンベスト
• SK化研:ヤネフレッシュSI
• 日本ペイント:サーモアイシリーズ
• SK化研:クールタイトシリーズ
• 水谷ペイント:快適サーモシリーズ
• 日本ペイント:ファイン4ベスト
• SK化研:ヤネフレッシュフッソ
まとめ
スレート屋根は、近年で一番多く使用されている屋根材です。
塗装によるメンテナンスをすべきか迷う方も多いと思いますが、雨漏りリスクを減らすためにも塗装は行った方が良いと言えます。
目安としては、「10年~15年」くらいがベストです。時期に入ったら、一度検討してみてください。
とくに外壁塗装とセットで行うと、コストカットに繋がりますので、おすすめです。