屋根は年数が経つと「汚れや色褪せ」が目立ち、美観が大きく低下してきます。
そのため、新築時のような美観を取り戻すために、屋根塗装を検討する方も多いでしょう。
しかし、屋根塗装の必要性は美観向上のためだけではなく、他にもっと重要な理由があります。
ここでは、屋根塗装がなぜ必要なのか、その理由について屋根材別に解説していきます。
屋根塗装の必要性は?
屋根は、年中「雨や風、紫外線」に晒されて、劣化が進行しています。
外壁材よりも、劣化スピードが早く、数年で防水機能が低下して、屋根材に不具合が発生してきます。
不具合を放置してしまうと、雨漏りの原因となってしまいます。
とくに屋根は「雨漏り」に直結しやすい箇所であるため、定期的なメンテナンスがとても大事になってくるのです。
屋根材の耐久性を維持させるため
経年劣化して防水機能が低下した屋根を再びその機能を取り戻すために行うのが「屋根塗装」です。
屋根塗装を行う事によって、屋根材の劣化スピードを軽減させて、長持ちさせていくことに繋がります。
塗装の防水塗膜によって、屋根材の雨水の吸収を防ぎ、材料が長持ちするのです。
メンテナンスコストを抑えるため
ボロボロに傷んでしまった屋根には、屋根塗装が出来ない場合があります。
そのような状態で、無理やり塗装しても良いのですが、数年で剥離や剥がれてしまうことが多いです。
傷みすぎた屋根は、塗装の工事代金に見合った効果を発揮してくれません。
塗装が出来なくなった場合は、「屋根葺き替え」や「屋根カバー工事」という選択肢となり、その分費用も膨らんでしまいます。
そうならないようにする為にも、定期的な屋根塗装が必要となってくるのです。
屋根の主な劣化症状は?
屋根の劣化症状には、屋根材の種類によっても変わりますが以下のような症状があります。
屋根材のひび割れ、剥がれ
飛来物、アンテナが倒れたりなど衝撃が加わった場合に屋根材が割れる原因が多いですが、「雨水の吸収」によって、経年劣化が進み、屋根材が割れることも多いです。
ひび割れや剥がれた箇所から雨水が染み込んで、内部を傷める原因となってしまいます。
コケや藻、汚れ
屋根材への「雨水の染み込み」が原因でコケや藻が発生します。
コケや藻の発生は、屋根材の防水効果が切れているということです。
雨水の染み込みが続くと、内部の「防水シートを傷め」雨漏りに繋がります。
防水塗膜の劣化
前回の防水塗膜が劣化すると、白い粉(チョーキング)が発生します。
防水効果が切れ始めている証拠となり、屋根材に雨水が染み込み始めます。
塗膜の剥離
劣化すると屋根塗膜の剥離(剥がれる)現象も起こります。
劣化以外にも、前回の塗装で「下地調整」を省いたり、「下塗り材」を入れなかった場合に発生します。
また、経年劣化が進んだ屋根材に無理やり塗装を行った場合にも同現象が起きます。
屋根材の錆
主に、鉄板を使用したトタン屋根、ガルバリウム鋼板、折板屋根、棟包み(役物)などが経年劣化と共に錆びて傷みます。
錆が進行すると、腐って穴あきの原因となり、雨漏りに繋がります。
屋根材別に塗装の必要を解説
化粧スレート(コロニアル、カラーベスト)
近年では、一番使用されている屋根材が化粧スレート屋根です。
軽量で、比較的安価ですが、耐久性があまり良くありません。
「ひび割れ、コケや藻そう、反り、剥離」などが発生します。
新築時から屋根塗装を2回~3回行い、その後は、屋根カバー工法か葺き替えとなります。
メンテナンス周期:「8年~10年」
セメント・モニエル瓦
化粧スレート同質の素材のセメントを主原料とされているモニエル瓦(セメント瓦)は粘土瓦屋根よりも安価で軽量のため、10数年前にとても流行した屋根材です。
現在では、ほとんど使用されていません。
理由は、「経年劣化が早く、瓦が割れやすい、漆喰などのメンテナンス、釘浮き」などの発生でメンテナンス維持す
るのが、とてもコストがかかるためです。
専用の塗料で、塗装を行っていく事によって、屋根材を長持ちさせることはできます。
メンテナンス周期:「10年~15年」
トタン屋根
勾配が少ない屋根材に良く使用されているのが、このトタン屋根(瓦棒屋根)です。
軽量で、比較的緩やかな勾配でも適用できるため、昔からよく使用されていました。
ですが、「経年劣化が早く、錆びやすい」ためこまめな塗装が必要です。
メンテナンス周期:「5年~8年」
シングル屋根
シングル材は、アメリカやカナダで普及しており、洋風なデザイン性です。
シングル屋根の劣化症状として「変色・褪色」おきます。
また、紫外線を浴び続けることで起こるのが「反り」です。
現在では、耐久性の良いシングル材が数多く出ているので、20年過ぎてから補修や塗装の検討時期に入ります。
メンテナンス周期:「10年~15年」
ガルバリウム鋼板
現在では、もっとも注目が集まってきている屋根材のガルバリウム鋼板ですが、こちらも素材に鉄が含まれているため「錆が発生」するため塗装が必要となります。
商品によっては、フッ素コートされているものは、塗膜20年保証があるので化粧スレートとは違い、メンテナンス頻度はそこまでありません。
屋根材の「色あせ」が出てくるのが、「15~20年」のため、20年過ぎてから塗装の検討時期に入ってきます。
メンテナンス周期:「15年~」
折板屋根
折板屋根は主に「工場や倉庫」などでよく使用されている屋根のタイプです。
このタイプでもっとも初期に見られる劣化症状は屋根を固定している「ボルトの錆」です。
金属の宿命で風雨に晒されているうちにどうしても錆が進行し、赤錆が見られるようになります。
また錆以外でも塗装の「変色・褪色」もよくでるため、10年~15年前後で塗装を行っていくとベストです。
メンテナンス周期:「10年~15年」
まとめ
屋根塗装の必要性は、塗膜防水によって屋根材を守って、長持ちさせるために行います。
屋根材の劣化を遅らせることによって将来的なランニングコストも抑えることができ、気づかぬうちに「雨漏りしていた」などというリスクも防ぐことが出来ます。
屋根塗装を行う場合には、仮設足場を設置するので、外壁塗装と一緒に行うのが効率的です。
屋根は、お家にとって大事な箇所ですので、しっかりとメンテナンスを行っていきましょう。