屋根にはトタンやガルバリウム鋼板などの種類がありますが、中には瓦屋根の方も。
瓦屋根は昔から日本の家の屋根に用いられてきたもので、自宅の屋根が瓦の方もいることでしょう。
ただ、瓦の種類によってはそのまま放置するのは危険であり、塗装を定期的に行わなければなりません。
そこで今回は、瓦屋根の塗装をしなければならない理由や業者に依頼する前にチェックしておきたいことなどを紹介します。
特に、自宅の瓦屋根が不安な方はぜひ最後まで読んでみてください。
瓦屋根を塗装しないといけない3つの理由とは?
瓦屋根は一見すると何もしなくて良いように思えるかもしれませんが、冒頭で述べたように放置するのはNGであり、きちんとした塗装が求められます。しかし、その理由とは何なのでしょうか。
理由①放置すると雨漏りといったトラブルを引き起こす恐れがある
瓦を放置しておくと、防水性が低下したり、ひび割れを起こしたりといったトラブルを引き起こしやすくなります。
最悪の場合、雨漏りの原因になったり、ちょっとした衝撃で割れてしまった瓦が落ちてしまったりするかもしれません。
しかし、瓦を定期的に塗装していれば防水性の低下を予防できるため、雨漏りを防げるだけではなく、瓦自体を長持ちさせてくれます。
理由②修復不可能なカルシウムが流出する
瓦にはさまざまな種類がありますが、その中のセメント瓦とモニエル瓦には、強度に欠かせないカルシウムが含まれています。
これは双方の原材料であるセメントに含まれている成分ですが、雨が染み込むとカルシウムが溶けてしまい、流出してしまいます。
前述したように、カルシウムは瓦の強度において重要なもの。
その成分が少なくなるなれば、その分強度が劣化してもろくなってしまいます。
流出したカルシウムは修復不可能な成分であり、塗装をしても元の強度に戻ることはありません。
だからこそ、放置せずにきちんと塗装を行う必要があります。
理由③見た目が悪くなる
瓦の塗装が剥がれると、せっかくのきれいな屋根の見た目が悪くなってしまいます。
また、一部分が欠けたり、ひび割れを起こしたりといったことにもつながるでしょう。
しかし、定期的な塗装をしておけば、美しい瓦屋根の美観を保てます。
DIYで瓦を塗装するのはおすすめできない
「屋根を塗るぐらい、DIYのスキルがあればできるでは?」と思う方がいるかもしれませんが、危険な行為であるため、おすすめできません。
そもそも屋根をDIYすること自体が危ない行為であり、地面に転落してしまう恐れがあります。
また、塗料にもさまざまな種類があり、きちんと選ばなければ間違った塗装をしてしまうかもしれません。
屋根に関する作業は、DIYのスキルを持っていても簡単にできるものではないため、必ずプロに依頼した方が良いでしょう。
瓦屋根の塗装を依頼する上でチェックしておきたいこと
瓦屋根の塗装を依頼する前に、いくつかチェックしておくべきポイントがあります。
注意点が何点かあるので、ご説明します。
瓦によっては塗装が不必要な場合もある
まずは自宅の瓦の種類が何なのかチェックしましょう。
特にセメント瓦とモニエル瓦は、塗装が必要な種類です。
一方で、粘土瓦(和瓦)は、高温で焼き上げられた瓦で耐久性が高く、塗装する必要がありません。
見分け方は、瓦表面に光沢があるかないかで、だいたい判断がついてきます。
判断が難しい場合は、写真を撮ってプロの業者に確認してみてください。
塗装ができない場合もある?
瓦屋根の状態が「ひび割れや剥離」が酷く状態が悪い場合は、塗装よりも葺き替えが良いでしょう。
葺き替えは、既存の瓦をすべて撤去して、新しい屋根材に張り替える方法です。
劣化が酷いと、雨漏りリスクも高く、塗装で期待できる効果が得られないためです。
ですが、この判断は一般の方では難しいため、プロの業者が現調した後にわかることが多いです。
そのため長期間メンテナンスしていない場合は、葺き替えもあらかじめ考えておいた方が良いかもしれません。
瓦屋根の塗装の相場はどのくらい?
瓦の塗装は、塗料によって異なります。例えば、ウレタン系の塗料であれば1平方メートルあたり「2,000円」ほど。一方でフッ素系の塗料は1平方メートルあたり「4,000円」ほどかかります。
瓦屋根は塗料の吸い込み量が多いため、材料費が通常の化粧スレートやトタンと比べて「1.5~2倍」以上かかることもあり、割高となってきます。
また、上記単価以外にも屋根の足場代も別途かかってきます。
そのほか、作業中に割れたり、下地が傷んでいると「下地調整費」も多めに見ておく必要があります。
瓦屋根を塗装して見た目も機能性も維持しよう!
今回は、瓦屋根の塗装が必要な理由や塗装前にチェックしておきたいポイントを紹介しました。
全ての瓦が塗装対象ではなく、セメント瓦とモニエル瓦に関してのみ、必要な作業です。
放置すれば見た目だけではなく、耐用年数を短くさせてしまいます。
あまり、放置してしまうと塗装が出来なくなってしまう事もありますので、注意が必要です。