破風板(はふいた)とは、住宅の屋根内部や屋根瓦に侵入する雨風を防ぐための板のことで、屋根の先端に設置されています。
先端部分の名所としては、雨樋が付かない箇所が「破風板」、雨樋がつく箇所は「鼻隠し」と呼ばれています。
その破風板に板金材(ガルバリウム鋼板)を巻いて、雨水から破風板を守る工事を「破風板金工事」と言います。
そんな、破風板金はどのような状況で必要なのでしょうか?
ここでは、破風板金の「必要性」と「費用単価」、「塗装や交換と比較した場合のメリット・デメリット」について解説していきます。
破風板金の必要性について
破風板は、雨風の影響を受けやすく劣化が進行しやすい箇所です。
劣化が進んだ破風板は、塗装を行っても早いと「2年~3年」で塗膜が剥がれてしまい、その都度足場を建てて塗装を行っていたらメンテナンスコストに悩まされます。
そこで、「破風板金工事(金属板巻き)」を行うことによって、一度の施工で長期間メンテナンスが不要となるため、塗膜の剥がれに悩む心配がなくなります。
ガルバリウム鋼板を上から巻き上げることで、紫外線・雨風から守り、板金なので剥がれることもありません。
破風板金の費用単価について
①破風板金:「¥3500~4500円/m」
②鼻隠し板金:「¥3500~4500円/m」+雨樋脱着費用「¥1500~2000円/m」
③庇破風板金:「¥4000~5000円/m」
破風板金は「3500~4500円/m」が目安となり、「M数」が長いほどその単価も下がります。
鼻隠しの板金施工は、雨樋の脱着が必要なため雨樋工事分が別途かかります。その雨樋が古く劣化している場合には、脱着時に割れてしまう可能性があるため基本的に交換を行っていきます。
庇の破風板の板金施工の場合、「加工・取付け」に手間がかかるため多少費用増しになっています。
板金工事は、2F以上の施工の場合には、仮設足場が必要なため足場代も別途必要となります。
破風板のメンテナンスは塗装と板金と交換ではどれがおすすめ?
破風板が劣化したときに行われるメンテナンス方法は「破風板金」以外に、表面の「塗装」、板の「交換」を行う方法もありますが、これらはどのような違いがあり、どれがおすすめなのでしょうか?
ここでは、状況別におすすめの施工方法について解説します。
破風塗装
破風塗装は、破風板の材質を選ばず木材でも不燃材でも可能な施工方法となります。破風板のメンテナンス方法としては「最も手軽で費用が安い」というメリットがあります。
塗装を行うことで「耐久性、防水効果」の向上に効果があり、外壁塗装と一緒に施工するのが一般的です。
しかし、塗装は下地の状態に大きく左右されるため、劣化状況によって「数年で塗膜が剥がれやすい」というデメリットもあります。そのため、外壁塗装とメンテナンスサイクルが合わなくなることがあり、劣化が早く進んで単体で仮設足場が必要になってしまうことがあります。
破風板の劣化が少ない状況で外壁塗装と一緒にメンテナンスを行う場合にはコストも抑えられる「破風塗装」がおすすめです。
破風板金
破風板金は、既存の木材の破風板をガルバリウム鋼板で包み、耐久性や耐火性を高めることに効果があります。
ガルバリウム板金は、耐久性が良く「約20年間メンテナンスが不要」というメリットがあります。破風板単体での工事では、この破風板金が一番よく施工されています。
ですが、m数が多いほど「塗装との費用差が広がり高額になってしまう」デメリットがあります。また、塗装と比べて質感が変わってしまうので、その点は注意が必要です。
破風板の劣化が進んでおり下地の状態が悪い場合や高台で雨風の影響を受けやすい立地にある場合には「破風板金」がおすすめです。
破風板交換
破風板の交換は、破風板が腐食して板金の取付けができない場合や部分的に修理したい場合、素材感をそのまま活かしたい場合などに行われる施工方法です。
破風板が新品となり、化粧板の種類を選べる点はメリットとなります。
ですが、交換を行う場合は破風板を解体して取付けを行う「手間と材料費」、取付け後に「塗装で仕上げる」必要があるため、費用が割高となる点が大きなデメリットです。
破風板が腐食して板金巻きができない場合は「交換」一択となります。そのほか、部分的に塗装ではなくメンテナンスしたい場合には他の破風板と素材感を合わすことが出来るため「破風交換」がおすすめとなります。
最後に
破風板はあまり聞きなれない言葉ですが、雨から屋根を守ってくれる大切な部分です。
この箇所のメンテナンス方法は「塗装」、「板金巻き」、「交換」がありますが、耐久性とコストパフォーマンスを重視した場合には「破風板金工事」がおすすめです。
費用単価も「3500~4500円」を目安として、塗装よりも少し割高になりますが、耐久性が良いため年数が経過した建物では選ばれている施工方法です。
破風板の塗膜がすぐに剥がれて、悩まれている方がいましたら、この「破風板金」を是非ご検討してみてください。
破風板金工事NAVI