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屋根に使われている屋根材にはさまざまな種類があります。

その屋根材の種類によって「素材、耐用年数、劣化症状、重量」など特徴が異なります。

ここでは屋根材の種類別に、その特徴やメンテナンス方法についてご紹介していきます。

屋根材の種類とそれぞれの特徴について

化粧スレート屋根

s4

 

特徴

 

セメントを主成分として、形成された「薄型の板状の屋根材」です。

以前は、アスベストが含まれおり、問題になっていましたが、現在ではノンアスベスト材のみの生産に切り替わっています。

現在ある屋根材の中で、もっとも取り扱いのある屋根材です。

 

劣化症状

 

10年前後で、屋根材の防水機能が低下して雨水を吸収することにより、表面に「コケや藻」が発生します。

また、屋根材の浮きによる「ひび割れ」なども注意が必要です。

この防水機能の劣化やひび割れを放置すると、「雨漏りの原因」にもつながるため、メンテンナンスが必須となります。

 

メンテナンス方法・時期

 

メンテナンス方法 メンテナンス時期の目安
屋根塗装 8年~15年
棟板金の交換 20年前後
屋根カバー工法/屋根葺き替え 25年~30年以降(メンテナンス状況による)

 

スレート屋根の寿命は、約25年~30年と言われています。

適切な時期に塗装を行う事で、上記よりも年数を延ばすことができ、その反対に塗装をしないと短くなる場合もあります。

塗装以外の施工方法は、「屋根カバー」、「屋根葺き替え」とあり、どちらか選択できます。

粘土瓦屋根

漆喰

 

特徴

 

粘土を焼いて作られており、他の屋根材と比較すると、もっとも耐久性能の高い屋根材です。

ですが、重量があって地震などの影響を受けやすいことがデメリットではあります

 

劣化症状

 

瓦材に関しては、半永久的にメンテナンスが不要です。

しかし、棟瓦の「漆喰や銅線」は、経年劣化で「剥がれたり、切れる」ため細かいメンテナンスが必要となります。

また、地震などで瓦が割れてしまうこともありますので、注意が必要です。

 

メンテナンス方法・時期

 

メンテナンス方法 メンテナンス時期の目安
漆喰の塗り直し・銅線の補修 15年~20年
棟瓦の積み直し 20年~25年
屋根葺き直し/屋根葺き替え 30年以降(状況による)

 

ただし、瓦材に問題なくても「瓦桟、野地板」が長期的(30年~)にみると劣化してきます。

そのため、状況に応じて「屋根葺き直し(下地のみ修理)」もしくは「屋根葺き替え(下地・屋根材交換)」を行わなくてはなりません。

瓦棒(トタン)屋根

トタン屋根

 

特徴

 

瓦棒(トタン)屋根は、縦葺きの鉄板屋根です。

昔からある屋根材で、軽量で緩やかな勾配の屋根でも取付けられる点がメリットとなります。

ですが、その薄さから「遮音性や遮熱性」が低く、メンテナンスも頻繁に行う必要がある点がデメリットとなります。

 

劣化症状

 

鉄板なので、「赤錆」が発生し、腐食が進むと「穴が空く」ため「雨漏りの原因」にもなります。

また、年数が経つと「心木が腐り」、強風時に「トタンが剥がれてしまう」事があります。

 

メンテナンス方法

 

メンテナンス方法 メンテナンス時期の目安
屋根塗装 5年~8年
棟板金の交換 20年前後
屋根カバー工法/屋根葺き替え 20年~30年以降(メンテナンス状況による)

 

塗装を行っても数年で塗膜が剥がれてしまう劣化の早い屋根材です。

そのため、コストが掛かりますが「5年~8年」くらいに塗装を行う必要があります。

セメント瓦屋根

セメント瓦

 

特徴

 

セメント瓦は、主に「セメントと砂と水」を主原料とする屋根材です。

粘土瓦よりも劣化が早く、割れやすいのが特徴です。

現在では、耐久性も悪く、尚且つ重いため、販売されておりません。

また、セメント瓦の中には、「セメント、砂、水」にさらに「砂利」を主原料としたコンクリート瓦という屋根材もあります。

 

劣化症状

 

スレート屋根材と同様に、雨水を吸い込む特徴から「コケや藻」の発生や、劣化すると「ひび割れ」が出やすく、割れやすくなります。

セメント瓦の種類によって、棟部に漆喰がある場合があります。

その場合は「漆喰が剥がれ落ちてくる」ため、メンテナンスが必要となります。

 

メンテナンス方法・時期

 

メンテナンス方法 メンテナンス時期の目安
屋根塗装 10年~15年
漆喰の塗り直し 15年~20年目
屋根葺き替え 30年以降(状況による)

 

セメント瓦の中でも、コンクリート瓦の塗装を行う場合は、塗料の種類が変わりますので注意が必要です。

また、屋根の張替えを行う場合は、「屋根葺き直し(屋根材再利用)」は、割れやすく、交換用の瓦材もないため、基本的には「屋根葺き替え工事」一択となります。

ガルバリウム鋼板屋根

ガルバリウム鋼板

 

特徴

 

鋼板にアルミと亜鉛とシリコンをメッキした屋根材です。

この屋根材は、「軽量で耐久性、耐腐食性」に優れており、近年で屋根リフォーム(葺き替え・カバー工法)を行う際は、もっとも選ばれています。

ガルバリウム鋼板は、屋根だけではなく「外壁材、破風板、軒天、雨樋、霧除け」など幅広く、使われています。

 

劣化症状

 

表面にコーティングされている塗膜が「15年前後」で劣化して「色褪せ」します。

また、「25年~30年目」になると、「」なども発生してきます。その錆を放置すると穴あきがでるリスクもあります。

 

メンテナンス方法・時期

 

メンテナンス方法 メンテナンス時期の目安
屋根塗装 20年~30年以降
屋根カバー工法/屋根葺き替え 30年~40年以降(状況による)

 

ガルバリウム鋼板は、耐久性が高いので「20年~30年」はノーメンテナンスで大丈夫と言われています。

(棟板金の下地が木板などの場合は細かい修理は必要となります)

ただ、「15年~20年目」で多少の色あせが出てくるため、美観が気になる方は、20年目に屋根塗装を行う事がベストです。

その後、屋根塗装の有無、野地板や状況によって、葺き替えによるメンテナンスが必要となります。

屋根材の商品によっては、屋根カバー工法も行えます。

自然石粒付鋼板屋根

自然石粒付鋼板

 

特徴

 

ガルバリウム鋼板・ジンカリウム鋼板材に「石粒上のセラミックコート」が施されている屋根材です。

メーカーによって保証も手厚く、30年以上メンテナンス不要と言われています。

軽量で、耐久性が高く、遮熱効果も期待できます。

 

劣化症状

 

自然石粒付鋼板は、ガルバリウム鋼板がもとになっているため、表面の石粒の劣化に伴い、長期で見ると「」などが発生するリスクがあります。

 

メンテナンス方法・時期

 

メンテナンス方法 メンテナンス時期の目安
屋根塗装 30年以上(状況による)
屋根カバー/屋根葺き替え 30年以上(状況による)

 

自然石粒付鋼板は、30年保証しているメーカーが多く、中には50年保証している商品もあります。

基本的にメンテナンスフリーと言われており、現在では塗装や葺き替えなど考える必要はなさそうです。

ですが、屋根材の耐久性が良くても「下地(野地板)」は劣化するので、30年~40年目」で葺き替えを検討する必要があります。

屋根材の商品によっては、屋根カバー工法も行えます。

アスファルトシングル屋根

アスファルトシングル

 

特徴

 

無機質繊維ガラスマットなどに、アスファルトを含浸・コーティングして、その上に鉱物質の彩色石粒を圧縮して作られた屋根材です。

簡単に言いますと、防水シートに石粒をコーティングして仕上げられたものです。

 

劣化症状

 

表面の石粒が剥がれ落ちて、表面がむき出しになったり剥離してきます。

石粒が剥がれると、雨水を吸収して「コケ」が発生して美観を損ねてしまいます。

 

メンテナンス方法・時期

 

メンテナンス方法 メンテナンス時期の目安
屋根塗装 25年~30年以上
屋根カバー工法/屋根葺き替え 30年以上(状況による)

 

アスファルトシングルの寿命は、約30年以上と言われています。

適切な時期に塗装を行う事で、上記よりも年数を延ばすことができます。

塗装以外の施工方法は、「屋根カバー」、「屋根葺き替え」とあり、どちらも選択できます。

折板屋根

折板屋根

 

特徴

 

折板屋根は、工場で金属の板を波上に加工したうえで、建物の上から「かぶせる形の屋根」です。

大型家屋に使いやすく「防水性、耐火性」に優れており、しかも単価も安く工期も短いといったコストパフォーマンスの面で非常に優れています。

 

劣化症状

 

初期に見られる劣化症状は屋根を固定している「ボルトの錆」です。

この錆は、年数の経過とともに屋根全体に広がっていきます。

また、屋根材の「色あせ」や「」も年数が経つと発生します。

 

メンテナンス方法・時期

 

メンテナンス方法 メンテナンス時期の目安
屋根塗装 10~25年
屋根カバー/屋根葺き替え 25年~30年以降

 

素材が、トタンであれば「10年」、金属系であれば、「25年」を目安に塗装が必要です。

錆びによる劣化、雨漏りが発生したら「屋根カバー工法・葺き替え」を検討してく必要があります。

 

最後に

 

屋根材の種類によって、性能はもちろんのこと、メンテナンス方法やメンテナンス時期が変わってきます。

ご自宅の屋根材の特徴や劣化状況を確認して、適切な時期に正しいメンテナンスを行っていきましょう。