「雨漏り修理したのにまた雨漏りが発生!?」せっかく修理をして安心と思ったのに、次の雨でまた雨漏りが再発してしまうケースは少なくありません。
なぜこのような状況になってしまうのかでしょうか?被害を抑える為にも、「その原因」や雨漏りに対する正しい「調査方法」や「修理方法」について知っておきたいところです。
そこで今回は、「雨漏りの修理後にまた雨漏りが起きてしまう原因」や「正しい雨漏りの調査方法や修理方法」について解説していきます。
雨漏り修理後にまた雨漏りする原因は?
雨漏り修理後にまた雨漏りする原因は「施工不良」、「修理方法が間違っている」、「別の箇所から雨漏りしている」などがあります。
ここでは、雨漏りの修理後にまた雨漏りする原因を紹介していきます。
施工不良
せっかく雨漏り修理を行っても、適切な施工がされていないと雨漏りの再発につながってしまいます。
防水処理が甘かったり、材料を間違って使用した場合に起こり得ます。とくに、プロに依頼せずに、DIYで修理した場合にもよく再発がみられます。
雨漏り修理は簡単にみえて奥が深いので、きちんとした専門家にへの依頼をおすすめ致します。
間違った場所を修理している
間違った場所を修理している場合には、雨漏りは止まりません。
一時的に雨漏りが止まったように見えても、根本的な解決はしていないのですぐに雨漏りが再発する原因になります。また間違った場所を修理してしまうことで、新たな雨漏りを誘発してしまうことにもつながるので注意が必要です。
例1:屋根塗装だけを行った
屋根からの雨漏りを確認した場合に、屋根塗装を行えば解決できると考える方や業者さんも稀にいます。
ですが、屋根からの雨漏りは屋根材の下に張ってある防水シートが破損していることが原因で起こります。屋根塗装は「あくまでも表面の塗装だけ」になるので、解決に至らないのです。
また、雨水が入らないようにと隙間なく屋根塗装を行ってしまうと毛細管現象で、さらなる雨漏りを引き起こしかねません。
屋根からの雨漏りの場合は、塗装ではなく葺き替えなどを行い防水シートから修理が必要となります。
例2:瓦を交換しただけ
瓦屋根からの雨漏りを確認した場合に、「瓦のずれ」や「瓦の割れ」だけが原因ときめつけて、そこだけ修理して終わらせてしまう業者さんも稀にいます。
しかしながら、このケースも屋根塗装と同様に瓦屋根だけを修理しても雨漏りを止めることができません。雨漏りしている場合には、瓦の下の防水シートの修理が必要となります。
このケースの場合は、瓦を一度解体して、防水シートを張り直し、また瓦を戻して「葺き直す工事」または予算があれば「葺き替え工事」が必要となります。
建物の経年劣化(別の場所から雨漏り発生)
雨漏りをするのは一般的に築年数が経った建物のため、経年劣化によってさまざまな場所に傷みが現れてきます。
そのため、雨漏り修理しても、修理した場所以外の箇所からまた雨漏りが発生する事はたまにあります。まったく同じ場所に雨漏れするケースは少ないですが、屋根や外壁など部分的な修理を行った場合に起こり得ます。
部分的な修理は、予算を抑えられるメリットがありますが、このようなケースもあるため、修理方法はしっかりと検討しなければなりません。
雨漏り原因の調査方法
雨漏りの修理後にまた雨漏りが起きないために、雨漏りの原因を特定することが重要です。ここでは雨漏り箇所を見つけるための調査方法を紹介していきます。
目視調査(屋根裏点検含む)
雨漏りの原因を特定する方法で、もっとも簡単な方法が目視による確認です。
目視による確認が出来れば、雨の侵入場所や流れている経路も推測することができます。ただし、実際に雨が降っている状態でなければ確認することが難しい場合が多くなります。(そのため散水調査とセットで行う事が多いです)
また、屋根からの雨漏りの場合には、屋根裏を点検することで侵入場所や経路を発見することにもつながります。
散水調査
実際に雨漏りが疑われる場所が分かっている場合には、散水することで雨漏りを再現する方法も有効です。
屋根からの雨漏りが疑われる場合には、実際に屋根や外壁との取り合い部分に水をかけて雨漏りが発生するかを確認します。
またバルコニーなどの場合には、大量の雨が降った時を想定して水を貯めたり、排水口に一気に流してみたりといった試験的なことも行います。
サーモグラフィ
屋根裏や壁の内部など目視では確認することが難しい場所では、サーモグラフィを使って雨の流れる経路を確認します。
サーモグラフィで壁内の温度を確認することで、雨の侵入場所や経路を把握することができるため、適切な修理が可能になります。
ただし、サーモグラフィ調査も対象箇所が乾いた状態ですと温度変化がわからないため、散水調査と一緒に行う事が多いです。水を掛けることで温度が下がるので、そこから雨水の経路を確認していきます。
雨漏り修理の方法
雨漏りの修理方法には、雨漏り箇所や状況によって変わってきます。「屋根」、「外壁」、「バルコニー」に分けてそれぞれ解説していきます。
屋根からの雨漏り修理方法
屋根の雨漏り修理には「コーキング補修」、「棟の交換」、「カバー工法」、「葺き直し」、「葺き替え」などがあります。
コーキング補修
屋根材の取り合いに、穴や隙間が空いていてそこから雨漏りするケースなどには、コーキングで穴埋めを行い修理していきます。
この場合は、その穴や隙間から確実に雨漏りしていると判断した場合に行います。
棟交換
棟板金や棟瓦の劣化により、棟部分から雨漏りが発生した場合には、棟の交換を行って修理していきます。
棟だけの部分的な補修となるため、既存の棟の解体後に防水シートを補修してから新しい棟を取付けて修理していきます。
カバー工法
カバー工法は、既存の屋根材の上から新しい屋根材をカバーして雨漏り修理を行う工事です。部分的な修理は難しく、基本的には全体的に屋根修理を行って雨漏りを改善させる形となります。
主に屋根からの雨漏りで特定が難しい場合に行っていきます。
葺き直し
葺き直しは、既存の屋根材を解体して下地修理後(防水シート、木下地など)に、また同じ屋根材を張って仕上げる修理方法です。
雨漏りの特定が難しい場合には全体的に葺き直しを行い、雨漏り箇所が特定できた場合は部分的な葺き直しで修理することも可能です。
葺き替え
葺き替えは、既存の屋根材を解体して、新しい屋根材を葺いて仕上げる修理方法です。瓦屋根からスレート屋根、金属屋根まで幅広く施工が行えます。
葺き直し同様に部分的から全体的にどちらも対応可能です。ただし、部分的な葺き替えを行う場合は、雨漏り箇所の特定に加え、既存と同じ新しい屋根材を使用する必要があります。
外壁からの雨漏り修理方法
外壁の雨漏り修理には「コーキング補修」、「外壁カバー」、「外壁張替え」などがあります。
コーキング補修
コーキング補修は、雨漏りが疑われる部分をコーキングで充填する方法や、サイディング外壁のジョイント部分、窓などの開口部まわりのコーキングの劣化に合わせて打ち替えや増し打ちを行って修理する方法です。
屋根同様に、雨漏りが疑われる箇所から確実に雨漏りしていると判断できた場合に行います。
外壁カバー
外壁カバーは、既存の外壁材の上に新しい外壁材をカバーして仕上げる修理方法です。カバーにて部分的な修理を行う場合は、最低でも一面はカバーする必要があります。
カバーの場合は予算を抑えられますが、内部の状況が確認できないため、雨漏り箇所が特定できた場合に推奨される修理方法となります。
外壁張替え
外壁張替えは、既存の外壁材を剥がしてから、新しい外壁材を張っていく修理方法です。部分的な外壁の修理を行う場合は、この張替え工事が良く行われています。
同じ素材の外壁材を使用できるため、そこまで見栄えが変わることなく仕上げる事が可能です。
外壁を解体するので、雨漏りの経路や腐食状況などを把握できるため、外壁の雨漏り修理としては一番最適な方法です。
バルコニーからの雨漏り修理方法
バルコニーの雨漏り修理は「ドレン排水の交換」、「笠木交換」、「防水工事」などがあります。
ドレン排水交換
バルコニーには、床の雨水を下部に流すためのドレン排水があります。そのドレン排水は経年劣化や詰まり等で雨漏りすることがよくあります。
ドレンが原因の場合は、下の天井を解体して内部にあるドレン配管を交換して修理していきます。雨漏りの状況によっては下地の交換なども必要となります。
笠木交換
バルコニーの手すりの笠木部分は、雨漏りするケースがもっとも高い箇所となります。構造上、雨風の影響を受けやすい箇所のため、雨漏りの原因となりやすいのです。
この笠木が原因の場合は、新しい笠木に交換するか、既存の笠木の上に新しい笠木をカバーして修理していきます。
防水工事
バルコニーの床部分のひび割れなどから雨漏りしてしまうケースも多いです。
バルコニーの床部から漏れている場合は、下地調整を行って塗膜防水やFRP防水を施して修理していきます。
雨漏りが再発した場合の対応
雨漏りを放置せずに直ぐに修理を行う
雨漏りが長引くことで起こる危険性は、「雨漏り箇所以外にも腐食が広がる」ことです。また腐食の範囲が広がることで「高額な修理費用が必要」になることもあります。
屋根や外壁の内部など、普段は見えない部分を通る雨漏りを繰り返すことで、部分的な修理では対応できない下地材や住宅の躯体にまで劣化や腐食が広がる危険性があります。
雨漏りが長引く事で被害は広がってしまうので、早期に適切な雨漏り修理を行っていきましょう。
同じ業者に無料で頼める?どこに依頼すればよい?
雨漏りが再発した場合の責任は、雨漏り修理を行った業者の「施工範囲」や「保証内容」によって変わります。
全体的な修理を行った場合は、ほとんどのケースで業者側の責任となるので無料で依頼できますが、部分的な修理の場合は、状況によって異なります。
<業者側の責任にならない場合>
・雨漏り箇所の特定が出来なく、全体的な修理の提案を受けたが、依頼側の希望(予算など)で部分的な雨漏り修理を行った場合
・雨漏り修理箇所以外から雨漏りが新たに発生した場合
<業者側の責任となる場合>
・施工不良による雨漏り
・間違った場所を修理していた場合
部分的な修理は安さの反面、再発のリスクは少なからずあります。きちんと業者からの説明があり、施工不良等ではない場合は、新たに追加料金が発生してしまうので注意が必要です。
施工不良等の場合は、無料で依頼することもできると思いますが、その業者は知識や経験不足の可能性も高く、また修理しても何度も再発してしまうケースもよくあります。
雨漏り修理に対する説明や修理方法に不安がある場合は、新たに他の業者に依頼した方が良いでしょう。その業者に依頼する前に別の業者にも話を聞いておくのもおすすめです。
最後に
雨漏り修理後にまた雨漏りをしてしまうのは、修理方法が間違っているケースがほとんどです。
目視調査や散水調査、サーモグラフィ調査を駆使して、きちんと原因を調べ、適切な修理を行っていくことが重要です。
雨漏り修理の範囲は、部分的に修理することで解決することもありますが、全体的に修理が必要な場合もあります。予算を安く抑えたい気持ちもあるとは思いますが、ベストな施工方法の選択が再発防止につながります。
また、再発した場合は早めに対処を行い、修理業者も慎重に選んで検討していきましょう。