唐草は、屋根を構成する重要な役物です。
非常に細かな役物ですが、建物を雨から守るのに欠かせません。
ここでは唐草の役割やメンテナンス方法について紹介していきます。
軒先唐草とは?
軒先唐草(のきさきからくさ)とは屋根の軒先の先端に取り付けられる水切板金です。
昔、日本では軒先の瓦に唐草模様を描くという文化がありました。
その名残が現在まで続いており、軒先に取り付ける役物が唐草と呼ばれております。
唐草は瓦屋根だけでなく、金属屋根やスレート屋根でも取り付けられる役物です。
軒先唐草の役割とは
この軒先唐草は、屋根からの雨水を雨樋に流すことが主な役割です。
軒先唐草が無いと、雨水が正常に雨樋に流れず、屋根材の裏側に雨水がまわってしまいます。
その状況が続くと、まわった雨水で木部が腐食してしまう原因となります。
また、毛細管現象を発生させて、軒先のパーツ同士のごく僅かな隙間から雨水が逆流し、屋根裏に雨水が入って雨漏りしてしまうリスクもあります。
毛細管現象とは、「細い筒状の内側を液体が重力に逆らい上昇していく現象」です。
コップに入れた水にティッシュを付けると、水がティッシュを上っていくのと同じ現象で、軒先にも同状況が発生します。
これを防ぐ為に唐草が取り付けられているというわけです。
軒先唐草とケラバ唐草の違いは?
唐草は軒先だけでなく、ケラバにも取り付けられます。
ケラバとは、雨樋が付かない辺の先端部分で、下部に破風板が取り付けられている箇所です。
ケラバでも軒先同様、毛細管現象による雨水の浸入が起きる為、唐草が取り付けられます。
雨樋が付く軒先に取付けるのが「軒先唐草」、雨樋が付かない端部に取付けるのが「ケラバ唐草」となります。
ケラバについては詳しくはこちらを→「ケラバとは?その必要性や修理方法について」
軒先唐草のメンテナンス方法
スレートや金属屋根の唐草は、主に板金で出来ています。
そのため、劣化するとサビるため、塗装による定期的なメンテナンスが必要です。
屋根や外壁などを塗装するタイミングで、併せてメンテナンスを行うことをおすすめします。
塗装が出来ないほど劣化した場合には、交換する必要があります。
ですが、板金唐草を単体で交換することはできませんので、全体的な屋根リフォームが必要となります。
まとめ
唐草は、雨水を雨樋に流す大事な役割があり、また建物を雨水から守るのに欠かせないパーツです。
板金唐草の場合は、サビて劣化するため、塗装によるメンテナンスが必要となります。
目立つ部分ではありませんが、しっかりメンテナンスを行い、建物を雨から守っていきましょう。