台風などの自然災害で、屋根瓦が飛んだり、ズレたりすることがあります。
そういうときは雨漏りなどで屋根が傷んでしまうこともあるため、なるべく早く修理したいものです。
屋根修理業者を呼ぶ前に、まず「自分で修理ができないか?」と考える方も多いと思います。
そんな方のために、ここでは自分で屋根修理を行う場合の「メリット、デメリット」や実際に「屋根修理を行う方法」について解説していきます。
屋根修理は自分でできる?
そもそも「屋根の修理は一般の方でもできるのか?」という疑問が上がりますが、結論的には屋根の状況によってはでます。
実際に屋根リフォームの点検や調査に伺った際、「ご自身で応急処置や屋根修理」まで行っている方は、何件かございました。
その修理内容としては、「ブルーシート養生」や「コーキングによる補修」などです。
もちろん、本格的な屋根の板金修理や交換は難しいのでできないと思います。
ですが、比較的「勾配が緩い屋根」で、「簡易的な養生や補修」だけでしたら、自分で修理を行うか検討してみても良いかと思います。
自分で修理するメリット
費用が安い
自分で屋根修理を行う最大のメリットは、「費用が安い」という点です。
屋根修理を業者に依頼する場合、一番費用が掛かるのが「人件費」です。
正直、材料代などは「数千円」程度で済んでしまう事がほとんどですが、人件費だけで「1~3万円」とかかってしまいます。
この「人件費が抑えられる」という点が自分でやることの利点でしょう。
直ぐに修理することができる
次に自分で屋根修理を行うメリットとしてあげられるのが「直ぐに修理することができる」という点です。
台風などの自然災害の場合、他のお宅の屋根も同時に飛ばされます。
そのため、屋根修理業者は対応に追われて、呼んでも直ぐにきてもらえないことが多いです。
昨年の2019年9月の台風の時には、養生に伺うだけで「1週間~3週間」待ちという状況でした。
そんなに待っていたら、2次被害の「雨漏り」が発生してしまうリスクもあります。
もし自分で屋根修理を行う事が出来れば、待つ必要もなく最悪の事態を避けられます。
「自分のタイミングで早急に修理ができる」という点は利点でしょう。
自分で修理するデメリット
とにかく危険
自分で屋根修理を行う最大のデメリットは「危険か伴う」という点です。
屋根の作業は、プロでも滑って落下してしまうことがあります。
屋根は「屋根材の劣化」、「砂・汚れ」、「水が付着している」などが原因で滑ります。
場所によってその状況が違うため、大丈夫と思って油断した時に、滑って落ちてしまうこともあります。
本当に危険なので、屋根の勾配が「3寸以上」の作業は、プロに任せた方が得策です。
瓦が割れてしまう
屋根修理を行う場合、屋根瓦の踏み場所を間違えると「瓦が割れてしまう」ので注意が必要です。
屋根作業の知識がないと、他の瓦を割ってしまい余計な修理が増え、逆に悪化させてしまうというリスクがある点がデメリットです。
また、自分で屋根修理をする場合のほとんどが、足場を設置せず作業を行うと思います。
足場がないと足元に余計な力がかかり、割れてしまうリスクも大きくなってしまうのです。
自分で行う修理には限界がある
部分的な「剥がれ」や「割れ」などは、自分で修理を行えますが、被害箇所が広範囲に及ぶ場合は、自分で直すことは難しいでしょう。
なおしっかり修理できていない場合は、雨漏りなどが長期に及ぶ場合がありますので、修理の知識をしっかり抑え実行することが重要です。
頑張って修理しても改善できないと、無駄な作業になってしまうため注意が必要です。
屋根修理をDIYでやる方法
屋根の移動
瓦屋根の上を移動する場合は安全性の面からも「両ひざと両手」で移動し、瓦の谷の部分を縦に体重を掛けるようにします。
なお横移動は棟に跨って移動するのがよいでしょう。
瓦は、比較的割れにくいものですが、無造作に体重を一か所に掛けると割れることもありますのでご注意ください。
屋根修理の方法
割れた瓦をDIYで修理する場合に用意するものは「防水テープ、瓦用ラッカースプレー、コーキング材」などです。
粘土瓦の場合
割れた瓦を外して「清掃」し、「防水テープやコーキング」で止めて元に戻すだけでも十分な修理となります。
できれば瓦下の防水シート等に破損がないか確認し、ある場合は同様に「防水テープ」で修理しましょう。
防水テープなどの貼り付け後、屋根用の「ラッカー等でカラーリング」して目立たなくすればさらによいと思います。
なお、新しい瓦を用意して「取り換え(差し替え)」することもできます。
「瓦専門店」に割れた瓦を持って行き購入するとよいでしょう。
ですが、同じ寸法の瓦はないため、現場で「瓦槌やグラインダー」で瓦を加工してから差し替えていきます。
※モ二エル瓦やセメント瓦は、同じ瓦がほとんどありませんので、差し替え出来ないことが多いです。
スレート瓦の場合
スレート瓦の割れの場合は「コーキング材」で修理します。
周りを清掃し養生テープ(マスキング)して、割れ目にコーキング材を詰めます。
コーキング後はへらなどでならして作業は終了です。
後は乾くのを待ちます。
現在ではスレートにも使える防水テープもありますので、これを利用すればさらに簡単に作業できます。
屋根修理を自分でやるのが難しい場合は?
とりあえず屋根の養生
屋根の破損被害が大きく、自分で修理することが難しい場合は、「ブルーシート」を屋根に敷しいて養生を行いましょう。
雨水は棟から軒へ流れますので、敷く範囲は破損した部分の上側、できれば一番上の「棟部分」まで行います。
ブルーシートの固定は、「土嚢」をのせて行います。
土嚢が落ちる心配がある場合は綱でつないで棟を跨らせて設置することも多くあります。
角材などでブルーシートを抑え、それに土嚢を乗せると効率よく抑えることができるでしょう。
屋根修理業者を待つ
屋根全体や広い範囲に歪みや割れが出ている場合や雨漏りしていたら、可能であればブルーシートを敷き、あとは屋根修理業者を待つしかありません。
広範囲の被害や雨漏りしている場合は、プロでなければ修理できません。
葺き替えでないと対応できない場合もありますし、瓦の下に設置してある防水シートの破損も気になるところです。
なかなか業者が来れない場合には、大工さん、便利屋さんなども対応してくれますので、問い合わせてしてみるのも良いでしょう。
まとめ
DIYで修理することで費用を抑えられ、早急に修理して被害を最小に食い止める意味でも重要ですので、その知識を知っておくことは大変有用なことです。
ですが、屋根の作業はとても危険ですし、余計な瓦が割れたり、頑張って修理しても改善せず無駄な労力になってしまうこともあります。
屋根修理を行う場合には慎重に考えてから行動に移すことが大事です。
また、自分で修理を行っても、それを応急処置と考え、時期を見て屋根全体のメンテナンスを業者さんに依頼することも考えましょう。
その修理では、不完全であるケースもありますので、万が一を考えるとプロに点検を依頼した方が安心できるかと思います。