日本では台風や地震などの自然災害が多く、屋根瓦が飛ばされたり、ズレたりする被害が多く発生しています。
そういういざというときに、瓦屋根の修理方法で「ラバーロック工法」というものがあります。
知っている人も多いと思いますが、主に屋根屋さんよりも、訪問してきた業者さんから話を聞いたというケースが多いでしょう。
実際にこのラバーロック工法はどうなのか、ここのページでメリット、デメリットについてご紹介していきたいと思います。
ラバーロック工法とは?
ラバーロック工法とは簡単に言えば、並べられた瓦同士をコーキングしてつなぎとめる工法です。
これによって左右の瓦同士が結び付けられ、ズレにくくするわけです。
コーキング材は多少の弾力性を持っており、ラバーロックされた屋根が上下左右に動いても剥がれることはなく、また元に戻してくれる弾性力を持っています。
ラバーロックを行う事で、瓦が固定され安定感のある屋根に変わります。
ラーバーロック工法のメリット
瓦のずれや剥がれを防止できる
ラバーロック工法を行う目的でもありますが、メリットとして「瓦のずれ、剥がれ、動き」を抑制できるという点にあります。
地震や強風などの自然災害で瓦のずれ、落下してしまう被害が多発しています。
その被害を防止、対策できるという点が最大のメリットです。
価格が安い
瓦屋根は、劣化すると銅線が切れたり、下地が腐食したりと不具合が生じます。
その状態で地震や強風が起きると、瓦がずれたり剥がれてしまうのです。
もちろん、劣化した屋根のリフォームや修理は、「瓦の葺き直し」や「棟瓦の積み直し」や「葺き替える」方法が良いですし、正しい施工方法です。
しかし、上記工事を行うと予算がそれなりにかかってしまいます。
ラバーロック工法なら、上記工事の半分以下の価格で修理できる点がメリットでしょう。
ラバーロック工法のデメリット
換気が悪くなる
屋根内部の湿気は、瓦の隙間を通じて換気されています。
その隙間を塞いでしまう事によって、換気ができなくなり、垂木や野地板を傷めてしまう原因となります。
見た目が悪い
ラバーロックでのコーキング材は最初は半透明の白色ですが、時間が経つとほこりなどで黒く汚れてしまいます。
汚れたコーキングは目立ちますので、補修したような見た目となり全体的に美観を損ねてしまいます。
葺き替える際に手間がかかる
ラバーロックしてしまうと、将来的に葺き替え工事を行う際に「コーキングの撤去」に手間がかかり、解体費が割り増しとなってしまいます。
解体時に、コーキングを一本一本、カッターなどで切断する必要があるためです。
また、同じ瓦の再利用が出来なくなってしまいます。
葺き替えを検討している人にとっては、デメリットとなるでしょう。
訪問販売での施工は注意が必要?
屋根が劣化したり、ブルーシートを掛けていたりすると、それを見付けた営業さんが飛び込みで修理を持ちかけることがよくあります。
訪問販売での業者は当たり外れがあり、特にラバーロック工法をよく理解していない業者が間違ったやり方をしてしまうことが多く、注意が必要です。
施工方法に注意
ラバーロック工法は、瓦の周囲をコーキングで固定していく施工方法なのですが、上記写真のように縦ラインと横ラインの山部(重なり)のみコーキングを行います。
しかし、一部の訪問業者では、横ラインすべてにコーキングを行い、四方すべての隙間を埋めてしまう業者もいます。
このようなことをしてしまうと、完全に雨水や湿気の逃げ道を塞いでしまい、雨漏りリスクが高まり、下地も腐食しやすくなってしまいます。
ぼったくり工事に注意
ラバーロック工法に相場費用の情報が流通していないため、作業内容に見合わない「お見積り価格」を提示してくる業者も多いです。
おおよそ、「20万から40万円」が相場となりますが、「60万円」とかなかには「100万円」と提示される可能性もあるため、即決しないよう注意が必要でしょう。
まとめ
ラバーロック工法は屋根を安定させるための対策として、効果がある工法ではあります。
比較的低価格で施工が出来るので、予算の都合で屋根リフォームを断念してしまった人には、おすすめできる場合もあります。
しかし、屋根の状況によってはデメリットとなりますし、施工を行って良いかどうかの判断は重要となります。
自然災害の場合は、火災保険なども利用できますので、可能であればちゃんとした屋根リフォーム、屋根修理がおすすめです。
ラバーロック工法は、メリット、デメリットをしっかりと把握した上でご検討してみたください。