ガルバリウム鋼板は、半永久的に持つと言われていますが、本当にメンテンナンスしなくて問題ないのか疑問に思っている方も多いと思います。
メンテナンスを行うとしたら、塗装をするのが一般的ですが、費用がどれくらいになるのかも気になるものです。
ここでは、ガルバリウム鋼板を塗装する必要性やその費用についてご紹介しています。
そもそもガルバリウム鋼板とは?
ガルバリウム鋼板とは、住宅に使用される屋根材のひとつで、「アルミ亜鉛合金をメッキ処理した鋼板」のことを指します。
横葺き用と縦葺き用など、さまざま形状の屋根として普及しています。
メリット
最大の特徴は、「優れた耐久性」を持っていることで、その理由はガルバリウム鋼板の構成が「アルミニウム・亜鉛・シリコン」となっているからです。
仮にメッキが傷ついたとしても、鋼板に含まれている亜鉛が先に溶けて鉄を錆から守ってくれます。
この「犠牲腐食作用」があることから「防錆性が高く」、一般的なトタン板と比較すると約3~6倍程度も耐久性があるのです。
またガルバリウム鋼板は薄いので、重量のある瓦と比較すると地震の揺れによる建物への影響がとても少なく「耐震性」にも優れている屋根材と言えます。
それに「見栄えも良く」、素材の質感自体を活かした仕上がりになることから、洋風住宅で使用されることが多くなっています。
このようにガルバリウム鋼板とは、「耐久性・防錆性・耐震性」など様々な点で優れた屋根材のひとつであると言えます。
デメリット
デメリットとしては、瓦やストレート屋根と比較して「雨音が多少大きい」こと、もうひとつは「熱伝導率が高い」ということです。
ただ、「防音材」を下地に敷くことで音を軽減することが可能ですし、断熱材を屋根裏に使用することで断熱性能を高めることができます。
また、メーカーによっては断熱材がセットで販売されている屋根材もあります。
(ニチハ:「横暖ルーフ」、アイジー工業:「スーパーガルテクト」など)
この屋根材は、断熱材が入っており「遮音効果」や「断熱効果」が期待できますので、上記デメリットを補えます。
ですが、すこし費用が高額なのがデメリットとなります。
ガルバリウム鋼板も塗装は必要なのか?
ガルバリウム鋼板は「約20~30年」の耐久性があると言われている屋根材なので、基本的には塗装の塗り替えを実施する必要はありません。
ですが、「20年」を過ぎてくると「色あせ」が始まり、その後の環境によっては「赤錆」も発生することがあります。
ガルバリウム鋼板でも、「30年以上」使用を続けるのであれば、塗装によるメンテナンスを行った方が良いと言えます。
あまりにも年数が経過していたり、雨漏りしている場合には、塗り替えでは対応できないので、屋根を張り替える葺き替えや古い屋根材に新しい屋根を被せるカバー工法などが必要なケースもあります。
ガルバリウム鋼板の塗装単価はどれくらい?
屋根面積:50㎡~70㎡(25坪~30坪)
費用相場は、「32.5万円~39.5万円」です。(ウレタン塗料使用)
【内訳】
施工内容 | 費用の目安 |
仮設足場(メッシュシート含む) | ¥120,000円 |
高圧洗浄(水洗い) | ¥25,000円 |
下地調整費 | ¥10,000円~¥25,000円 |
下塗り | ¥42,000円~¥56,000円 |
中塗り | ¥49,000円~¥59,500円 |
上塗り | ¥49,000円~¥59,500円 |
各種諸経費 | ¥30,000円~¥50,000円 |
小計 | ¥325,000円~¥395,000円(税抜き) |
屋根塗装は、「屋根の勾配」、「下地の状態」によっても費用単価が異なります。
また、外壁塗装などと一緒に施工を行うと、上記単価よりも割安です。
塗料グレード別の平米単価
塗料のグレード | ㎡単価 |
アクリル塗料 | ¥1,500円~¥1,800円 |
ウレタン塗料 | ¥2,000円~¥2,500円 |
シリコン塗料 | ¥2,200円~¥2,800円 |
遮熱塗料 | ¥2,400円~¥3,000円 |
フッ素塗料 | ¥3,500円~¥4,500円 |
ガルバリウム鋼板の塗装は、「ウレタン・シリコン系」が多く使われています。
ガルバリウム鋼板の塗装方法や塗料の種類は?
塗装方法
屋根は年数が経つと、汚れが目立ちます。
そのため、高圧洗浄をしっかりと行って、表面の汚れを取り除いてから塗装を行ってきます。
劣化状況によって下地調整を行い、専用の下塗り材を塗り、「中塗り・上塗り」を入れて仕上げていきます。
鋼板用の塗料の種類
• 日本ペイント:ファインルーフU
• SK化研:ルーフスターU
• 日本ペイント:ファインルーフSI
• 関西ペイント:スーパーシリコンルーフペイント
• SK化研:ルーフスターSI
• 日本ペイント:1液ファイン4Fルーフ
• 関西ペイント:スーパーフッソルーフペイント
• SK化研:ルーフスターF
まとめ
現在では、ガルバリウム鋼板屋根はとても普及しています。
ガルバリウム鋼板は半永久的にノーメンテナンスで大丈夫というイメージがありますが、塗装が必要な場合もあります。
メンテナンスを行う場合には、塗装で寿命を延ばすのか、葺き替え又はカバー工法を実施するのかをしっかりと検討しましょう。
塗装費用に関しては、「屋根の勾配」、「下地の状態」によって変わりますし、また「外壁塗装」などの他の工事と一緒に施工を行うと割安に行えますので「20~30年」経過したら、塗装を検討してみましょう。