屋根塗装の工程で、必要な作業が「タスペーサー」の取付けです。
このタスペーサーはとても重要で、取付けをしないと雨漏りの原因になることがあります。
ここでは、そんなタスペーサーについてご紹介していきます。
タスペーサーとは?
スレート屋根(コロニアル・カラーベスト)に塗装を行うと、屋根材の重なり合う部分が塗膜で塞がってしまいます。
塗膜で塞がってしまうと、屋根内部に「毛細管現象」などが発生して雨水が入り込んでしまうと、逃げ道がなくなってしまい、雨漏りの原因になることがあります。
このような状況を防ぐために、屋根塗装後に「縁切り」を行い、雨水の逃げ道を確保する作業を行います。
縁切りとは、「皮すきやカッター」を用いて塗膜の塞がりを切っていく作業です。
ですが、この縁切りを行うと他の塗膜を傷つけてしまうリスクや手間がかかります。
そのような手間を省き、塗膜を傷つけるリスクを無くすために用いられたのが「タスペーサー」です。
タスペーサーの役割
タスペーサーを取付けると、塗膜によって隙間が塞がるのを防ぎ、雨水の逃げ道ができますので、雨漏りリスクの低下や下地の寿命が長持ちします。
屋根材は「化粧スレート屋根」のみ取付けを行っていきます。
1回目の塗装で取付けしなかった場合でも、2回目の塗装の時から取付けることもできます。
ですが、1回目の塗装で縁切りを行っていない場合は、先に縁切りを行っていく必要があります。
タスペーサーの取付けができない屋根もある?
タスペーサーも、屋根の状況によって取付けができないケースもあります。
屋根材が劣化して浮いている
築20年近く、またはそれ以上に屋根のメンテナンスを行っていない場合、経年劣化で屋根材が浮いてきます。
この状態になってしまうと、隙間が出来てしまい、タスペーサーを差し込んでも抜け落ちてしまうので、取付けができません。
ですが、もとから隙間があるので、雨水の逃げ道は確保できいるため問題はありません。
屋根勾配がある
屋根が急勾配(5寸以上)の場合、通常より少しでも隙間が広いと、取付けても抜け落ちてしまうことがあります。
タスペーサーは、スレート屋根の重なり合う部分に差し込む形で取付けを行うため、ビスや釘などで留めるわけではありませんので抜け落ちることがあります。
そのため急勾配では、縁切りを行って仕上げていくことも多いです。
屋根に勾配がある場合は、しっかりと屋根の状況を確認してからタスペーサーの取付けを行うか判断していく形となります。
タスペーサーの取付け手順
高圧洗浄(水洗い)後に下塗り(シーラー)を入れてからの設置となります。
下塗りの前に入れてしまうと、タスペーサーと下塗り材の相性が悪く、タスペーサーが劣化してしまう為です。
取付ける間隔は、屋根材の一枚に2個設置します。(910mmスパン)
特に難しい作業ではなく、隙間に差し込んでいくだけの簡単作業です。
取付け費用1個あたり「250円~350円位」です。(屋根の状況によります)
タスペーサーの取付けが完了したら、その後「中塗り、上塗り」と塗装をして完了となります。
まとめ
屋根塗装の時に、タスペーサーの取付けを行う事によって、雨漏りリスクを防ぐことができます。
縁切りよりも手間が省け、塗膜を傷つけてしまうリスクがなくなります。
ですが、屋根が急勾配であったり、劣化が進んでいた場合は、状況をしっかりと確認して取付けを行うか判断していく必要があります。