屋根塗装工事を行う上で、気になるのは仮設足場の必要性だと思います。
外壁塗装を行うのであれば必要を感じますが、屋根塗装だけを行うのに必要なのか疑問を持たれるかたも多いと思います。
ですが、結論から言いますと屋根塗装のみでも仮設足場は基本的に必要です。
その理由としては「安全面」と「品質向上」と「ご近隣への配慮」のためです。
ただ、条件によっては仮設足場なしでも行う場合もあります。
今回は、屋根塗装で仮設足場の必要な理由とその費用について詳しくご紹介していきます。
屋根塗装で足場が必要な理由とは?
安全面
屋根塗装は、高所作業により危険が伴います。
劣化した屋根は、とても滑りやすく、材料をもって屋根に上がった場合にバランスが悪いいため「転落の危険性」が出てきます。
万が一、屋根から転落して怪我をしてしまった場合に、本人やその家族はもちろん依頼主にも迷惑がかかってしまいます。
そのため、近年では足場なしで屋根塗装を請け負う業者はほとんどいません。
高所作業なので、万が一のことを考えると足場はとても重要なのです。
品質向上
屋根塗装を行う場合には材料をもって屋根に上がり作業しますが、足場がないと材料を置くスペースがなく「作業効率の低下や下地調整」がしっかり行えません。
とくに軒先は危険なため、ケレン作業(下地調整)が雑になったり、塗装も塗れる範囲での仕上げとなり本来の耐久年数が発揮できない場合が多いです。
施工不良や質の低い作業を避けるためにも、足場を設置していく必要があります。
近隣への配慮
屋根塗装を行う際には、必ず「高圧洗浄」を行います。
ですが、仮設足場が無い状況で高圧洗浄を行うと、養生(メッシュシート)がないので溜まったコケや汚れは泥となり、近隣の住宅に飛散していきます。
数十年かけて溜まった汚れは洗い流すとすごい量の泥がで出ます。そのため、近隣と密接しているお宅では苦情がでる可能性は高いでしょう。
足場がない場合に、高圧洗浄を行わずデッキブラシなどで屋根を洗う業者さんもいますが、手間もかかり水で滑って危ないですし、汚れも軒先など完全の取り切るのは難しいです。
条件によって足場なしでも屋根塗装はできる?
屋根の状況によって、足場なしでも作業できるケースも少なからずあります。
仮設足場無しでも行える条件についてご紹介します。
下屋根(1F)の塗装の場合
「1F部分の屋根(平屋など)の塗装」を行う場合、ご近隣との密接具合にもよりますが仮設足場がなくても作業するケースもあります。
もちろん、屋根の勾配が緩やかで、コケや藻が少なく滑りずらい状況に限ります。
1F屋根で、施工面積が少ない場合では、脚立を使って作業を行う事も多いです。
勾配が2寸以下の場合
屋根勾配が「2寸以下のトタン屋根」の場合は、状況によって仮設足場を建てずに作業することがあります。
勾配が緩やかなので、材料を仮置きでき、比較的安全に作業できるためです。
陸屋根で、壁面がパラペットのように立ち上がっているケースでは、足場無しで作業を行うことも多いです。
足場の費用はどれくらい?
現在、仮設足場の種類は、「くさび式足場」と「単管足場」があります。
それぞれで、メリット、デメリットがあり、費用面も異なってきます。
屋根塗装では、高所作業なので「くさび式」足場が主に使用されています。
【25坪~35坪】「12万円~16万円」
【35坪~45坪】「16万円~20万円」
【45坪~60坪】「20万円~25万円」
【屋根用足場】「3万~10万円」
屋根の勾配が「6寸勾配以上」ある場合では、「屋根足場」というのも必要となってきます。
屋根足場を設置する場合には、「くさび式足場+屋根足場」という計算になるので、少し割高になってきます。
まとめ
屋根に上がるのは、熟練の職人さんでも怖いものです。上がるだけでも怖いのに、そこから作業するのは危険が伴います。
また危険も伴いますが、「工事の質」、「近隣へ迷惑」をかけてしまうこともあります。
このように、足場を省くことでさまざまなデメリットがあります。
予算の問題もあると思いますが、仮設足場を設置して工事を行った方が結果的に後悔のない工事を行う事が出来ます。
可能であれば、「外壁塗装」、「雨樋交換」などと一緒に施工を行っていくと足場代を節約できますので、工事の時期を検討して調整していくことをおすすめ致します。