天井から自然な光を取り込み、部屋全体を明るくしてくれる便利な窓を「天窓またはトップライト」と言います。
この天窓(トップライト)は基本的に雨漏りしないように作られていますが、様々な要因で雨漏りが発生してしまいます。
天窓から雨漏りが発生した場合どのように対処していけば良いのでしょうか?
ここでは、天窓の特徴や雨漏りが起こる原因などを解説していきます。
天窓の特徴
天窓は、天井に取り付けてある小型の窓で、とても便利な役割がありますが、その反対に雨漏りリスクが高く、メンテナンスが必要な箇所となります。
天窓のメリット
太陽光が取り入れられる
天窓最大の魅力は太陽光を豊富に取り入れられるという点です。
部屋に入る太陽光は大きく分けて3種類あります。
①直射光:直接入る太陽光
②反射光:建物や地面に反射した太陽光
③天空光:直射光が雲や大気により散乱した耐用光
実は壁に設置された窓は直射光を多く取り入れることが出来ません。
しかし天窓では直射光を取り入れることが出来る為、部屋をより明るくすることが出来ます。
換気が効率的に行える
天窓があることで風の流れを作ることが出来ます。
部屋の換気を行う際は窓を開けると思います。しかし窓を開けるだけでは換気効果はよくありません。
暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ移動するという習性があります。
その為、壁面の窓を開けるだけでは風の流れを作るのが難しく、効果的に換気を行うことが出来ません。
しかし天窓を開けることで暖かい空気が外へ逃げることができ、風の流れが生まれます。その効果で換気を効率的に行うことが出来ます。
天窓のデメリット
雨音が響く
天窓部分は屋根材で保護されていない為、雨音が気になってしまいやすいです。
強雨の際は、ガラスに当たった雨音が室内に響きます。
メンテナンスを行う必要がある
屋根面に窓があることで雨漏りのリスクが生じるだけでなく、定期的なメンテナンスが必要となります。
強雨の際は、天窓から雨漏りするケースが多く、雨仕舞の面では非常に不利な仕上げとなります。
天窓から雨漏りする原因は?
ガラス周りのゴムパッキンの劣化
ゴムが経年劣化してくるとひびが入り、そこから雨水が入り込みます。
天窓の雨漏りの原因は、このゴムパッキンの劣化がほとんどです。
ゴムパッキンが原因の場合は早期発見によって、雨漏りがひどくなる前に修理することが可能です。
下葺き材の傷み
下葺き材とは、天窓の取付けのために野地板に開けた穴から水が入り込まないように、始めに敷かれる「防水シート」などを指します。
その上に水切りという板金材を設置して、天窓を雨水から守っています。
「屋根材の割れ」や、「天窓と板金材の取合い」に不具合が生じて、下葺き材に雨水が入り込み、下葺き材が傷むと雨漏りしてしまうケースもあります。
下葺き材(防水シート)の劣化によって起こる雨漏りは、天井に染みができることが多いです。
天窓周りに落ち葉や砂などのごみが溜まっている
下葺き後に水が流れていくよう設置されている水切り板に、風で飛んできて溜まった「落ち葉やごみ」があることで、水はけが悪くなり雨漏りするケースもあります。
または鳥が巣を作ってしまい、天窓周辺に水たまりができることもあります。
雨水が流れず一箇所に溜まり続けると、防水テープから染み込んで雨漏りが発生する原因となります。
天窓の雨漏り修理方法とその費用は?
コーキングによる補修
ゴムパッキンの劣化による雨漏りであれば、「コーキング材を充填」して修理できます。
天窓のゴムパッキン(ガラス廻り部分)をしっかりコーキングすることで、水の侵入を防げます。
手軽な方法ですが、屋根の作業は危険ですので、DIYよりもプロに依頼した方が無難でしょう。
コーキング補修費用:「5千~3万円」
板金カバーによる修理
天窓のパッキンや継ぎ手、開閉部からの雨漏りの場合、「天窓の枠や天窓全体に板金を新しくカバー」して、雨漏りを防いでいく方法もあります。
板金をカバーすることによって、パッキン以外の天窓本体の耐久年数も高まります。
板金カバー費用:「8万~12万円」
下葺き材の補修
下葺き材からの雨漏りの場合、下葺きの「防水シートや水切り板を交換」して修理を行っていきます。
一部屋根材を剥がして、天窓廻りの下葺き材を修理してから再度屋根材を張っていきます。
ですが、雨漏りによる損傷が激しい場合は、一部だけでなく「窓全体、下葺き材、下地の交換」をしなくてはいけない場合もあります。
全体の修理の場合、被害状況によって費用が高額になるケースがあります。
部分修理:「8万~15万円」
天窓(下地含む)交換:「15万~30万円」
天窓の雨漏りを放っておくとどうなる?
天窓の雨漏りを放置しておくと、徐々に染み込んだ雨水によって壁紙が浮いてきます。
水が染み込んだ湿った壁紙に「カビ」が発生し、住み続ける人の健康にも影響します。
また水が壁紙だけでなく、放置すると下地にも染み込んでしまいます。
下地や躯体が腐食した場合には、より大規模な修理をしなくてはいけなくなり、修理費用もかさむことが予想されます。
天窓の雨漏りには火災保険が使える?
天窓からの雨漏りは、火災保険を使って修理をすることができる場合があります。
例えば「台風や突然の嵐、雹や雪」などによって、天窓からの雨漏りが起こったと保険会社が判断した場合です。
その場合、火災保険に風災補償という項目があり、この項目を利用して負担金なく修理ができます。
火災保険の対象の場合は、まず自分が加入している火災保険の会社に連絡をし、申請に必要な書類を送付してもらいます。
その後、申請書類と共に、自然災害による被害であることが証明できる「写真」や「説明」を付け加えて、施工業者からの修理の「見積もり」を返信します。
その後火災保険の保険会社が損害保険鑑定人を調査のために派遣されてくるので、被害と天窓の被害を詳しく説明し、審査を通ったなら火災保険で修理が補償されます。
まとめ
屋根からの自然な光を部屋の中に取り込む天窓ですが、予想せずに雨漏りの原因となってしまうことがあります。
経年劣化とともに、「台風や雹、雪」などによって思わぬ被害をうけるかもしれません。
雨漏りした場合には、放置していても被害は広がるだけですので、早めの対応が大事です。
ただ天窓からの雨漏りでも、原因によって修理方法が変わってくるので、原因を追究する必要があります。
簡単な補修で済む場合もありますが、大きな工事になる可能性もありますので、保険等使えるようでしたら利用して修理していきましょう。