屋根を流れる雨水を集め、下水に流す設備であるのが雨樋です。
雨樋は設計上、設置が義務付けられている設備ではない為、設置をしないという選択をすることが出来ます。
ここでは、その雨樋を設置しない場合のメリットやデメリットなどを紹介していきます。
雨樋の役割とは
雨樋とは屋根から流れ落ちる雨水を下水に流す筒状の設備です。
あまり目立つ設備ではありませんが、雨樋は住宅において様々な役割を果たしています。
建物を守る
雨樋は建物を雨水から守る役目があります。
雨樋が設置されていない住宅の場合、屋根から流れる雨は軒先から外壁へ伝っていってしまいます。
そうすると外壁が雨水で汚れてしまったり、雨漏れの原因となります。
しっかりと雨水を下水へ流すことでそういった被害から建物を守っています。
騒音対策
雨樋は雨音による騒音対策の役割もあります。
軒先から雨水が滴り落ち、地面に跳ねることで騒音が発生します。
そうならないように雨水を下水へ運ぶ役割も果たしています。
シロアリ対策
そのほか、雨樋はシロアリ対策の役割もあります。
雨水が軒先から地面に落ちると、建物の基礎周りが濡れやすくなってしまいます。
基礎周りの湿気はシロアリが住み着く条件にもなっている為、シロアリ被害に遭いやすい環境になってしまいます。
雨樋を設置しないという選択
雨樋は設置が義務付けられた設備ではありません。
その為、様々な理由から雨樋を設置しない住宅も存在します。
雨樋を設置しないメリットやデメリットをしっかりと把握しておきましょう。
雨樋を設置しないメリット
雨樋清掃が不要になる
雨樋は定期的なメンテナンスが必要な設備です。
雨樋のメンテナンスで多いのが「詰まり」です。
風などで舞い上がった土や埃が雨水と混ざり泥となり詰まる原因となったり、落ち葉などが雨樋に溜まり詰まる原因になります。
詰まりは経年劣化とは関係なく起こってしまう現象な為、住宅の立地環境によってはメンテナンスの頻度が非常に多くなってしまうケースもあります。
メンテナンスが不要になる
雨樋は、寒冷地などの場合、雪の重みで曲がったりズレたりすることも多いです。
そのような場合は、修理や交換しなくてはいけません。
雪以外にも割れや欠けなどの症状が発生した場合もメンテナンスが必要となり、費用が掛かってしまいます。
また、雨樋があると定期的に「塗装」も必要となります。
雨樋は塩ビやプラスチックなど様々な素材で出来ていますが、その殆どは塩ビ製のものです。
劣化すると割れやすいため、塗装を行う必要があるのです。
雨樋を設置しないことで、このようなメンテナンスを行う必要がなくなるというメリットがあります。
意匠性
雨樋を付けないことで非常にシンプルになります。
外観のデザインによっては、雨樋が無い方がおしゃれな場合もあります。
雨樋を設置しないデメリット
雨漏れのリスクが高くなる
雨樋は屋根を流れる雨を下水に流す役割があります。
雨樋を設置していないと、外壁が雨水に晒されるリスクが高くなり、雨漏れの原因になります。
美観性を損なう
雨樋を設置していないと雨水は外壁に伝うだけでなく、軒下に垂れ落ちます。
屋根面には風などで舞い上がった土や埃が付いている為、屋根を伝う雨水は非常に汚く、外壁や建物周辺を汚す原因にもなります。
様々なトラブルに繋がる
住宅街など建物が密集している場合、雨樋を付けないことで近隣トラブルに繋がる恐れがあります。
軒先から垂れた汚れた雨水が隣家の敷地内に跳ねたり、垂れ落ちる雨音が騒音トラブルの原因にもなります。
まとめ
雨樋を付けないという選択には様々なメリットとデメリットがあります。
それらを把握したうえで、自宅の立地条件なども考慮し選択することをお勧めします。