最近では、屋根に窓があるお宅が増えてきています。
窓と言えば、「天窓」以外にも「ドーマー」という屋根窓もあります。
ただドーマーと言っても、聞きなれない言葉で、よくわからない方も多いでしょう。
ですが見てみたら「見たことある!」となる方も多いと思います。
そこで今回は、『ドーマー』について、役割や修理方法などをご紹介します。
ドーマーってなに?その役割とは?
ドーマーとはずばり、屋根から突き出した「三角や四角の屋根窓」の事です。
意味としては、『dormer』とは日本語でそのまま屋根窓になります。
そして主にその役割は、「採光と通気」です。
天井に窓を設置することにより、広範囲に射光が広がりとても明るくなります。
横から入る日差しと違い、上から入る日差しは全体を明るくしてくれます。
とくに「屋根裏部屋」や「ロフト」などの窓がない、暗い部屋におすすめです。
また、屋根裏部屋とロフトは、熱気や湿気がたまりやすく、カビなどの心配もありますが、開閉が可能なドーマーをつけることにより、通気口の役割となり換気をすることが出来ます。
このように、ドーマーがあることで、さまざまなメリットがあります。
ドーマーのデメリットは?
メリットがあるドーマーですが、反対にさまざまなデメリットもあります。
部屋の温度が上がる
日差しが入り明るくなる分、夏はお部屋の温度が高くなってしまいます。
屋根の熱がそのまま入ってきますので、サウナ状態となり、長時間そこにいるだけで汗が止まらなくなります。
掃除が大変になる
屋根裏部屋やロフトがないところで、高い位置に取り付けた場合、お掃除や細かいメンテナンスが困難になってしまうことなどがあります。
梯子や脚立が必要となり、清掃業者を呼ばなくてはいけないケースもあります。
太陽光パネルの設置が出来ない
もちろん、ドーマーの上に「パネル」は設置できません。
そのほか、屋根の面積や形状によりますが、ドーマーがあることで設置そのものが不可能になってしまうケースもあります。
ドーマーは雨漏りリスクが高い?
デメリットを紹介してきましたが、一番の問題点は「雨漏りリスクが高い」という点です。
天窓やドーマーがあるお宅の「雨漏り被害」の確率は非常に高いです。
構造上、屋根に無理やり穴を空けて隙間を確保しているので、どうしてもその取合いが劣化してくると「雨漏り」することが多くなります。
とくに、築15年以上ノーメンテナンスの場合に被害が出やすいです。
また、台風シーズンなどで、「風向き」によって、一時的に雨漏りするケースもあります。
もちろん、こまめにメンテナンスを行っていけば、防げる問題ではあります。
ドーマーの修理方法
ドーマーも経年劣化によって、部材が腐食したり、上記のように「雨漏り」も発生します。
その際の、修理方法をご紹介します。
塗装仕上げ
軽度の経年劣化で、表面のチョーキング(塗膜の劣化)程度であれば、塗装を行って塗膜で保護していきます。
塗膜は、雨風から部材を保護する効果がありますので、10年を目安に行うのがおすすめです。
また、外壁や屋根の取合いの「コーキング」も劣化するので、一緒に補修を行ってくと良いです。
板金カバー仕上げ
部材が「腐食」していたり、「雨漏り」した場合には、板金工事がおすすめです。
塗装では処理しきれない、腐食や雨漏りは「ガルバリウム鋼板材」でカバーしてしまうのが得策です。
張り替えるよりも予算を抑えられますし、2重で保護されるので「雨仕舞」もよく「断熱効果」も高まります。
張替え、交換
ドーマーからの腐食や雨漏りを長期間放置してしまい、下地まで腐食している場合は、解体して新しく造り直す必要があります。
下地が腐食していると、板金カバーができないためです。
状況によって、部分的な張替えから、全体的な解体新設まで、施工範囲が変わってきます。
ある程度、屋根の葺き替えが必要なケースもあります。
張り替えることで、悪い箇所は改善されますが、予算はそれなりに掛かってしまいます。
ドーマーの修理は火災保険が使える?
大きな出費が懸念されるドーマーの修理ですが、劣化の原因によって火災保険が使えることがあります。
ドーマーというのは、屋根から一部突き出ているため、強い風にあたり劣化してしまう原因がほとんどです。
その場合、風災として火災保険が使える可能性がありますので、加入している保険屋さんに確認してみましょう。
保険では、「仮設足場の設置」から「風災による被害を改善する工事」に対して、支払われます。
まとめ
ドーマーとは、「採光や通気」を目的とした、「屋根窓」のことです。
取付けることで洋風で、オシャレな外観となります。
ですが、「夏場の暑さ」や「掃除が大変」、「太陽光設置が不利」というデメリットもあり、
また、その複雑な形状から「雨漏りリスク」が高いことも注意しなければなりません。
修理方法は、「塗装、カバー、張替え」という、劣化や被害状況によって施工方法が変わってきます。
自然災害の場合では、火災保険も使えるので、対象の場合は上手く活用していきましょう。