トタン屋根は、劣化速度も早く定期的な塗装によるメンテナンスが必要な屋根材です。
メンテナンス頻度が多い屋根材だからこそ、塗装費用について気になる方も多いと思います。
ここでは、トタン屋根の「メリット、デメリット」や「塗装費用」や「最適な塗料」についてご紹介してます。
トタン屋根の特徴は?
トタン屋根は、波状のものと、心木と亜鉛メッキ鋼板の組み合わせで作られた瓦棒屋根などがあり、亜鉛メッキ鋼板をトタンということからこのように呼ばれています。
メリット
トタンは日本瓦の「約10分の1」の重さの素材で薄いため、建物に対する負担が少なく「耐震性」に優れた屋根材です。
また、「価格が安い」ので新築や改修を含め工事価格を抑えることができますし、施工自体も簡単なため倉庫や工場など簡易的な建物で比較的よく使用されています。
また日本瓦やスレート屋根と比較して「緩勾配で施工することができる」ことから、屋根の勾配が制限されている地域ではトタン屋根を施工するケースも多いのです。
デメリット
軽量で価格も安いトタン屋根ですが、雨など自然環境にさらされることで、亜鉛のコーティングが少しずつ剥がれてしまい、「耐久性が低い」というデメリットもあります。
そして、剥がれた部分に雨が当たることにより「錆び」が生じ、そのまま放置していると錆びた「鋼板に穴が空いて雨漏り」をしてしまうのです。
そのため長い間トタンを使用するためには、「約5年おき程度で塗り替える」といった定期的なメンテナンスを実施していかなくてはなりません。
そのほか、トタン屋根は、建物室内に「熱が直接伝わる」というデメリットや、軽い素材のため台風に弱く「剥がれやすい」といった弱点があります。
また、他の屋根材と比較して「雨音がとても大きく響いてしまう」といった弱点もあります。
トタン屋根の塗装費用はどれくらい?
屋根面積:50㎡~70㎡(25坪~30坪)
費用相場は、「31万円~38万円」です。(ウレタン塗料使用)
【内訳】
施工内容 | 費用の目安 |
仮設足場(メッシュシート含む) | ¥120,000円 |
下地調整費 | ¥20,000円~¥35,000円 |
下塗り | ¥42,000円~¥56,000円 |
中塗り | ¥49,000円~¥59,500円 |
上塗り | ¥49,000円~¥59,500円 |
各種諸経費 | ¥30,000円~¥50,000円 |
小計 | ¥310,000円~¥380,000円(税抜き) |
屋根塗装の費用は、「屋根の勾配」や「下地の状態」によっても単価が異なります。
トタン屋根の剥離が酷い場合には「高圧洗浄」で下地調整を行う事もあり、その際は別途費用が発生します。
塗料グレード別の平米単価
塗料のグレード | ㎡単価 |
アクリル塗料 | ¥1,500円~¥1,800円 |
ウレタン塗料 | ¥2,000円~¥2,500円 |
シリコン塗料 | ¥2,200円~¥2,800円 |
遮熱塗料 | ¥2,400円~¥3,000円 |
フッ素塗料 | ¥3,500円~¥4,500円 |
トタン屋根を塗装する場合の注意点と最適塗料は?
トタン屋根の塗装を行う場合の注意点
トタン屋根は、塗膜が剥がれやすいため、「下地調整」がとても重要な作業となります。
下地調整を中途半端に行ってしまうと、せっかく塗装をしても剥がれやすく、意味のない作業となってしまうためです。
下地調整では、塗料の付着を良くするために、「研磨剤」を用いてトタン表面に細かな傷をつける目あらしを行い、塗り替え後の膨れや剥れの防止対策していくことが必要です。
そのほか、施工時の塗膜厚がきちんと守られていないと、耐久性が著しく低下してしまうので、適切な塗膜厚で施工されていることも重要なポイントになります。
最適な塗料は?
トタン屋根の塗り替えで使用する塗料を選定する場合には、劣化速度が早くメンテナンス周期が短いため、耐候性や耐久性を重視して「強靭な塗膜を形成する塗料(耐久性が高い)」を選ぶことをおすすめします。
また屋根の表面温度は想像よりも高温になるので、トタン屋根塗装には「遮熱塗料」の使用もおすすめです。
ですが、ある程度塗装を重ねて、下地の状態が良くない場合には、塗料のグレードを変えても耐久年数にそこまで差が出てきません。
年数が経ち下地の状態が良くない場合には、「ウレタン塗料」などで塗装を行うか、思い切って「葺き替え」などの選択肢を行うの良いでしょう。
まとめ
トタン屋根は、安価な材料費で軽量というメリットはありますが、メンテナンスコストがかかってしまうというデメリットがあります。
塗装によるメンテナンスが遅くなってしまった場合には、補修を行いながらの塗装が必要となってくるため「葺き替える」という選択肢も検討材料の一つとなってくるでしょう。
塗装費用に関しては、「屋根の面積、屋根勾配、下地の状態、塗料のグレード」によってさまざまです。
トタン屋根のメンテナンスを行う際は、劣化状況や将来的なランニングコストを考えた上で施工方法の検討をおすすめ致します。