屋根は大切な住宅を守るためにとても重要なものです。
その屋根に、どれくらいの耐用年数があるのかはご存知でしょうか?
知らないまま使用し続けると、雨漏れなどの原因となってしまいます。
ここではそういった被害を受けないためにも、屋根の耐用年数について説明したいと思います。
屋根の耐用年数とは
耐用年数とは、通常の効用持続年数のことを指します。
屋根は住宅を雨や風から守る為に存在します。
その効用が発揮されなくなった場合、雨漏れが発生する等の被害を受けてしまいます。
また、屋根材は耐用年数を延ばす為にも定期的なメンテナンスを行う必要があります。
耐用年数を延ばす為には定期的なメンテナンスが不可欠
屋根材には、ある程度決まった耐用年数があります。
ですが、その耐用年数もメンテナンスを行う事で、「10~15年」も変わることがあります。
耐用年数を延ばすには塗装が必要?
屋根は常に外気に晒されており、放っておくとコケが生えたり、錆びてきたりします。
その結果、雨漏れが発生したり、屋根に穴が空いたりという不具合が生じます。
その為、屋根は劣化を遅らせる為に定期的なメンテナンスが必要だという認識を持ってください。
屋根には「トタン、スレート、金属、瓦」と様々な種類がありますが、基本的なメンテナンス方法は屋根材再塗装です。
屋根メンテナンス塗料の種類
一般的に屋根材に使用する塗料は、ウレタン系、シリコン系、、ラジカル、フッ素系です。
ウレタン系の場合:8~10年
シリコン系の場合:10~12年
ラジカル系の場合:15年
フッ素系の場合:15~20年
他にも遮熱系、光触媒系と様々な塗料がある為、再塗装のメンテナンスを行う際は、塗料の耐久性も確認しながら選択を行ってください。
屋根メンテナンスのタイミング
屋根塗装を行うタイミングは、屋根の素材によって異なりますが、「10~20年」が目安となります。
屋根の状態を確認して、「色あせ」や「ひび割れ」、「剥離」などが出てきたらそのタイミングです。
しかし、塗装を行う際に注意して頂きたいのは、劣化が進み過ぎると塗装が出来ないという点です。
下地の状態が悪い屋根材に塗装を行っても、新しい塗膜が屋根材に上手く密着しないことがあるためです。
そのため、適正なタイミングでの塗装が必要です。
屋根材は素材により耐用年数が違う?
屋根材のメンテナンスについては使用する塗料により耐久性が代わりますが、屋根材の耐用年数は素材により変わります。
ここからは屋根の素材別での耐用年数について説明していきます。
トタン:耐用年数15~20年
トタンは古くから使用されている金属製の屋根です。
低コストの代表的な屋根材ですが、鉄の鋼板が使用されている為、錆びやすく耐久性も低いです。
錆びると穴が空く原因になる為、錆止めを行いながら定期的に塗装メンテナンスを行う必要があります。
スレート:耐用年数15~20年
スレートはセメントを固めて加工した屋根材です。
(コロニアルやカラーベストと呼ばれることもあります。)
安くて意匠性もあることから、新築、リフォーム共に日本で最も使用されています。
非常に使い勝手の良い屋根材ですが、割れや欠けが発生しやすい屋根材です。
雨などで水を吸った後、乾燥する際に伸縮する為です。
そういった症状を防ぐ為にも、定期的に塗装メンテナンスが必要です。
ガルバリウム鋼板:耐用年数25~30年
ガルバリウム鋼板とはアルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%から成るアルミ亜鉛合金めっき鋼板です。
アルミニウムが55%含まれていることにより、耐食性、加工性、耐熱性、耐錆性などに優れれております。
また、スレートより軽いことから耐震性も高く、スレートに次いで普及率の高い屋根材です。
とはいえ全くメンテナンスを行わないと錆などの劣化はしてしまう為、20~30年を目安に塗装メンテナンスを行う必要があります。
アスファルトシングル:耐用年数25~30年
アスファルトシングルは、簡単に言うと防水シートに石粒を吹き付けて仕上がった屋根材です。
スレート屋根よりも軽量で耐久性が高く、洋風なお宅にピッタリなデザイン性です。
作業効率も良く、屋根材も比較的安価なため、導入コストは抑えられます。
ですが、アスファルトシングルも年数が経つと「コケや藻」、表面が剥がれてくることがあります。
25~30年を目安に再塗装を行う必要があります。
瓦:耐用年数40年~
長い歴史を持つ瓦は、しっかりとメンテナンスを行うことで100年近く耐用することができます。
スレート屋根や金属屋根と違い屋根材を再塗装するのではなく、瓦を固定している漆喰の塗り直しや、割れた瓦の部分交換などでメンテナンスは必要です。
メンテナンスが必要なのは屋根材だけじゃない
屋根材はメンテナンスを行うことで耐用年数を延ばすことが出来ますが、メンテナンスを行う必要があるのは屋根材だけではありません。
屋根の下地を形成している野地板やルーフィングもメンテナンスをしなくてはいけません。
野地板:25~30年
野地板は屋根材を固定している下地で「9mm~12mm」厚のベニア合板です。
経年劣化や雨漏りすると、この野地板は腐食してしまうことがあります。
ですが屋根の下地の為、定期的にメンテナンスを行うことは出来ないのですが、屋根を葺き替える場合に交換を行ったり、反りや浮きがある箇所を増し締めする必要があります。
ルーフィングシート:25~30年
ルーフィングシートは野地板と屋根材の間に敷きこむ防水シートです。
2次防水とも言われ、万が一屋根材の隙間から雨水が入ってしまっても、このルーフィングシートで守っています。
劣化すると、破れたり、穴が空いたりすることで雨漏れの原因になったりする為、屋根材を葺き替える際に敷き直す必要があります。
まとめ
屋根材の耐用年数を延ばすために必要なのは正しいタイミングで、正しいメンテナンスを行うことです。
定期的に塗装を行う事で、おおよそ「10~15年」くらいは耐用年数を延ばすことができます。
また、もちろん耐用年数自体は屋根材によって変わります。
それぞれ屋根材の種類を確認して、適正なメンテンナス時期をご検討ください。