屋根の中でも雨漏りが発生しやすいのが「谷」です。
そんな谷を雨漏れから守る為に取り付けられるのが「谷板金(たにばんきん)」です。
ここでは谷板金がどのようなものなのか、またメンテナンス方法などについて紹介していきます。
谷板金の役割とは
まず「谷」とは、鋸屋根、複合屋根、ドーマー設置屋根といった、少し複雑な屋根形状により発生する場所を指します。
雨水が集水する場所に当たる為、水が溜まりやすく、雨漏れのリスクも高い場所になります。
そして、谷部分は屋根材同士がぶつかる場所になる為、必ず隙間が発生してしまいます。
その隙間部分から雨水が入らないように取り付ける役物のことを谷板金と呼びます。
谷板金は屋根材が収められない場所に設置し、建物を雨漏れから守るという役割があります。
谷板金はメンテナンスが必要
谷板金の多くは瓦屋根、金属屋根、スレート屋根といった屋根材に限らず「ガルバリウム鋼板」が使用されています。
ガルバリウム鋼板は錆びにくく耐久性の高い金属材ですが、劣化をしないという訳ではありません。
錆びることで穴が空いてしまうことがあります。
またそれだけでなく、舞い上がった土やほこり、落ち葉などの影響で詰まってしまうケースもあります。
特に谷板金は雨水に晒される機会が多い場所なので、不具合が発生すると雨漏れの原因になりやすい場所です。
その為、定期的なメンテナンスが必要です。
塗装によるメンテナンス
谷板金の多くはガルバリウム鋼板なので、塗装によるメンテナンスが必要です。
屋根の塗装メンテナンスを行う際、併せてメンテナンスを行いましょう。
交換によるメンテナンス
穴が空いてしまったり、劣化が酷い場合は谷板金の交換が必要です。
しかし谷板金の交換は簡単ではありません。
施工手順として谷付近の屋根材を取り外さないと、谷を外すことが出来ないからです。
交換は非常に手間とコストが掛かる為、注意が必要です。
谷に使用される素材の種類
谷板金の多くはガルバリウム鋼板が使用されますが、他に使用される建材もあります。
谷瓦
瓦屋根の場合、谷にも瓦が使用される場合があります。
特殊な形状の瓦を使用するため、非常に高級な納め方です。
ステンレス
谷板金にはステンレスが使用されることがあります。
ステンレスはガルバリウム鋼板より耐サビ、耐久性の高い建材です。
しかし素材自体が高価な為、あまり使用されることはありません。
銅板
銅板は瓦同様、古くから外装材に使用されてきた建材です。
銅板は一定以上の劣化がせず、メンテナンスフリーといった非常に高機能をもった建材です。
しかし施工職人の減少、素材の希少性、導入コストがかかる点から、現在の住宅で使用されることが少なくなっております。
まとめ
谷は一部の複雑な屋根形状を納めるには必ず発生する場所です。
この谷部分に取付けている板金材を谷板金と言います。
谷板金には、雨水が集中するため、とても重要な役物です。
住宅を雨漏れから守るためにも、谷板金のメンテナンスをしっかりと行っていきましょう。