漆喰(しっくい)とは、瓦屋根の棟部分に使われている「消石灰を原料にした白い建材」のことを言います。
その漆喰は主に「瓦、石材の接着や目地の充填」に使われています。
この漆喰が経年劣化などの原因により崩れると、そこから雨水が侵入して雨漏りの原因となってしまいます。
そのため、おおよそ15年を目安にメンテナンスが必要となりますが、この漆喰の補修を依頼した場合、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?
ここでは、漆喰補修の費用とその費用が少し割高な理由についてご紹介していきます。
漆喰補修の費用はどれくらい?
屋根の棟瓦の主な施工箇所は、「三日月の部分」と「鬼瓦まわり」に行います。
施工手順は、「下地調整」、「養生」、「漆喰塗り」、「清掃」を行い、工期は、おおよそ「2日間」で仕上がります。
三日月の漆喰補修:「¥3500~5000円/m」
鬼瓦の漆喰補修:「¥3000~5000円/か所」
棟には、裏表に三日月の漆喰箇所があり、上記は「半面のm単価」となりますので注意が必要です。
両面施工の場合では、この費用の2倍かかってきます。
全体的価格では、だいたい「20m」の漆喰補修で「8万円~10万円」くらいが目安となってくるでしょう。
そのほか、「屋根勾配」や「下地の状態」によっても費用単価に差が出てます。
その他、状況によって「仮設足場」、屋根用の「屋根足場」が必要な場合には、足場代も別途発生します。
漆喰補修の費用が少し割高な理由とは
漆喰補修工事は工期に比べ、少し割高に感じることが多いのですが、それは主に「人件費と足場代」にかかってくるものです。
なぜ人件費が高額になるかというと、漆喰を塗りなおす作業は職人の技術がとても重要となるからです。
尚且つ、高所作業であり、作業する姿勢が危険で、体を壊しやすいためです。
下地調整

まず「葺き土と呼ばれる下地の土」が見えるまで崩れた漆喰をはがし、葺き土を整え湿らせて漆喰の定着をよくする下準備をします。
その後、削った漆喰を清掃して養生に入っていきます。
漆喰塗り

下準備完了後、下地部分に漆喰を塗っていきます。
ここで熟練の職人の技術が必要となるのです。
漆喰をコネながら塗っていくのですが、上手く仕上げないとすぐに剥がれてしまいます。
また、漆喰を塗る厚さの調整も難しく、慣れていないと薄塗りや反対に厚塗りしてしまう傾向にあります。
漆喰を多く塗って飛び出した部分があると、そこに雨が当たり、また崩れてしまう原因になってしまうのです。
仕上がり

漆喰の作業は「見た目の美しさ」かつ「崩れにくさ」を重視して仕上げます。
工期は、長さにもよりますが「約1~2日間」で完了します。
漆喰補修の費用は、平均的な一戸建ての住宅で、仮設足場を含め「約25~50万円(足場含む)」がおおよその相場です。
工期は短いのに金額が割高だと思われる方も多いでしょう。
ですが、漆喰作業は足場があっても施工する姿勢が悪く、滑りますので、意外と危険な作業です。
また姿勢が悪いので、腰を痛めてしまう職人さんも多いです。
漆喰作業は、熟練の技術が必要であり、リスクがあるため、少し割高となる理由となります。
まとめ
漆喰は、経年劣化によって表面が剥がれてくるため、定期的にメンテナンスが必要な箇所となります。
補修方法は、下地調整を行い、新しい漆喰を塗っていく作業となります。
工期は、1~3日間で完了となり、比較的短期間で完了します。
その工期に対して、工事金額が「25~50万円(足場代含む)」かかるため、割高に感じる方も多いです。
しかしながら、高所作業で危険が伴い、経験と技術が必要な工事なので、それに応じた費用となります。
最後に、漆喰も劣化してから放置してしまうと雨漏りの原因にもなります。
漆喰がボロボロと剥がれ落ちてきたら、早めのメンテナンスをご検討ください。