屋根は住宅の中でも、雨風が常に当たるところですし紫外線によるダメージが大きいので、最も傷みが激しいところです。
そのため、定期的に屋根塗装のメンテナンスが必要です。
しかし、最近では太陽光パネルが屋根に設置されている住宅が多くなっているため、屋根塗装をする際にはソーラーパネルの取り扱いも考えなければなりません。
ここでは、屋根塗装を行う際に「太陽光パネル」がある場合の施工方法やその費用についてご紹介します。
太陽光パネルがある場合の塗装方法
パネルを避けて塗装する
多くの場合は、パネルによって「雨や紫外線」が遮られているため、パネル下部の傷みは軽減されています。
そのため、ソーラーパネル下部分の塗装を避けて、周りの部分だけ塗るという方法を行う事が比較的多いです。
太陽光パネルを脱着して塗装する
しかし、ある程度長い年月が経過した住宅の場合は、太陽光脱着をして屋根塗装をする必要が出てくることもあります。
その場合は、太陽光パネルを一度解体してから塗装を行い、その後また太陽光パネルを戻す作業を行っていきます。
太陽光脱着にかかる費用はいくらくらいになる?
【費用の目安】
太陽光パネル脱着(電気工事含む)「10,000~20,000円/枚」
枚数が増えれば増えるほど、「上記単価」も下がってきます。
どのくらいの「面積(枚数)」にわたるのか、どの「メーカー」かによっても異なりますが、太陽光脱着には、おおよそ「10万円」以上のコストがかかってきます。
これに加えて、「配線・取付け金具の交換」の有無によって、追加で費用がかかることがあります。
そのほか、太陽光脱着用の「足場のステージ」の設置費用や、勾配によって「屋根足場」も必要となります。
太陽光を仮置きするステージ費用は「3~5万円」、屋根足場も「3~5万円」前後別途かかるでしょう。
太陽光脱着の前にメーカーに確認した方が良い?
太陽光脱着をした上で屋根塗装をする場合には、「施工を行った業者」や「メーカー」に相談することが大事です。
というのも、ほとんどのメーカーで太陽光脱着をすると「メーカー保証が切れてしまう」という契約を結んでいるからです。
メーカー保証の年数がすでに過ぎてしまっているのであれば問題ありませんが、まだ保証対応が可能な年数ならば、太陽光脱着をすることで保証を失ってしまいます。
屋根塗装工事をスムーズに進めるためにも、保証期間中の場合は事前に確認をして問題点をなくしておくことが大事です。
屋根の状態によっては葺き替えたほうが良い?
「太陽光パネルの脱着」と「仮設足場」は形が残らない工事のため、できるだけ回数を減らして行いたい工事項目です。
そのため状況によっては、将来的にコストを抑えられる「葺き替えやカバー」を行った方が良い場合もあります。
屋根塗装よりも「葺き替えやカバー」を行った方が良い場合は下記3つあります。
屋根の劣化が激しい
屋根塗装では、下地の状態が悪いと劣化速度は早くなります。
基本的には、10年サイクルでの塗装と言われていますが、「6~8年」で表面が剥離するケースもあります。
その状態で屋根塗装を行い、「太陽光の脱着」を行ってしまうと費用がもったいないです。
すぐに近い将来、「再塗装か葺き替え、カバー」という選択肢になってしまうからです。
劣化が激しい場合には、塗装よりも「20年~30年」ノーメンテナンスで耐えることのできる「ガルバリウムやジンカリウム鋼板などへの葺き替えを行い」、無駄な脱着をなくした方が経済的にはお得でしょう。
太陽光パネルを野地板に固定している
太陽光パネルの留め金具を野地板(屋根材の裏にある木板)に固定している場合が多くあります。
年数が経過して劣化が激しい場合には、野地板も傷んでいるケースがあり、脱着した際に固定が上手くいかない場合や、雨漏りリスクも高まります。
屋根の年数が古く、築30年以上の場合は「葺き替え・カバー」を行い野地板を新しくする方法がおススメです。
太陽光パネルの枚数が多い
太陽光パネルの枚数が多いと、一度の脱着で「20万円~50万円」かかるケースもあります。
あまりにも脱着費用が高い場合には、屋根塗装ではなくカバー工事を行った方が、将来的にお得な場合があります。
太陽光パネルの枚数が多い場合には、「2パターンでお見積もり」依頼を行い、しっかりと計算を行って、慎重に判断していきましょう。
まとめ
屋根塗装をする際に太陽光脱着が必要な場合は、その脱着作業だけでおおよそ「約10万円」以上の費用がかかります。
パネルの面積や配線作業、足場費用などによってはさらにコストがかかることもあります。
太陽光パネルの脱着は高額なので、状況によって屋根塗装以外の「葺き替え・カバー」工事も視野に入れての、検討をおすすめ致します。
実際に脱着する場合は、メーカー保証の問題もありますので、メーカーや設置業者に確認を取ってから工事を進めていきましょう。