割れたスレート瓦

 

屋根材の瓦は、台風などの自然災害落下物の影響で、割れてしまうことがあります。

部分的な破損でも放置すると、瓦の割れから雨水が侵入して内部を傷める原因となってしまいます。

そんな割れてしまった瓦を「一枚や部分的」に交換した場合、費用はいくらかかるのでしょうか?

ここでは、瓦交換に必要な費用と、一枚だけでは交換ができないケースについて解説していきます。

瓦の交換が必要なケースとは?

粘土瓦

 

粘土を使用した瓦の耐用年数は「60年から80年」とも言われています。

それに加えて表面が滑らかなため、コケが生えたりすることもありません。

しかし、強風や地震で瓦の位置がずれてしまったり、瓦が落ちてしまって割れたりするなら交換の必要があるでしょう。

セメント瓦、モ二エル瓦、化粧スレート瓦

 

セメントを原料とした瓦の耐用年数は「30年前後」です。

セメント系の瓦は外側の塗装が剥げると、防水効果が薄れて、ひび割れが生じ、雨漏りの原因になることもあります。

また、強風で飛ばされて剥がれて落下してしまうこともあります。

このように、ひび割れや屋根材が剥がれてしまった場合に瓦を交換する必要があります。

 

瓦を一枚交換するのにかかる費用は?

自分で交換する(DIY)

屋根コーキング補修

 

瓦1枚の単価(材料代)は「100円から1,000円」などその種類と材質によって価格は様々です。

高いところに自分で登れるから大丈夫という方や、普段からDIYをしているため「瓦の種類や交換方法」を自分で調べられるという方は、専門業者に頼まず「瓦代のみ」で交換が行えるでしょう。

しかし高所でのDIYには危険が伴いますので、基本的には「屋根のDIY作業」はおすすめはしてません。

業者に依頼する

粘土瓦(洋瓦、セメント瓦)の交換

 

粘土瓦の場合は、比較的緩やかな勾配ですので、仮設足場なしで一枚だけ交換することも可能です。

同じ形状の瓦を取り揃えて、サイズを合わせる為にサンダーでカットして差し替えるだけです。

瓦一枚の交換費用:8千~1.5万円」

 

スレート瓦の交換、差し替え

 

粘土瓦の場合には、既存の瓦を外して、簡単に交換できます。

ですが、スレート瓦の場合には「釘で屋根材を固定」しているため簡単に取り外せません。

取り付ける際も、屋根材が重なり合っているため、釘止めすることはできません。

そのため、新しい屋根材を「コーキングで接着」して張っていく「応急処置」となります。

きちんとした施工(釘止め)を行う場合は、天辺の棟板金まで屋根材を剥がしていく必要があります。

一枚のみ差し替え:「1万~3万円」

何枚か剥がして交換:「5万~10万円」

 

瓦一枚のみ交換できないケースとは?

 

瓦が一枚や数枚だけ割れてしまった場合に、手軽で安く修理が行える「部分交換(張替え)」ですが、屋根材や状況によってできないケースもあります。

同質の瓦が廃盤になっている場合

劣化したセメント瓦

 

30年以上築年数が経過した屋根材の「セメント瓦、モ二エル瓦、スレート瓦」などは、同じ瓦が廃盤になっているケースがほとんどです。

同じ瓦が無いと一枚だけ違和感なく交換することが出来なくなってしまいます。

このようなケースでは、「似たような瓦を加工して取付け」を行うか、「板金を加工して取付け」ていきます。

廃盤になっている場合でも、上記のように補修を行う事はできますが、一枚だけ見た目が違うので目立ってしまうというデメリットがあります。

割れた箇所が原因で雨漏りしている

瓦の破損

 

屋根材が割れてしまったことが原因で「雨漏りが発生」した場合、瓦を交換しただけでは解決できません。

雨漏りしたということは、下に張られている「二次防水(防水シート)」が破損しているといことです。

上物の瓦だけ交換しても、強雨の際に二次防水まで雨水が侵入してしまうと雨漏りしてしまいます。

そのため、この防水シート及び、必要であれば木下地の補修を行ってから瓦の取付けを行います。

ニチハのパミールの場合

屋根材の剥がれ

 

ニチハのパミール(現在では廃盤)やコロニアルNEOなどの屋根材は、自然災害での割れや破損というよりも商品の欠陥により剥がれたりします。

防水効果が切れると、雨水を吸収して表面がボロボロと剥がれてきます。

この屋根材を1枚だけ交換しても、次々と不具合が生じてしまうので、全体的なメンテナンスを考えていく必要があります。

 

瓦の交換は火災保険が使える?

屋根調査

 

火災保険には火災だけでなく、自然災害にも適用されます。

例えば、台風や落雷、水害、雪害などです。

台風による強風で瓦が飛んで行ってしまった」、「屋根に雪が積もってしまって、瓦がずれてしまった」などの場合、瓦に不具合が発生したときは火災保険は適用されます。

その影響で、雨漏りした場合もその修繕費が火災保険の対象となります。

反対に火災保険が適用されない場合は「経年劣化が理由で瓦が破損した場合」、「人的要因で瓦を割ってしまった場合」などです。

そのほか、同じ自然災害でも地震の影響で瓦に修理が必要な場合は、地震保険に加入している必要がありますので間違えないように注意が必要です。

 

最後に

 

急な自然災害などのトラブルで一部の屋根が破損してしまった場合でも、部分的な修理が行えます。

ですが、瓦一枚の「交換費用」や瓦一枚だけ「交換できるか」は、屋根材の種類や状況によって異なります。

適正な費用を知るためには、現地調査を依頼する必要があります。

もし、屋根が剥がれてしまいお困りの方や、現地調査をご希望の方がいらっしゃいましたら、お気軽に轍建築までお問い合わせください。